心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

水無月 あれこれ

2021-06-27 14:48:15 | Weblog

 緊急事態宣言から蔓延防止に切り替わり、世の中は少しずつ日常を取り戻しつつあります。先週は火曜日の水彩画教室に始まり金曜日のフランス文学講座まで出ずっぱりでしたが、さすがに4日連続で出かけると古希を迎えたお爺さんも相当に疲れが溜まります。週末はぐっすり8時間も眠ってしまいました。
 そういえば、淀屋橋から梅田の水彩画教室に向かう途中、後ろから私の名前を呼ぶ声がしました。振り向くと、現役の頃同じ部署にいたT君でした。今は部署を統括するポジションに就いて頑張っていますが、かつての部下が大きく成長し活躍している姿を見るのは嬉しいものです。

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 さて、お天気が定まらない梅雨の季節、紫陽花もひと段落して、菜園ではミニトマトの実が色づき始めました。フェンスを這うアケビの実も少しずつ大きくなっています。私の気づかない間に植物たちもしっかりと根を張り成長を続けています。
 そうそう、3週間前に仕込んだハーブ酒3種。先日、瓶からハーブの葉と茎を取り出しました。あと数カ月寝かせれば完成ですが、ちょっとだけカモミール酒をいただいてみると、なかなかの香りに仕上がっていました(笑)。
 昨夜は、久しぶりに出雲の姉に電話をしました。届いたお中元のお礼を兼ねて近況を尋ねます。いつ電話をしても姉は「子供は何歳になったかね。何年生?」と尋ねます。いつものように「もう孫が6人もいる」と答えると「結婚のお祝いをちゃんと渡したかいねえ」と....。アルツハイマーの投薬を始めて数年。進行は抑制されていますが所々で記憶が途切れます。それでも、十数年も前、生け花の指導のためにフランスに行ったときのことを楽しそうに話してくれました。相変わらず元気そうでなによりでした。
 孫と言えば昨日、近所に暮らす孫次男君がピアノのレッスンの前にやってきて、入院間近い家内に手渡したものがあります。不死鳥らしき絵の横に「手じゅつがんばって」と書き添えてあります。彼は彼なりに心配をしてくれているようです。お祖母ちゃんっ子ならではの贈り物でした。 
 そして今日は午前中、2カ月ぶりに再開した山本能楽堂の能楽講座に行ってきました。テーマは「土蜘蛛」。副題に「能のリズムは8拍子?その2」とあります。先生の謡、太鼓方の実演を通して能独特の拍子と掛け声についてお話しを伺いました。
 その能楽堂に向かう途中、中大江公園を横切っていると、明治の文人・宇野浩二の文学碑に出会いました。「1891年(明治24年)福岡市に生まれる。幼少期を糸屋町や宗右衛門町で過ごし、「十軒路地」などの作品に、大阪の人情や風俗を独特の文体で描写した」とあります。文学碑があることは以前聞いていましたが、初めてのご対面です。一度作品を読んでみようと思っています。
 こうして6月水無月は静かに幕を閉じようとしています。うぬ?梅雨なのに水無月?気になったので広辞苑を調べてみると「古くは清音。「水の月」で、水を田に注ぎ入れる月の意」なのだそうです。お勉強になりました。

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