非国民通信

ノーモア・コイズミ

別の国がやったなら評価は異なるわけで

2022-08-07 23:05:44 | 政治・国際

「過激主義対策として評価する」 アルカイダ指導者殺害で官房長官(朝日新聞)

 松野博一官房長官は2日の閣議後会見で、バイデン米大統領が国際テロ組織アルカイダの指導者、アイマン・ザワヒリ容疑者(71)をアフガニスタンの首都カブールでドローン(無人機)で空爆し、殺害したと発表したことについて「中東地域の平和と安定に資する国際的な過激主義対策の成果のひとつとして評価する」と述べた。

 その上で、松野氏は日本政府の対応として「アフガニスタンを再びテロの温床にしないため、過激主義の国際的な拡散を防ぐため、引き続き国際社会と連携してテロ対策に取り組んでいく考えだ」と述べた。

 バイデン氏は今回の作戦について「正義は実現された。テロリストのリーダーはもういない」と述べている。

 

 「保守」と言った場合、それは単に保守的な人々や考え方を指すよりも差別主義者を指して使われることが多いわけです。あるいは「フェイクニュース」なども、字義通りに虚偽のニュースを指すのではなくロシア発のニュースをそのように呼ぶ人も少なくありません。そして「国際社会」もまた地球上に存在する各国を意味しているとは限らず、ヨーロッパと北米に日本と特定の国々を指しているケースが目立ちます。ここで松野官房長官のいう「国際社会」もまた同様ではないでしょうか。

 「力による現状変更」も然り、単純に暴力なり軍事力なりを行使して何かを変えるというのであれば、山上容疑者の安倍元首相殺害や2014年ウクライナの暴力革命もそうですし、アメリカが他国の活動家を殺害するのも同様に当てはまります。しかし実際のところ「力による現状変更」と呼ばれるのは専ら、アメリカ陣営に属さない国による軍事力の行使を指しているわけです。山上容疑者の犯行は「民主主義への挑戦」と日本の大手メディアで呼ばれました。では、アメリカによる類似の行為は何と呼ぶべきなのでしょう。

 仮に山上容疑者が「正義は実現された。カルト教団の広告塔はもういない」と述べたとして、そこで日本の官房長官が「日本の平和と安定に資する反社会的カルト対策の成果のひとつとして評価する」みたいにコメントすることは考えにくいところです。あるいはロシアなり中国なりが、それぞれの国へのテロを辞さない活動家を国外で殺害などしようものなら「国際社会」は嬉々として非難の声を上げていたはずです。しかし担い手が宗主国であれば、話は違うのですね。

 核兵器を巡っても、我々の政府には二重の基準があります。しばしば日本は核廃絶や核軍縮、核兵器の不拡散を国際会議等の場で訴えたりもしてきました。しかるに国際会議での決議や条約の制定がアメリカにも及ぶ場面となるや、途端に日本政府は口を閉ざしても来たわけです。まぁ日本の国是はアメリカ第一主義であり、アメリカの意向に背くことは行わない──そういう観点では一貫性があるとも言えますが。

 ウクライナ「避難民」は受け入れるけれどアジアやアフリカからの難民は受け入れない、NATO加盟に必要とあらばクルド人への庇護は取り下げる等々、「国際社会」では国籍によって処遇に差を付けることが当たり前となっています。本来であれば同じ人間のはず、クルド人にだってウクライナ人と同じ人間としての権利があるはずです。しかし「国際社会」がウクライナ人に差し出すものとクルド人に差し出すものは全く異なります。そこにあれこれ理由を付けて正当化を図るか疑問を持つかで、差別主義者かそうでないかが分かれると言えるでしょう。

 人間だけではなく、国家もまた同様です。大国も小国も、宗主国も衛星国もアメリカ陣営に属していない国も、同じ権利を持った国家として尊重されるべきものと言えます。しかるに日本の国家観はどうでしょう。宗主国には(他国に軍事侵攻したり他国の活動家を殺害したり等々)特別な権利を認める一方で、他の国に対しては教え導く立場、時には相手を罰し裁く立場として振る舞ってきたところは少なくないはずです。

 昨今アメリカの中国への挑発はエスカレートするばかりで、レイシストを大いに喜ばせているところですが、その帰結はどうなるのでしょうか。台湾がウクライナの役割を期待されていることは明白ですが、おそらく日本にはポーランドの役割が求められるものと予測されます。かつてウクライナを支配し一時はモスクワをも陥落させた昔年の大国ポーランドとは歴史的にも重なるところが少なくありません。ただ、それが日本にとって良いことかは別の話ですね。

 お互いに相手を尊重することが出来なければ真の平和など訪れることはありません。ところがアメリカの覇権を維持することを以て平和と勘違いしている人も多いわけです。宗主国に従う国を「国際社会」と呼び、それに従わない国を導き、罰していこうとするのが日本の立ち位置と言えますが、こうした日本を外から見た場合はどうでしょう? 独立した国からすれば日本はアメリカの衛星国に過ぎない、対等な国と見なされなかったとしても不思議ではないです。

 近年の国際的な対立は、「アメリカによる天下統一」か「共存」かを問うものであると言えます。戦国時代、最大勢力を築いた羽柴秀吉は惣無事令によって大名間の私闘を禁じましたが、この時点ではまだ日本全国を支配してはいませんでした。九州や関東・東北地域の討伐を続けて天下統一を成し遂げたのは、他の大名間の勢力争いを禁じた後です。現代はアメリカが惣無事令を出している段階に近いものがありますが、全ての国がアメリカに服属する世界を目指すのが正しいかどうか、そもそも現実的に可能なのかどうかは考慮されるべきでしょうね。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

目次

2022-08-07 00:00:00 | 目次


なんだかもう、このカテゴリ分けが全く無意味になりつつあります……

社会       最終更新  2022/ 7/31

雇用・経済    最終更新  2022/ 6/14

政治・国際    最終更新  2022/ 8/ 7

文芸欄      最終更新  2021/ 3/21

編集雑記・小ネタ 最終更新  2022/ 6/26

 

Rebellion (rebellion0000) は Twitter を利用しています

 

↑暇ならクリックしてやってください


 このサイトはリンクフリーです。 

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いったい何が優先されたのか

2022-07-31 22:50:01 | 社会

日本のコロナ感染者、世界最多に(共同通信)

 【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)は27日、日本の新型コロナウイルスの新規感染者が24日までの1週間で96万9千人超に上り、世界最多だったと発表した。日本ではオミクロン株の新たな派生型「BA・5」による「第7波」の勢いが続いている。

 

7月のテレワーク実施率16・2% 過去最低に 生産性本部調査(産経新聞)

 日本生産性本部は25日、今月4、5日に実施した意識調査で、テレワークを実施していると答えた人の割合が前回4月調査より3・8ポイント低い16・2%となり、令和2年5月の調査開始以来最低だったと発表した。足元で新型コロナウイルスの感染が拡大しているものの、政府による緊急事態宣言などの行動規制はなく、企業によるテレワークの退潮が垣間見える結果となった。

 

 新型コロナウィルスの感染が大きく広がっているわけですが、世の中の対応はどれほどのものでしょう。ほんの少し前まで「マスクを外せ」と連呼していたことに加え、テレワーク実施率も調査開始以来の最低を記録するなど、感染対策を放棄する方向に社会が大きく舵を切ってきたことは間違いありません。では、それによって経済の好循環が生まれたかと言えば、全くその様子はないわけです。優先されたのは、経済活動とは別の何かであったと言えます。

 プロスポーツの世界でも感染者の増加によって試合が出来なくなっているところは多い、会社でも感染によって1週間あまり仕事を休む人が珍しくなくなりました。このレベルで感染が続くと、当たり前ですが経済活動にだって穴が空きます。感染拡大を食い止めることこそが最大の経済支援策でもあったはずですが、何らかの意図を持ってか感染を防ぐための行動を排していこうとする人々が幅を利かせるようになった、そして今に至るのではないでしょうか。

 感染症対策によって、制約を受けるものもあれば恩恵を受けるものもあります。コロナ前には主流派であった前者が、巻き返しを図って成功したというところなのかも知れません。テレワークの縮小がまさに象徴的で、全員出社の勤務環境で評価を得てきた人もいれば、テレワークで成果を出せる人もいるわけです。出社して働いている振りをするのが得意な人、面前でのアピールで頭角を現してきた人からすれば、テレワーク環境はいわば「アウェー」みたいなものでしょう。そうした人々が自分の活躍できる環境を取り戻そうとすればするほど、テレワークは縮小されると言えます。

 オフィスワークであればどこでも一人や二人は、一日中お菓子を食べて時間を潰している人や誰かの陰口で盛り上がっているだけで何の仕事もしていない人、自席にいるよりも喫煙所にいる時間の方が長い人など、にもかかわらず会社からの評価は低くない人がいるわけです。「オリンピックは参加することに意義がある」とは往年のIOC会長クーベルタン氏の名言として知られますが、会社勤めも同じようなものだと思います。出社することに意義がある、そういう文化が我々の社会に根付いているのです。

 学校だって、授業なんて聞かずとも欠かさず登校さえしていれば皆勤賞はもらえます。ところがテレワークとなると別の基準が必要になる、出社という伝統的な仕事の証が使えなくなってしまうわけです。成果を提示できる人にとっては何の問題もありませんが、それが出来ない人もまた多いことでしょう。後者にとってテレワークは重荷であり、出社さえしていれば仕事をしていると評価されていた昔に戻りたいと思うのは自然なことです。そして進歩ではなく復古を志向した人の方が多数派を占めた結果として今──感染は拡大し経済は後退する──に至ると言えます。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

世の中を変えるために市民が出来ること

2022-07-24 22:37:35 | 社会

 社会に対する変革意識が強く、その一方で理想を実現する手段から距離があるほど、人がテロリズムに走る傾向は高まると何かの本で読んだ記憶があります。例えばまぁ、日本の政治家と裏で手を組んでいる韓国のカルト教団をなんとかして斥けたいと思ったとしましょう。もし自身が政府を動かせるような大物議員であったなら、暴力に頼らずとも世の中を変えていくことが出来ます。しかし何の権力も持たない一市民であったならばどうでしょうか。

 かつては「保育園落ちた日本死ね!!!」等と訴えたブログが話題を呼んで政治家にも取り上げられるようになったことがあります。しかし、問題のブログが他に先駆けて保育園問題を世に問うたものではないわけです。子供の預け先が見つからずに困っている、そうした状況を発信している先駆者は数多いました。しかし、そうした人の声が社会に響いたかというと微妙なところで、「保育園落ちた日本死ね!!!」で世間が動いたのは全くの偶然でしかありません。

 SNSで大きな話題になっているようなメッセージも、決して目新しいものではない、その人が初めて表に出したものではないことが普通です。時には、私自身が過去に同じようなことを書いたなと懐かしく思うような場面も多々あります。同じ趣旨のことを私が書いたときには何の反響もなかったけれど、別の人の書き込みが全くの偶然によって世間の注目を集めることがある、それは本当に運次第、巡り合わせによるものだとしか言えません。

 普通の人が何かを主張しても、それが社会を変えるかと言えばよほどの幸運に恵まれない限り可能性はない、「保育園落ちた日本死ね!!!」の例は宝くじに当たったようなものであって、普通の人は同様の思いを訴えたところで何のリアクションも呼ばずにスルーされてきたはずです。それでも声を上げ続けるしかないとも言えますが、本当に何かを成し遂げたければ別の手段を模索せざるを得ないだろうとも思います。

 よく社会への不満を募らせている人に対して「おまえは状況を変えるために何かをしたのか」と説教ごっこを始める人が多いわけです。社会全体の問題を個人の問題へとすり替えていくのが日本の流儀みたいなところがありますけれど、こうした中で世の中を変えるために最も実効性のある手段であると同時に実行可能でもある手段を行使したのが、山上容疑者なのではないでしょうか。

 単に山上容疑者が統一協会への反感を語っていただけならば、それで誰かが動くことはありません。非正規で働く中年男性が社会を批判したところで、むしろ本人の生き方を責められるのが関の山でしょう。そうした状況から世間を変えるために何が出来たかと考えると、行為の是非はさておき合理的な判断を山上容疑者は下したと言う他にないです。もしも総理大臣の祖父から地盤を継いだような権力者であったなら、より平和的な手段を選ぶことも出来ます。しかし普通の人にとって選択肢は多くないのです。

 市民の責務とは投票による意思表明であり、それを行っていれば市民としてやるべきことはやっている、政治や社会に対する不満を公言する資格があると私は思います。しかし、こうした人々に対して投票以上の何かが求められるのであれば、それが直接行動に行き着くのは自然な結論であるとも言えます。権力を持たない人に出来ることが限られている中で、最も確実で実行可能な手段が選ばれたのであれば、酌量の余地を感じないでもありません。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

価値観を共有している人々

2022-07-17 23:07:03 | 社会

 安倍元総理の銃撃と死去から1週間あまりが経ちました。犯行の動機として当初は「特定の宗教団体」への恨みと伝えられ、具体的な団体名が明かされるまでは不思議な間もあったわけです。山上容疑者の恨みの対象は大方の想像通り統一教会こと世界平和統一家庭連合であったわけですが、大手メディアが軒並み統一教会の名前を出すのに及び腰であったのはどうしてでしょうか。

 国内の大手メディアに先んじて一部の海外メディアやタブロイド紙は背景に統一教会が存在していることを報じており、それは決して隠された真実などではありませんでした。安倍晋三の祖父である岸信介の時代から統一教会との協力関係は始まっており、2021年の段階でも安倍氏はトランプ元大統領とともにビデオメッセージを寄稿するなど、相互の関係が維持されてきたことは政治に関心のある人の間では周知の事実だったはずです。

 もちろん、大手新聞社の記者やテレビ局の取材陣が政治に全く関心を持っておらず、自民党と統一教会の関係を全く知らなかった可能性までは否定しません。政治について何も知らない様子の国会議員だって定期的に当選しているのですから、それくらいのことは普通にあり得るでしょう。ただ現在もなお主要メディアでは山上容疑者が、安倍元首相が統一教会に近いと「思い込んで」犯行に及んだと伝えており、何かしら意図が透けて見えるところもあります。

 山上容疑者が何を根拠に安倍晋三と統一教会の繋がりを意識したのかは知りませんが、結果的に正解していることは確かです。実際に統一教会は祖父である岸信介の後援団体の一つであり、先祖代々の地盤を受け継いだ孫の晋三もまた関係を維持し続けていることは、誰かの思い込みでも何でもない、客観的に明らかな事実なわけです。にもかかわらず故人と統一教会の関係を「思い込み」であるかのように広めようとしているのは、何を意図しているのでしょうか。

 単純にフェイクニュースと言ったら虚偽のニュースのことかと思うところですが、昨今はロシア発であるニュースを指してフェイクニュースと呼ぶ人も増えています。同様に今回の事件の背景に安倍晋三と統一教会との繋がりを語る言論を指して、陰謀論であると断ずる人もまた少なからず存在するわけです。ポスト真実とはよく言ったもの、彼らには事実関係などどうでも良いのでしょう。大切なのは、どちらの陣営に属しているかです。

 日本の「保守」は韓国を嫌っており、その韓国のカルト宗教ともなれば尚更であるはずなのですが、「保守」が支持する政治家は統一教会と手を握っている、それ自体は公然の秘密であって決して隠されてきたものではありません。ただ「見ないようにしてきた」とは言えるでしょうか。世の中には隠された真実などない、何事も知ろうと思えば知ることは出来る、後は現実を直視する姿勢があるかないかの問題でしかないと思いますね。

 2018年には、医学部入試において性別による不当な差別が行われているとして大きな問題になりました。ただ性別による選別が行われていることは2017年以前に出版された一般向けの書籍にも普通に書いてあったわけです。決して隠された真実ではなく、目を向けられるようになったかどうかの問題でしかなかったと言えます。山上容疑者が犯行に使った銃の作り方も一部メディアで報道され、それを模倣する人が出たらどうするのかと憤る人もいるようですが、この辺も結局は隠された情報ではない、知ろうとする意思さえあれば誰でも知ることの出来る話だな、としか。

 問いは人を隔てますが、憎しみは人を結びつけます。韓国のカルト宗教と日本を結びつけたのは「反共」でした。ソ連が解体してもNATOが拡大を続けていくように、共産主義が影響力を失っても反共の旗を掲げる人々の士気が損なわれることはありません。今なお共産党を監視対象として位置づける日本の公安もまた反共の価値観は共有しており、統一協会は紛れもない「同志」であり続けています。統一協会と安倍晋三ひいては日本の歴代政権との関わりを報じることに及び腰な大手メディアも、価値観は共有しているのでしょうか。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

進歩か復古か

2022-07-14 00:35:51 | 社会

 新型コロナウィルスの感染者が大きく増加しています。プロ野球チームの中にも感染が蔓延して試合中止になるところも出てきました。良いことか悪いことかはさておき野球選手だと感染者の実名まで報道されますので、それが初めてではない選手の存在も確認できるわけです。新型コロナは一度感染しても長期的に免疫が付くわけではなく2回目以降の感染もあり得る、集団免疫など完全な幻想であることがよく分かります。

 ロシアとウクライナのコロナ事情がどうなっているのか、前々から気になっているのですが、別の話題ばかりで感染状況については情報が出てきません。取り敢えずロシアは自国でワクチンを開発し政府が接種を推奨しているにも拘わらず、国民の自由意志が尊重されワクチン接種率が低迷していることは西側メディアでも伝えられてきました。実際、感染者数も死亡者数も高めの水準を推移していたはずですが、幸か不幸か継戦に支障を来す水準には到達していないようです。

 一方のウクライナは、自前でワクチンを開発することも西側のワクチンを調達することも出来ず、さらには昨年の時点からロシア製ワクチンの使用が禁止されるなど、国民の生命よりも排他的ナショナリズムを優先する姿勢を取っていました。これは同様に西側のワクチン調達がままならない中でも中国製ワクチンの阻止に動いた台湾政府と共通するところで、まぁ典型的な西側諸国には好都合だけれど国民にとっては有害な政権と呼べるでしょうか。

 

北京市のワクチン義務化、発表翌日に撤回 ネット上で強い反発(ロイター)

[北京 8日 ロイター] - 中国の北京市政府は、図書館や映画館、ジムなど混雑する場所への立ち入りをワクチン接種者のみに認めるとした新型コロナウイルス対策について、ネット上での強い反発を受けて、発表したばかりにもかかわらず撤回に追い込まれた。

市は6日、医学的理由がない限り、11日以降ワクチン接種を義務付けると発表。それからわずか1日後の7日遅く、政府系紙は市がこの計画を取りやめたと報じた。検温を受けて72時間以内の陰性証明があれば公共の場に入ることができるという。

 

 そして主要国では唯一の厳しいコロナ封じ込め政策を続ける中国ですが、世論の反発を受けてワクチン接種の義務化を撤回したことが伝えられています。ワクチンの非接種者は本人だけではなく他人にも感染を広げる公衆衛生にとってのリスクであり、個人の思想信条によって社会が脅かされることを許して良いのかと問われるところです。ただ民意を重んじる中国政治においては難しいところもあるのでしょう。真に強権的な国家であれば有無を言わせず全国民にワクチンを接種することも可能ですが、民主的な国家においては枷もあることがわかります。

・・・・・

 今回の参院選に限ったことではありませんが、様々なメディアが候補者へのアンケートを取っているわけです。その中でも定番の質問としては「格差があっても経済成長すべき/経済成長を犠牲にしても格差を是正すべき」みたいな二択があります。当たり前のように世間に受け入れられている考え方ですけれど、しかし日本のように世界で最も成長していない国は世界で最も格差の小さい国なのでしょうか? 一人あたりGDPで最上位に位置する北欧諸国は日本とは真逆の格差社会なのでしょうか?

 格差と経済成長が二者択一であるとする世界観は、格差拡大を経済成長に伴うものとして正当化したい小泉・竹中路線の信奉者と、経済成長をネガティブに捉える道徳屋が生み出した愛の結晶であり、決して現実から導き出されたものではありません。世の中には経済が停滞しつつも格差が拡大する国もあれば、経済成長に伴って格差を縮めていく国もあるわけです。経済成長と格差是正を二律背反の問題として提示するメディアは、その時点で現実に向き合うことを止めていると見なされるべきでしょう。

 そして新型コロナウィルスの感染抑止と経済活動も然りで、これもまたアンケート項目では専ら二択として提示されています。しかし本当にどちらかを選択する問題なのかは大いに疑わしいです。少なくとも感染拡大と経済低迷を両立させている社会は存在しており、片方を諦めればもう片方が得られるというようなものではないことは確かと言えます。ならば逆に両方を得ることは出来ないのか、経済活動を旗印に公衆衛生が脅かされようとしている今こそ考えを改めなければなりません。

 やろうとさえ思えば、会社に出勤せずとも仕事を出来る職種の多いことは既に明らかです。しかるに「コロナ前に戻る」ことをゴールに定めている人も、とりわけ経営層には多いのではないでしょうか。必要性があって社員を通勤させるのではなく、リモートワークをあくまで非常事態の体制と位置づけ、社員を再び通勤させることを「正常化」と見なしている人もまたいるわけです。「コロナ前に戻る」ことを目指している限り、確かに経済活動と感染抑制は両立し得ないと言えます。

 一方では技術の進歩によって、従来は現地でしか出来ないと考えられていた作業の遠隔化も次々と実現されています。娯楽だって時代の変遷とともに移り変わるもの、コロナ前の価値観が維持される必要があるかは疑わしいものです。感染拡大に繋がる不衛生な習慣を排しつつも、持続可能な働き方や楽しみ方へと進歩していくことをこそ、我々は考えるべきでしょう。そうあってこそ、感染抑止か経済かという愚かな二択ではなく、両立が可能になります。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

死んでも評価は変えません

2022-07-09 22:45:35 | 社会

「安倍晋三元首相死去でクレーム殺到はデマ」奈良県立医大が否定、教授の会見に称賛の声(SmartFLASH)

 7月8日、奈良市内で参院選の街頭演説中に銃撃され、67歳で亡くなった安倍晋三元首相。治療にあたったのが橿原市にある、奈良県立医科大学附属病院だ。

 だが一時、SNSでは「クレーム」「クレームの電話」がトレンド入り。同病院に対し、クレームの電話が殺到したという噂が流れたからだ。

(中略)

 本当にクレームは殺到しているのか? 確認のため、奈良県立医科大学附属病院に電話すると、大学総務広報課長が対応してくれた。

――附属病院にクレームの電話が殺到しているというのは事実でしょうか?

「とくに現時点(7月9日13時)でも電話はないので、そういった事実は確認できません。医科大学と附属病院がありますけど、全学を上げて対応させていただきました」

 

 7月8日に安倍元総理が銃撃を受けて死亡するという事件が発生しました。死亡に至るケースは2007年に長崎市長が暴力団員に射殺されて以来でしょうか。凶行の瞬間を映した動画を確認する限り、2度の発砲の間には3秒ほど間があり、1発目の時点では安倍氏に大きく慌てた様子はなく、このような事態を想定できていなかったように見えます。なんとなく日本は治安が良いイメージで銃犯罪とは無縁に思われがちです。実際のところ件数に関してはアメリカより桁違いに少ない状態が続いていますけれど、今後はどう受け止められていくのでしょう。

 凶弾に倒れた安倍氏は治療もむなしく死亡が確認されました。Twitterなどネット界隈では元首相を悼む声が広く聞かれるところで、まぁ自国の総理大臣ですから誰にとっても無関係ではなかったにせよ、あたかも知人が死んだかのようなメッセージを書き込む人が連なるのを見ると、少し距離感の取り方がおかしいのではと感じないでもありません。そしてTwitter上では、治療に当たった奈良県立医大病院にクレームが殺到しているとの噂が飛び交っているわけです。

 

安倍元首相治療の奈良医大病院にクレーム殺到で憤る声…「クレームじゃなくて慰労の気持ちを持ってほしい」(中日スポーツ)

 8日に奈良市内の街頭演説中に襲撃され67歳で死亡した安倍晋三元首相が救急搬送され治療を受けた奈良県立医科大学付属病院に対し、クレームの電話が相次いでいることについて、SNSでは「クレーム」「クレームの電話」がトレンド入り。これには「頑張った人にはクレームじゃなくて慰労の言葉を送ろうよ」「クレームの電話を入れる元気があるなら献血をしてください」など、憤りの声が相次いでいる。

 小説家で医師の知念実希人さんは自身のツイッターで「奈良医大にクレームが入っているようですが、絶対に辞めて下さい。事件後、すぐ蘇生術開始、6分で救急車到着、ドクターヘリに乗り換え、地域最高の救急センターへ搬送、100単位(約20リットル)の輸血しつつ開胸心臓マッサージ。全て完璧です。救命できなかったのは外傷が余りに重かったからです」と発信。

 

 この「奈良医大にクレームが入っている」と信じる人々のツィートはいくつか確認しましたが、いずれも「どのようなクレームが入っているのか」についての言及はありませんでした。クレームの中身次第で反論すべきものも異なってくるように思うのですけれど、不思議と拡散する人は何も気にしていないようです。ここで紹介されている知念実希人氏の書き込みを見ると、どのようなクレームを想定しているのかは推測できないでもありません。ただそれは実在するクレームへの批判ではなく、単なる妄想と戦っているだけですよね?

 安倍政権時代の某副総理など典型的ですが、終末期医療に否定的な人は多いです。日頃からそういう立場の人が、心肺停止状態で助かる見込みのない患者へ医療リソースを割り当て、常態的に不足する血液を20リットル以上も消費したことにクレームを付けるのであれば、賛成は出来ませんが一貫性はありますので異論として尊重はします。ただ上記の知念氏のツィートなどは、奈良医大の治療が十分でないとのクレームを前提に反論を行っているようです。いったいどこから、それが出てきたのでしょうか。

 実際のところは、当の奈良医大の広報が説明するとおりと言えます。何か根拠があって「クレームが殺到している」との噂が広まっているのではなく、どこかの被害妄想家がSNSに書き込んだことを、真偽を確かめもせずに拡散している人が殺到しているだけのことです。ただ、このような風説の流布が成功するからには「病院にクレームを付ける迷惑な奴がいる」という意識が一定程度まで浸透していることが推測されますね。○○と思い込んで行為に及ぶというのは、まさにこういうケースが当てはまるのかも知れません。

・・・・・

 なお取り押さえられた容疑者は元自衛官とのことで、この職歴は報道の必要性ありと判断されて仕方ないでしょうか。少なくともアニメ好きやゲーム好きの類いよりは、犯行の手段(銃撃)との関連性が深いですから。そして動機としては親族が特定の(宗教?)団体にのめり込んで破産、その団体と安倍氏が近いと判断して襲撃したと伝えられています。安倍氏と関係が深いとなりますと、昨年9月にもトランプ元大統領と並んでビデオメッセージを寄稿していた統一教会を思い浮かべる人が多そうです。しかし在職歴とは異なり、どこの団体を恨んでいたか現時点では報道されていません。故人を悼む気持ちも大切ですが、政治とカルトの関係は追求されてしかるべきでしょう。

 ちなみに私の安倍晋三評価は概ね以下の通りです。生きたままでも死んでしまっても評価は同じです。

参考、前任者に比べれば良い総理だったと思う

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

共有している価値観

2022-07-03 22:37:58 | 政治・国際

きょう「世界難民の日」 日本に逃れてきたクルド人家族「ビザもなく働けない」難民申請認められず(日テレNEWS)

20日は国連が定めた「世界難民の日」です。ロシアの軍事侵攻によるウクライナ避難民への支援が広がる一方で、迫害から逃れ日本にきたものの、支援を受けられない人々もいます。クルド人の家族を取材しました。

(中略)

トルコ当局が目をつけたのは、2017年にハニムさんがSNSに投稿した動画です。川口駅でクルド音楽を披露した様子を投稿したことについて、「テロのプロパガンダを広めている」として、トルコで逮捕状が出されたのです。

トルコ大使館に出向いた際、パスポートに穴を開けられ移動の自由も奪われました。こうした状況を訴え、難民申請をしましたが認められませんでした。

昨年、日本で難民認定されたのは74人です。4万人近いドイツや、3万人をこえるカナダやフランスにくらべ、極端に少ない日本。認定率もわずか0.7%です。中でも、トルコ国籍のクルド人は日本でひとりも難民認定されていません。

(中略)

ハニムさん
「ウクライナ人が日本きたとき、政府は支援したり、いろんな会社が仕事オファーしたり、家を無償でだしたり。ウクライナ人は人ですが、私は人じゃないですか?」

 

 さて5月の段階でウクライナからの「避難民」の受け入れは1,000人を超えたことが伝えられています。年間の難民認定が100人を常に下回ってきた日本において、いかにウクライナ人が特別に扱われているかが浮き彫りとなる数値です。このような差別を前に、あるクルド人は「ウクライナ人は人ですが、私は人じゃないですか?」訴えます。まぁ、表向きは誰もが否定するでしょうけれど、実際はウクライナ人とクルド人、その他のアジアやアフリカの人々との間で我が国は命の価値に差を付けているわけです。

 明治以来、日本は脱亜入欧を志向し西洋に対して一方的な同胞意識を持ち続けてきました。アジアやアフリカの人々が内戦や災害で窮地に瀕しているとき、あるいは中東の国々がアメリカやイスラエルの軍事侵攻を受けているとき、それは多くの日本人にとっては他人事であり、自分たちが住む世界とは別のことでしかなかったと言えます。しかしウクライナの場合は違う、それは同胞の危機であり、自分たちが立ち向かうべき問題として受け止められているのではないでしょうか。

 

クルド問題、トルコに譲歩 北欧2国、安保と人権でジレンマ―NATO加盟問題(時事通信)

 【ロンドン時事】ロシアのウクライナ侵攻を受けたスウェーデンとフィンランドの北欧2カ国の北大西洋条約機構(NATO)加盟問題で、難色を示していたトルコが28日、一転して加盟に同意した。合意内容によれば、北欧2カ国はトルコが要求していたクルド人勢力への支援などをめぐり、大幅な譲歩を示した。人権問題に絡み今後、批判を浴びる可能性もある。

 スウェーデンとフィンランドは、トルコの人権問題に厳しい姿勢を取ってきた。ロシアの脅威にさらされ、安全保障と人権のはざまでジレンマを抱える難しい選択を迫られた。

 今回の首脳会議前に解決できなければ「加盟交渉は行き詰まる」(マリン・フィンランド首相)。「加盟か、非加盟か」の瀬戸際に立たされ、焦る北欧2カ国は、28日の協議で承認と引き換えにトルコの要求をのんだ。

 覚書によれば、北欧2カ国は安保上の問題でトルコへの「全面支援」を約束した。トルコがテロ組織と見なすクルド人勢力を支援せず、クルド人活動家らの身柄引き渡し手続きも加速させると盛り込んだ。

 

 日本人の西洋に対する同胞意識は多分に一方的なものですが、それでもお互いに価値観を共有しているところはあるように思います。典型的なのは、ここにも現れているクルド人の処遇ですね。これまで人権問題としてトルコを非難する振りをしてきた北欧2カ国が態度を翻し、トルコ側の要求を全面的に受け入れたことが伝えられています。日本もスウェーデンもフィンランドも価値観は同じ、どの国のクルド人も「ウクライナ人は人ですが、私は人じゃないですか?」と訴えているに違いありません。

 クルド人問題に関してはトルコ側にも言い分はあるとして、北欧2カ国の鮮やかな変心と、自陣営に加わる国が増えたと無邪気に喜ぶ欧米諸国と日本の人権感覚には、疑問符が突きつけられてしかるべきと言えます。表向きは人権を重んじるポーズを取り、そうでないと認定した国家を一方的に非難してきたのがNATOと日本ですが、政治的な都合次第では庇護を求める人々を躊躇なく切り捨ててしまうわけです。まさに西側諸国の本性が露になった一幕と言えるでしょう。

 クルド人の運命は、台湾や香港の独立派の未来を象徴するものでもあります。アメリカとその衛星国は中国を敵視し台湾や香港への肩入れを強めてきましたけれど、それは政治的な都合で容易に変わりうるものです。もし台湾と中国に武力衝突が起こったならば、台湾はウクライナのようになる、血を流す役割は現地住人にのみ求められるであろうことは言うまでもありません。そしてもし欧米が中国に接近すべき政治的な事情が生じたときは──今日のクルド人のように扱われるわけです。

 日本とロシアが共同出資するサハリンの資源開発事業について、運営主体をロシア企業に変更するとの大統領令にプーチン大統領が署名したと伝えられています。日本では一定の衝撃が広がっているようですが、いったい何を考えているのでしょうか? 反ロシアの旗を掲げて諸々の制裁に嬉々として参加し、ウクライナへの軍事支援も継続している以上、ロシア側が何らかの対抗措置に出るのは当然のこととして予想するまでもなかったはずです。日本が一方的にロシアを非難する、それで終わりとしか考えていなかったとすれば、まさにお花畑の思考としか言えません。

 第二次大戦終結以降、日本はアメリカの支配を受け入れ、それを支持してきました。軍事侵攻に関してもアメリカが行うのであればそれを擁護し、アメリカの衛星国「ではない」国が行うのであれば平和への脅威として区別してきたわけです。アメリカの従者として、日本は自らを裁く側に位置づけるのが習慣化してしまったのかも知れません。しかし、アメリカの支配に服さない国もまた日本と同じ権利を持った国家であり、等しく扱われる資格があります。他国に制裁を加えれば必ずや自分にも返ってくることを理解し、アメリカを基準とする外交のままで良いのか改めて考え直す、そんな時期に来ているのではないでしょうか。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今は昔、アルファブロガーといふものありけり

2022-06-29 22:35:01 | 社会

 その昔、アルファブロガーと呼ばれる人々がいました。ブログ読者であれば記憶に残っている人もいるかとは思いますが、世間一般では忘れ去られた概念ではないでしょうか。かつてはアクセス数の多いブロガーが既存メディアでも取り上げられ、書籍化されてはベストセラーになったり等々、時代の旗手であるかのごとく扱われていたわけです。今となっては、なんとも懐かしい話ですね。

 ブログという媒体自体は残っているものの、ジャンルとしては完全に下火になりました。ちょっとアクセス数が多いだけのブロガーが新聞やテレビで持ち上げられて文化人気取りをするような世界は、もはや誰も想像できないでしょう。替わって台頭したのがインフルエンサーなどと呼ばれる類いで、SNSのフォロワーが多い人々ですけれど、これも時代の移り変わりに沿って忘れられていくのかも知れません。

 本屋の店舗数は1997年をピークに一貫して減少を続けているそうですが、私の住んでいる地域に本屋が出来たのがまさに1997年だったと記憶しています。それまで私にとって本屋とは遊園地のようなものでした。本屋とは父母に連れられ都会に出て行った先にあるものであって、決して日常の中に存在するものではありませんでした。だから自分の住んでいる街に本屋が出来たのはちょっとした事件にすら感じられたものです。

 そして今、私の住む街に本屋は残っていますけれど、売り場の半分は文房具のコーナーです。レイシスト向けの本が山積みされ、特設コーナーとして常設されていた頃に比べればマシな気もしますが、これも時代の流れというものでしょう。ブログに比べれば長いスパンですけれど、書籍もまたジャンルとしての衰退が確実に進んでいると言えます。

 学生時代は小遣いの大半を本の購入に費やしてきました。しかるに働くようになってからは、時間の制約も出てきましたが、それ以上に場所の制約に悩まされるようになったわけです。本を買う金くらいはあるし、本棚を買う金もありますけれど、しかし無理なく本棚を増設できるような広い部屋に住む金は今になっても得られていません。紆余曲折を経て定職には就けたものの、昇給ペースを見るに広い家に住むのは一生無理だな、と……

 一人暮らしの部屋のレイアウトとか、参考になるものがないかとネットで色々と見てみるのですが、学生向けであっても本を収納するスペースというのは考慮されていないのだな、と感じます。場所を取らない電子書籍の普及もありますけれど、今の学生、とりわけ文系学生ともなりますと英会話偏重で雑多な本を読む必然性は少なくなっているのかも知れません。この辺もまた時代の流れですね。

 スマホの普及と高性能化、無線通信の高速化などモバイル環境は劇的に進歩している一方、住宅周りはどうでしょうか。30年前のスーパーコンピュータよりも遙かに高性能な端末を我々は二束三文で手にすることが出来るようになりました。ならば住宅建設に関しても何か劇的な技術の発展によって、断熱性と防音性の高い住宅が低価格で供給されるような未来があると私にも希望が見えるのですが、今のところ何の気配もありません。

 土地代が高いのであれば高層化することで居室あたりの土地代コストを分割してはどうだろう、という画期的なソリューションを思いついたのですが、どうにも私の住む地域では小さな木造一軒家を密着して建てるばかりで土地の有効活用は進んでいません。騒音を気にするのであれば集合住宅ではなく一軒家にすべきだなんて言う人もいますけれど、隣の一軒家からは絶えず子供の悲鳴と大人の怒鳴り声が聞こえてきます。窓から手を伸ばせば届きそうな距離に安普請の家を建てまくるのはどうなんだろうと思うばかりです。

 コロナのおかげで、私の勤務先ではリモートワークが「普通の社員でも」実施できるようになりました。これは間違いなく近年まれに見る大きな社会の変化であり、一時的には満員電車の問題も解決されたり良いことも多くありましたが、世間が新型コロナウィルスに慣れていく中で昔ながらの出勤形態へと回帰していく会社の方が残念ながら多数派を占めているようです。時代とともに変わっていくものもあれば、変わることに抗う側の方が強い世界もあるのでしょう。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

特例扱いされない国の人は何を思うだろう

2022-06-26 22:38:19 | 編集雑記・小ネタ

バルカン諸国、EU加盟候補国認定のウクライナに警告「過度な期待は禁物」(AFP BB)

【6月24日 AFP】バルカン諸国の首脳は23日、欧州連合(EU)がウクライナを「加盟候補国」と認定したことを受け、自国の加盟手続きの停滞への不満を表明した。

 アルバニアのエディ・ラマ(Edi Rama)首相は23日、ウクライナの加盟候補国入りを歓迎する一方、迅速な手続きへの過度な期待は禁物だと警告した。

 ラマ氏はEU・西バルカン首脳会議で「数え違いでなければ、北マケドニアは17年前、アルバニアは8年前から加盟候補国となっているので、ウクライナを歓迎する」として、「ウクライナに加盟候補国の地位を与えるのは良いことだが、ウクライナ国民が期待しすぎないことを願う」と述べた。

 

 ウクライナ、及びモルドバの二国が通常は数年かかる過程を大幅に短縮した「特例扱い」でEU加盟候補国に承認されました。それを受けてのアルバニアのコメントがこちらです。EUへ「既に加盟している国」からは全会一致でウクライナの候補国入りが決まったそうですけれど、「加盟を望んでいるが待たされている国」の反応はどれほどのものでしょう。「既に加盟している国」同士の排他的な結束は高まる一方、その二重基準を見せつけられる国との隔たりは広がっているように思います。

 ちなみにウクライナの一人当たりGDPは2021年のIMF統計では4,828ドルと、地理的にヨーロッパと見なされる領域では最下位です。このヨーロッパの最貧国が性急にEUに取り込まれるとなると、どうなるのでしょうか。EUを牛耳っているドイツの一人当たりGDPは50,795ドルとウクライナの十倍以上の格差があります。富めるゲルマン人が貧しいスラヴ人を(経済的に)支配する、ヒトラーが夢見た世界が長い時を経て実現されるのかも知れませんね。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする