心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

人との出会いと幻想文学への誘い

2022-07-08 13:23:13 | Weblog

 いま、2軒先の斜め向かいのお家の解体工事が進んでいます。この地に引っ越してきた当初、ご近所のことが何も分からず多々お世話になった老夫婦がお住まいでした。何年か前に奥様がお亡くなりになり、その後ご主人がお独りでお暮しでしたが、数年前に高齢者施設に入居され、ほどなくしてお亡くなりになって以後、ずっと空き家になっていました。そんなお家があっと言う間に解体されていきます。またひとつ私の街から昭和のカタチがなくなっていくような気がいたします。(ご参考:下の写真は本文とは関係ありません。その昔、京の都から淀川を下って大阪をめざした船が到着する港、それが八軒家浜船着場<画面右奥>でした。)
 そう言えば先日、2018年2月22日付記事「古本展で娘遍礼「お菊残照」に出会う」に対して、ご丁寧なコメントをいただきました。その方は、なんと著者・菊池昭さんのお子さんで、「父の本、お気にかけて頂き、深謝。故人となっても、愛した四国、ごみ拾い、本当は、お遍路に菜の花ロードも作りたい、外国人観光客の勧誘で四国活性化など、やりたいことは、一杯あった様子でした」と記されてありました。
 そんな著者の思いがいっぱいが詰まった娘遍礼「お菊残照」ですが、私は歩き遍路で出会った先達さんからお借りしました。これから歩く四国の土地土地を思い浮かべながら読みました。秋にカナダ・アメリカ旅行に出かけたときも帯同し、長い飛行機旅の中で読み耽ったことを覚えています。ボストンのホテルでお四国の本を読むという一風変わった海外旅行でした。
 帰国したあと、お借りした先達さんにお返ししましたが、何となく手許に置いておきたいと思っていたところ、春先に中之島の中央公会堂で開かれていた「水の都の古本展」でばったりと出会いました。
   さてさて、今週は久しぶりに山本能楽堂に行ってきました。演目は能「雷電」です。比叡山延暦寺の座主・法性坊が、幼いころ親のように養育してくれた菅原道真の霊と出会います。ところが、九州大宰府に左遷された道真の霊は、「冤罪で左遷され死んだので雷となって内裏に行き恨みをはらしたい」と迫ります。これを聞いた法性坊は思い留まるように説得しますが、怒り狂う道真の怨霊は雷神となって御所に現れます。荒れ狂う雷神を前に、法性坊は千手陀羅尼の経文の力で必死で鎮めます。なにやら、雨月物語「白峰」の崇徳上皇と西行法師のやり取りに似ていなくもありません。
 今回は「能からみた日本の宗教」と題するシリーズの第1回目で、シテ(道真の霊)を演じた山本章弘さんと宗教学者・釈徹宗さんとの対談もあり、なかなか興味深い公演でした。次回は8月21日に能「三輪」が演じられます。
 もうひとつお出かけしたのは、シニアの仲間たちとの呑み会です。朝ドラ「ちむどんどん」にちなんで、扇町公園近くのお店「琉球料理と泡盛 てぃーあんだ」に行ってきました。オリオンビール、泡盛を片手に、美味しい沖縄料理を楽しみました。
 そのお店に向かう途中では、久しぶりに天神橋筋商店街にある古書店「天牛書店」に立ち寄り、冷房の効いている店内で一服。「幻想文学の劇場」(學燈社)を連れて帰りました。ただいまNPOの仕事が立て込んでいてじっくりと読む時間はありませんが、夜な夜なページをめくっています。 
 暑い夏を迎えて、ウイズコロナと言いつつ益々元気なシニアたちですが(私も含めて)、ここ数日、新型コロナウイルス感染者が再び増加に転じています。さあてどうなることやら。4回目のワクチン接種券は、まだ届きません。

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