非国民通信

ノーモア・コイズミ

10年前は昔か今か

2020-04-26 21:44:23 | 編集雑記

 年を取ると、月日の流れが早く感じると言われます。体感としては何となく理解できるところですが、皆様はいかがでしょうか。どこかで「10歳の子供にとって1年は人生の10分の1だけれど、50歳の中年にとって1年は人生の50分の1」みたいな台詞を見かけた記憶あります。まぁ、そういうものなのかも知れません。

 自分としても30年前は遠い昔のことに思える一方、20年前だとそこまで昔には思えない、10年前などは最近のことに感じられてしまうことすらあります。日本社会の賃金水準が四半世紀ばかり上昇していない等々、停滞する社会の中で生きてきたこともありますが、私よりも若い人から見れば、10年前も遠い過去の話なのでしょうか。

 あるいは私よりも年上の人から見れば、30年前すらも決して大昔の話ではないのかも知れません。まだまだ自分が若いつもりでいる60歳、70歳くらいの人にしてみれば、自分が30歳あるいは40歳頃のイメージを、そのまま引きずっているような気がします。若い人にとっての10年前と中高年にとっての30年前、現在との距離があるのはどちらなのでしょう。

 生まれてからずっと、衰退する日本しか見てこなかった若い世代と、日本が世界の先頭に立っていた30年前から時計の針が止まっている高齢層とでは、必然的に世界観も変わってきます。例えば30年前、日本と中国の力関係は大人と子供のそれでした。現在は老人と大人のようなものと言えますが――未だに日本が技術大国であると信じている人もいる等々。

 老いは誰にも避けられません。月日の流れが速く感じるのは、致し方ないところです。それを自覚せずに自分が若いつもりでいると、いわゆる老害になってしまうのだと言えます。時間の感じ方が若い人とは変わってきていることを認識し、自分が若かった頃とは世界が変わっていることを受け止められるか、この辺が分かれ道でしょうね。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

後から対処した国の方が失敗しているという話

2020-04-19 22:23:13 | 社会

 さる1月23日、中国では武漢市が封鎖されました。中国政府の対応の遅さは今なお世界中から非難されていますが、この時点で中国全土の感染者数は571人、死亡者数は17人とされています。一方日本では4月7日に非常事態宣言が発令されたわけですが、この時点で日本国内の感染者数は3,817人、死亡者数は80人だそうです。

 なお東京都内だけでも4月7日時点の感染者数は1,203人、死亡者数は31人と伝えられています。非常事態宣言の発令が遅いという声もあれば、少数ながら早いという意見もありますけれど、客観的事実として「他国をとやかく言えるレベルではない」のは間違いありません。今なお非難されている中国政府の対応も、諸外国のそれに比べると……

 都市の封鎖や緊急事態宣言は経済活動に悪影響を及ぼしますので、それを躊躇うのは理解できるところです。その辺の葛藤は、当然ながら中国政府にもあったことでしょう。他人事なら「(お前の国の経済なんて知ったことじゃないんだから)さっさと封鎖でも何でもして対応しろ」ということになりますが、自国の問題ともなれば決断は容易ではないですから。

 もっとも中国よりも初動が遅いとすら言える我が国も世界的にはマシな方で、欧米諸国は輪をかけて感染拡大が続いており、対応の失敗が目立つところです。中国のような思い切った封鎖措置や監視体制が取りにくいのもあるでしょうけれど、問題を中国のせいにするばかりで、何処の国にも及ぶ問題であると認識できていなかったのかも知れません。

 ただ日本では、さいたま市の保健所長が「病院があふれるのが嫌で(検査対象の選定を)厳しめにやっていた」と明言するなど、感染者の検査に著しく消極的な対応を続けています。これは医療キャパとのバランスを取るという意味では仕方がないところである反面、実際の感染者数を把握するという意味では、中国以上に信頼が置けない事態を招いていると言えます。

 ちょっと熱が出る、咳が続く、味覚がおかしいぐらいでは、我が国で新型コロナウィルスに感染しているかどうかの検査を受けることはできません。症状の重くない感染者は、統計に表れることのないまま市中で普通に生活しているわけです。そしてウチの会社では4月1日は一斉出社、恒例のシャッフル人事で社員を東京から地方へ、地方から東京へと大移動させました。その辺の「成果」が先週辺りの感染者数に反映されているように思います。

 

トランプ氏、WHOへ拠出金を停止 「過ちで多くの死」(朝日新聞)

 トランプ氏は先週、WHOの対応について、「中国中心だ」と強く非難し、拠出金の停止を警告していた。米国が1月に中国からの渡航制限を実施した際、WHOが懸念を示したことを理由に挙げた。「米国は中国の10倍以上の拠出金を払っているのにWHOは『中国中心』だ。米国人にとって不公平だ」などと強い不満を示していた。

 

 感染症対策が一定の成果を上げている韓国では先日の選挙で与党が勝利しましたが、今や世界最悪の感染拡大国となったアメリカでは、他人のせいにすることで事態を乗り切ることに力を入れているようです。新型ウィルスの感染力や危険性が未知数な時点で対応を迫られた中国政府やWHOには同情の余地もある反面、先例に恵まれながらも有効な手を打つことができなかったトランプ政権としては、これが唯一の選択肢なのでしょう。

 中国もWHOも後から振り返れば、対応を誤ったところは少なくありません。しかし真っ先に対応を迫られた中国・WHOとは異なり、中国での流行の後から対応することになったアメリカは、もう少し改善された対処ができてしかるべきだったと言えます。しかしアメリカの問題点と言える医療リソースの著しい偏りは、社会の欠陥ではなく理想の姿として追い求められてきたものでもあります。この神聖な自己責任社会を守るためには、ウィルスではなく中国やWHOと戦うことだけが、トランプ政権及び支持層の取り得る道になってしまうのですね。

 

・・・・・

 

 先週は、テレワーク導入を前に自宅にネットワーク環境を持たない社員が多いという話を書きました。「古い」生活を続けている人もいれば、スマホ専門でパソコンなんて就職して始めて触るような人も、今時は珍しくないわけです。ただ同情すべきケースとして、「4月から転勤で東京に来たが、新居に回線を引くまで1ヶ月かかる」というような人も結構いました。

 「正社員?て、転勤させなきゃ(使命感)」というのは日本企業の共通認識と言えますが、今年は日本全国への感染者の拡大と、ついでにテレワーク環境への未対応者を増やす結果になりました。テレワークが拡大すれば、そんなに地方から地方へと人を移動させる必要性があったのかと、疑問も浮かんでくることでしょう。この状況でもシャッフル人事を続ける組織は、世界ではなく「世界観」を守るために戦うトランプ支持層と似たような志向を持っている気がしますね。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

皆様の職場はどうでしょうか

2020-04-12 21:54:06 | 雇用・経済

 残念なことに新型コロナウィルスの感染拡大は止まらず、とうとう非常事態宣言が出るに至りました。「自分から手を挙げた人だけがテレワーク」だった私の勤め先も、感染拡大ではなく政府方針を受けて漸く、「上長から出社許可を得た人以外はテレワーク」へと方針が変わりました(一部の部門は旅券やホテルのキャンセルに大童……)。これが我が社の働き方改革に繋がるかどうかは目下のところ不明です。

 自宅にネットワーク環境のない社員が多いことや、会社のサーバーがリモートアクセスの増大に絶えられずに動作停止するなどインフラ面の課題が次々と浮かび上がる反面、別に職場へ出なくてもできることは少なくないこともまた、明らかになりつつあります。感染拡大が収まった後にリモートワークを続けられるかで、会社の姿勢が問われるでしょうか。

 なお4月からの人事異動で全国の社員を西から東へ北から南へと動かしまくったので、無症状感染者の一人や二人は東京から地方に送り込んでいるような気がします。かくいう私も組織変更への対応で残業続き、毎年のシャッフル人事こそ不要不急に当たるのではないかと首をかしげないでもありません。

 人事異動によって4月からは慣れない仕事、全くのゼロからのスタートとなる仕事を担当する人も多いわけです。自分の判断で物事を進められるならテレワークの対応範囲も拡がりますが、何事も初めてやる業務ばかり、何事も周囲に聞かざるを得ない異動者にとっては敷居が高いことでしょう。テレワーク導入の障害の一つは、何でもかんでも「変える」ことが大好きで組織をいじくり回す経営陣とも言えそうです。

 政府や自治体は繰り返し休業補償を否定しているところ、感染拡大を一日でも早く食い止めることが最大の経済対策と考えられるだけに、一部の事業者には「金を払ってでも休業してもらう」のも選択肢のはずですが、どうにも政治家には謎の信念があるようです。政治家は利益よりも理想で動くもの、今回もその路線なのかも知れません。

 そして利益よりも理想を追いがちなのは企業経営者も同じで、しばしば合理化よりも「(その人なりの)あるべき姿」を追求しがちです。今は政府の要請もあって出社人員を最低限に抑えているような会社も、事態が収束した先は「元通り」の仕事に戻ってしまうかも知れません。危機を契機に合理化を進める企業もあれば、何も変わらず無駄な文化を復活させる会社もある、本当に意味のある改革を志向しているのか、それとも単に「いじり回す」だけなのか、経営陣の姿勢が窺えるところです。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

全く仕事が減りません

2020-04-05 22:03:03 | 社会

 ついに東京都内のコロナウィルス感染者は100人を上回るに至りました。弊社では4月以降もテレワーク可、時差出勤有りとなりましたが、4月1日は当たり前のように一斉出社でした。今の時点で明るみに出ているコロナウィルス感染者数は10日余り前の行動の結果を繁栄したもの、来週、再来週辺りはどうなっているのでしょうか(インフルエンザのように暖かくなれば収まる代物なら良いのですが)。

 先般は阪神タイガースの藤浪選手がコロナウィルス要請とのことで話題にもなりましたけれど、本人の自覚症状は嗅覚の異常のみで、医療機関も当初は季節性アレルギーの疑いと診断していたそうです。結局はチームドクターの指示で別の医療機関を受診⇒PCR検査⇒陽性反応と診断されるに至ったわけですが、野球選手ではなくサラリーマンの場合だったら、結果は違ったはずです。

 日本の医療水準を鑑みれば、今の消極的な診断姿勢は「身の丈に合った」ものです。積極的に感染者を探して隔離していくような措置は、やろうと思ってもできません。できもしないことを目指して混乱を招くよりは、日本の医療のキャパに収まる範囲で対応していくしかないのでしょう。コロナウィルスを疑うのは重症者だけ――それでも人数は増えていますが!

 阪神の藤浪のように、熱もないし咳も出ないけれど、実はウィルスに感染していた、そんな人は都内に100人では済まないことでしょう。医者に診てもらったけれどコロナとは診断されなかった人、特に重い症状は出ないので普通に会社勤めを続けている人、こうした人々が我々の隣に普通に存在している、それを前提に物事を考えていく必要があると思います。

 

外出自粛、遅れ目立つ日本 グーグル位置情報使って比較(朝日新聞)

 米グーグルは3日、スマートフォンの位置情報データを使って、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた各国の外出制限などの取り組み度合いを分析した報告書を公表した。職場へ来る動きは、米国では普段より38%減、イタリアでは63%減になっているのに対し、日本は9%減にとどまり、日本の対策の遅れが目立っている。

 

 相変わらず私の職場は組織変更に忙しく、平日は欠かさず出社、土曜と日曜にテレワーク実施、みたいな有様です。マスクを作っているわけでもないのに、どうして仕事量を倍増させなければいけないのか、よく分かりません。4月1日からの大量の人事異動で日本全国で従業員を動かしてもいます。ファーウェイ排除に関しては率先して政府の意向に従った癖に、こういう時は政府の「要請」を頭から無視しています。

 先日は石川県の谷本知事が都民らに向け「無症状の人は(東京から)お越しいただければ」と県内への観光をアピールしたとかで、結構な顰蹙を買ったそうです。恐ろしいことに我が社は、今月から全国各営業所への定期出張を復活させました。東京から無症状の従業員が石川県内の営業所にも出張することになりますが――藤浪選手と同僚の陽性発覚者も、ほぼ無症状なんですよね。

参考、日本の縮図かどうかは分かりませんが

 弊社では東京の3割の営業が全国の7割の売上を稼ぐと昨年に書きました。そして2019年度は東京の売上が全国の75%を上回る見通しです。東京だけが売上を伸ばす中、地方拠点が低迷する傾向は継続しており、そこで東京から営業部門の長が全国の地方拠点を行脚し、「指導」を行って回る取り組みがあります。これがコロナウィルス感染拡大を受けて2月から自粛されていたのですけれど、4月からはめでたく復活しました……

 日本の感染者数に関しては「しかるべく検査されていない人」の暗数が圧倒的に多いと考えられます。ただ、重症者・死亡者数は比較的抑制されており、欧米諸国に比べれば今のところは良い状況なのかも知れません。ただ、日本国内の感染症拡大予防に向けた取り組みが十分なのかどうか、至る所に「隙」があるような気もします。行動を改めない事業者も少なくないだけに、長引く可能性は高そうです。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする