愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

八講堂の千体地蔵

2007年12月24日 | 石仏:滋賀

滋賀県、比叡山裾野の坂本日吉神社参道脇から北に向かって伸びる新しい道をまっすぐに行くと天台盛宗総本山の西教寺へと通じる。

日吉神社と西教寺のちょうど中間辺りの山手側に野辺の中を行く旧道が在って、その道山手側にたくさんの小石仏や板碑などが所狭しと並んでいる。

目の前には穏やかな琵琶湖が広がり坂本の町が眼下に広がる眺望の開けたところです。

小石仏群は主に地蔵石仏、阿弥陀石仏、双仏石などで何百体となく寄せ集められていて壮観です。

この辺りには八講堂と呼ばれる建物ががあったそうで、その近くの田畑から発見されたものをここに集めているそうです。

中央にひときわ大きい石仏があって、鎌倉時代の阿弥陀石仏で、像高101cm、花崗岩に厚肉彫されている。

重厚な顔付きで量感の有る阿弥陀石仏です。

比叡を背に琵琶湖を目の前にしてこの石仏達は悠久の時を眺めているのでしょうか??

撮影2006.12.26

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玉泉寺の石仏-2

2007年12月05日 | 石仏:滋賀

前回紹介の玉泉寺本堂の横手から寺の裏手に廻ると大きな古い墓地になる。

古い墓地の入り口と思しきところに石鳥居が立っていてあの世と現世の結界を意味しているのだろう。

僕の山城や、大和方面の古い墓地ではしばしばこのような景色に出会うことが有る。

墓石のところどころにも小石仏が点在していてここはまさしく石仏のパラダイスの感が有る。

右手の山裾側、奥の方に一期は目立つ等身大の石仏がずらりと並んでいる。

いずれも一石花崗岩に光背と像を半肉彫りにしていて、六観音をあらわしているかのような並び方をしています。

右から馬頭、十一面、如意輪、不空羂索、千手観音、その後ずらりと地蔵が並んでいるように見えますが、それでは五観音で聖観音がありません。

苔生し崩れ果ててしまっているのか?枯葉に埋もれているのだろうか??

ずらりと並んだ地蔵は如何見ても六体地蔵のようでした。

またその左手通路脇の木立の下にも古式の阿弥陀が何体も並んでいたりして石仏ファンにとってはまさしく見逃せない場所です。

なぜここに、こうも多くの石仏が有るのだろうか??

撮影2006.12.10


玉泉寺の石仏-1

2007年12月02日 | 石仏:滋賀

現在では高島市安曇川町になっている玉泉寺は琵琶湖湖西の真ん中辺り、比良の山並みが湖岸近くまで迫る山裾を越えた平野部の集落にある。

玉泉寺は行基菩薩野開基と伝える古刹ですが現在では天台真盛宗総本山西教寺(坂本)の末寺となっています。

この寺はまさしく石仏の宝庫、先ず山門手前の石段横には三田浄土坂地蔵と名づけられた、像高1m足らずの地蔵が地蔵堂の中から出迎えてくれる。

短い石段をく野路に曲がって山門を潜ると山門右手脇には宝塔や層塔と共に大きな丸彫りの阿弥陀如来などが1列に並んでいる。

この地を訪れた第一目的の五智如来石仏はすぐ右手のすこし小高くなった墓石群の前に1列に整然と並んでいる。

その大きな丸彫りの石仏は圧巻で、宝冠をいただいた大日如来を真ん中に左から阿弥陀、薬師、大日、弥勒、釈迦の五智如来が並ぶ。

像高ほぼ1.5m、丸彫り石仏としては大きく、以前に紹介したこの近くの鵜川の石仏に良く似た作風がみられ、たぶんに同時期のものだと思われます。

鎌倉期の石仏ほどの力強さがなく室町期の像立だということです。

この五智如来の前にも少しミニチュア化した丸彫りの阿弥陀石仏が在って、同じ室町期の同じ作風のように思われます。

撮影2006.12.10

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