心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

村上春樹「遠い太鼓」を読んで思い出したシチリア旅行

2022-02-11 11:00:19 | Weblog

 ここ大阪は快晴の朝を迎えました。まだ寒いけれども、なんとなく肌に優しさを感じるのは、やはり春がもうそこまでやってきているからでしょうか。忘れないうちに庭の草木に寒肥を施しましょう。害虫が動き出す前に薬剤散布も.....。
 今週の水彩画教室は人物画でした。モデルさんはバレリーナ。20分ごとに10分の休憩をはさんで描いていくのですが、全身のバランスがうまく描けません.....。というわけで今回はアップするのを諦めました(笑)。
 その帰り道、淀屋橋界隈で撮った日本銀行前の写真です。近くの道には大阪中之島美術館 開館記念「Hello! Super Collection 超コレクション展 ―99のものがたり―」のタペストリーが並んでいました。構想が発表されて約40年。やっとオープンした大阪中之島美術館です。いずれに覗いてみようかと。

 話しは変わりますが、村上春樹の短編を映画化した濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』が、米アカデミー賞4部門にノミネートされたのだとか。めでたい。めでたい。そこで思い出したのが、Amazonkindleで読みかけにしたままだった「遠い太鼓」でした。「ノルウェイの森」や「ダンス・ダンス・ダンス」を書いていた頃の、ギリシャ、イタリアで暮した旅行記です。
 再び読み始めた章が「シシリーからローマに」でした。航空会社の機内誌にシチリアの記事を書くのがお仕事で、あとはご自分の小説を書くということでパレルモに1カ月ほど滞在したときのことが書かれています。でも、「とにかく街が汚い。すべてがうらぶれていて、色褪せて、薄汚れている」という書き出しに、びっくり。
 私がシチリアを尋ねたのは4年前のことです。午後8時ナポリ湾からフェリーに乗って翌朝7時頃にパレルモに到着しました。大聖堂を見学したあと街を自由散策、そしてアグリジェントへ。翌日はカルタジローネを経てタオルミーナ。シラクーサなどを見て回った後メッシーナからイタリア本土へ。そんなルートだったように思います。
 私の場合、若干埃っぽいなかにもイタリアらしい風情に違和感は全くなかったのですが、それは観光客だったからなんでしょう。ヨーロッパの歴史を感じる旅だったように思います。塩野七生さんの歴史小説「ローマ人の物語」の舞台でもあったし、ジュゼッペ・トルナトーレ監督の映画「ニュー・シネマ・パラダイス」の舞台でもある、思い入れのあるシチリアでした。なによりも、タオルミーナのホテルの窓から眺めたエトナ火山の姿が印象に残っています。

 そんなことを思い浮かべながら過ごした1週間でしたが、今週のもうひとつの場面は、認知症と睡眠をテーマにした講座です。高齢社会を迎え知らないうちにお友達になりそうな認知症のこと、そしてその予防法、つまり食事や運動、社会参加、生活習慣にわたる留意点を詳しくお話しをいただき、妙に納得することに。なかでも地中海料理、オリーブオイルがお薦めだとか。シチリアでは至る所で美味しいワインとオリーブオイルをいただきました。根が単純な私は、さっそく朝食のパンにオリーブオイルをつけていただいております(笑)。

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4 コメント

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Unknown (桂蓮)
2022-02-14 23:00:54
バレリーナの絵、見たかったです。
プロポーションが良くて描きづらかった、というのも
逆に面白いですね。
機会がありましたら、なぜかきずらかったのか、との心理的な背景の説明があると
本当に面白くなると思います。
本当に見たいです。
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まだまだ修行が足りません (ran_coffeebreak)
2022-02-15 23:27:27
桂蓮さん
コメントをありがとうございました。
桂蓮さんは今、バレエの練習に励んでいらっしゃいますから、ご質問されるのも当然かもしれませんね。
いやあ、でもねえ。均整のとれた身体って簡単そうで意外と書きづらいのです。あまりにも美しすぎて。それに、一応描けても、目を描いた瞬間に別人になってしまいます。全体の中のほんとうに小さな部分なのに、目の描き方で全体の雰囲気ががらりと変わってしまう。これはバレリーナに限らないんですが、不思議です。
という次第で、まだまだ修行の身ゆえ、このブログに登場する人物画はもう少し先になりそうです(笑)。
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Unknown (桂蓮アップルバウム)
2022-02-17 01:25:48
分かるような気がしなくもないです。
筋肉は動きがみえますよね。
反面、脂肪は筋肉が動き、その結果だから
筋肉が動いた後ですよね。
恐らく、眼を離してまた戻った時に、
筋肉が動いてしまったからでしょうかね。
バレリーナは(正しくやっている人の場合)内筋を使い分けしているから
同じポーズでも使う筋肉が違うのです。
形だけでバレエやっている人や
真似でおしまいの人は
その差が分からず
また理解していないです。
恐らく、そのモデルさんを採択したのは
筋肉の有動性、ダイナミックを描く訓練を目的で採用したかと思われます。
脂肪は塊だから
捉えやすく、簡単に掴めますよね。
結果を描くのは(脂肪)自分が見えた状態を描くだけですが、
その原因ときっかけを捉えて書くのは
まあーチャレンジ精神ですかね。
修業が済みましたら
ぜひ、アップお願いします。

私は描きになれ、と姉から言われたことはあります。
だけど、その精密な描きの過程が面倒で
美術時間の点数稼ぎでおしまいしました。
けど、それが私の賢明な選択だったと
大人になってわかりました。
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頑張ってみます (ran_coffeebreak)
2022-02-17 20:41:31
桂蓮さん
ご返信をありがとうございました。
内的な筋肉と脂肪の関係、そういう微妙な関係性のなかで人の姿が形成されていく。そう思うと奥が深いですね。そこに「心」が内在すると、もっと深い。
風景画もそうかもしれません。光や陰の微妙な変化を、描き手の「心」を通して見つめていくことになります。
この修業、なかなか奥深いものがあります。頑張ってみます。
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