もう5~6年も前、このブログページを始めた頃に取り上げた磨崖石仏・・・、近場でも有り最近又ちょくちょくあの辺りも訪れ、再度撮影もして来たので再UPです。
名阪国道中ノ瀬ICで降り、163号線を東進、木津川の上流域の服部川に架かる寺田橋を渡れば目の前の集落が寺田、集落の東方山裾に毘沙門寺と言う鄙びた山寺が有る。
毘沙門寺脇より続く山上、「大光寺」への参道途中にこの磨崖石仏が静寂の中、殆ど訪ねる人も無く佇んでいる。
石仏を刻んだ大岩は幅、奥行き共に3m余り、高さ約1.5mばかしの花崗岩自然石。
参道側より見る正面を平らに整形、ほぼ中央に幅約1.5m、高さ約70cmの澄み切りの有る長方形に深く彫り沈め中に厚肉彫りで独得な意匠を持つ三体の地蔵を刻み出している。
なんともユニークな像容の三体地蔵は平坦背面に薄くレリーフ調に二重円光背と単弁八葉の頭光を刻み付け、同じ像容の三重敷茄子付蓮華座上に坐す地蔵菩薩坐像三体を並べて居る。
像高55cmとそれ程大きくは有りませんが何といってもこの三重敷茄子付の蓮華座は見事で他では殆ど見かけたことが有りません。
三体共に右手に錫杖は持つが、左手に宝珠を持たず、丁寧に刻み出され、優しく慈悲に満ちた笑顔で見るものを迎えて呉れます。
刻銘は見つからない様ですが鎌倉後期から南北朝初め頃の造立。
しかしまあ、いつ行ってみても名前の通り木漏れ日の差す薄暗い北向きに有り、余り納得の行く画像には成らない。
この磨崖石仏脇には自然石に刻まれた稚拙ながら、野趣豊かな小石仏がおられました。
方形の中に双石仏・・・具象性に欠け、こけしを二つ並べた様・・・、尊名も定かでは有りませんが何処と無くほのぼの・・・。
両者の落差の大きさに、ちょっと苦笑い。
撮影2012.1.22