私の住む街は紅葉まっ盛りです。木の葉が赤や黄色に染まり、それが陽に照らされて輝いて見えます。でも、それもつかの間の喜びでしょうか。1週間もすれば静かに散っていきます。そんなことを考えながら、今朝もいつも通り、愛犬ゴンタとお散歩にでかけました。
そのとき、独りのご老人に出会いました。にこやかに朝のご挨拶を交わしました。その方、実は先日まで大会社を率いていた方です。リタイアされたご様子で、会社経営という呪縛からやっと解放されてほっとされているようにお見受けしました。いつも拝見していた厳しい顔とは雲泥の差で、ほんとうに優しい人間味のある表情が素敵でした。素晴らしい出会いでありました。
そういえば先日、親しい友人と一献傾けたとき、こんなことを話しあったものです。どうも最近、日本の政治はおかしくなっている。政権交替で少しは期待をしたけれども、恰好ばかりで政争に明け暮れている。だからまともな政策判断ができていない。では、もう一度野党に頑張ってもらおうかといっても、こちらも頼りない。何かが狂いだしている。いっそ、明治の時代にまで遡って、近代日本の原点を見つめ直す必要があるのではないか。....お酒の勢いで、話はどんどん過激になっていきました。
これまで日本の歴史にほとんど関心のなかった私ですが、9月初旬に玉岡かおるさんの小説に出会って以来、徳川幕府から明治維新そして大正、昭和に至る日本近代化の息吹のようなものに惹かれています。そんなこともあって、なんとなく友人の意見がすんなりと私の心に入ってきたのでした。
そんな折、先週金曜日の夜、NHKハイビジョン特集「鴎外の恋人~百二十年後の真実~」を見ました。明治の初期、森鴎外がドイツ留学中に出会った少女“エリス”、その実像は謎に包まれていたようですが、最近になってその子孫に出会い、恋人“エリス”の実像が明らかになったというドキュメンタリー番組でした。ちょんまげをしていた時代からそう遠くない明治の初めに、人の心と考え方がどのように変わっていったのか。残念ながら帰国した鴎外は、跡を追って横浜までやってきた15歳の少女“エリス”を、帰国に追いやります。生涯、心の片隅に置いていたとしても、その選択は今の時代で考えれば保身、時代が許さなかったとしても酷ではありました....。
激動の明治の時代に思いを巡らしながら何やら後味の悪さを抱きつつ、翌土曜日の夜には、こんどは家内の勧めで、NHK総合テレビの「スペシャルドラマ 坂の上の雲 アンコール 第1回「少年の国」を見ました。明治を舞台にした司馬遼太郎の小説をベースにしたドラマです。こちらもついつい最後まで見てしまいました。
最近、山本七平さんの「渋沢栄一近代の創造」を読んでいますが、昔の言い回しが多いこの種の日本語が苦手で、未だ650頁の半分も進んでいません。悪戦苦闘しながら文字と映像の両方から明治の息吹を探ろうとしている自分に気づきます。100年あまりを経た現在、政治体制ばかりでなく組織運営自体が難しくなっている。良い言葉で言えば、価値観の多様性ということなんでしょうが、そのベースとなる精神的な拠り所を喪失してしまったところに、なにやら大きな問題があるようにも思います。考え過ぎかもしれません。いずれにしても今年は、森鴎外が処女作「舞姫」を発表して120年目にあたるのだそうです。
さてさて今日はこれから京都に出かけます。公私ともに右往左往している間に、なんと今年は私も家内も結婚記念日を忘れていました。それに気づかされたのは、先日長男君から贈られてきた食事ギフト券でした。そんな次第で、きょうは紅葉まぶしい京都の秋を満喫してきます。なお、次の日曜日は、早朝から夕刻までぎっしり予定が詰まってしまったので、ブログの更新はお休みにします。その代わり明後日の祝日に、京都の紅葉風景をご報告できればと思っています。
そのとき、独りのご老人に出会いました。にこやかに朝のご挨拶を交わしました。その方、実は先日まで大会社を率いていた方です。リタイアされたご様子で、会社経営という呪縛からやっと解放されてほっとされているようにお見受けしました。いつも拝見していた厳しい顔とは雲泥の差で、ほんとうに優しい人間味のある表情が素敵でした。素晴らしい出会いでありました。
そういえば先日、親しい友人と一献傾けたとき、こんなことを話しあったものです。どうも最近、日本の政治はおかしくなっている。政権交替で少しは期待をしたけれども、恰好ばかりで政争に明け暮れている。だからまともな政策判断ができていない。では、もう一度野党に頑張ってもらおうかといっても、こちらも頼りない。何かが狂いだしている。いっそ、明治の時代にまで遡って、近代日本の原点を見つめ直す必要があるのではないか。....お酒の勢いで、話はどんどん過激になっていきました。
これまで日本の歴史にほとんど関心のなかった私ですが、9月初旬に玉岡かおるさんの小説に出会って以来、徳川幕府から明治維新そして大正、昭和に至る日本近代化の息吹のようなものに惹かれています。そんなこともあって、なんとなく友人の意見がすんなりと私の心に入ってきたのでした。
そんな折、先週金曜日の夜、NHKハイビジョン特集「鴎外の恋人~百二十年後の真実~」を見ました。明治の初期、森鴎外がドイツ留学中に出会った少女“エリス”、その実像は謎に包まれていたようですが、最近になってその子孫に出会い、恋人“エリス”の実像が明らかになったというドキュメンタリー番組でした。ちょんまげをしていた時代からそう遠くない明治の初めに、人の心と考え方がどのように変わっていったのか。残念ながら帰国した鴎外は、跡を追って横浜までやってきた15歳の少女“エリス”を、帰国に追いやります。生涯、心の片隅に置いていたとしても、その選択は今の時代で考えれば保身、時代が許さなかったとしても酷ではありました....。
激動の明治の時代に思いを巡らしながら何やら後味の悪さを抱きつつ、翌土曜日の夜には、こんどは家内の勧めで、NHK総合テレビの「スペシャルドラマ 坂の上の雲 アンコール 第1回「少年の国」を見ました。明治を舞台にした司馬遼太郎の小説をベースにしたドラマです。こちらもついつい最後まで見てしまいました。
最近、山本七平さんの「渋沢栄一近代の創造」を読んでいますが、昔の言い回しが多いこの種の日本語が苦手で、未だ650頁の半分も進んでいません。悪戦苦闘しながら文字と映像の両方から明治の息吹を探ろうとしている自分に気づきます。100年あまりを経た現在、政治体制ばかりでなく組織運営自体が難しくなっている。良い言葉で言えば、価値観の多様性ということなんでしょうが、そのベースとなる精神的な拠り所を喪失してしまったところに、なにやら大きな問題があるようにも思います。考え過ぎかもしれません。いずれにしても今年は、森鴎外が処女作「舞姫」を発表して120年目にあたるのだそうです。
さてさて今日はこれから京都に出かけます。公私ともに右往左往している間に、なんと今年は私も家内も結婚記念日を忘れていました。それに気づかされたのは、先日長男君から贈られてきた食事ギフト券でした。そんな次第で、きょうは紅葉まぶしい京都の秋を満喫してきます。なお、次の日曜日は、早朝から夕刻までぎっしり予定が詰まってしまったので、ブログの更新はお休みにします。その代わり明後日の祝日に、京都の紅葉風景をご報告できればと思っています。