愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

名張市夏見  阿弥陀・五輪塔磨崖仏

2013年10月31日 | 石仏:三重

前回紹介の名張川上流、積田神社脇を流れる川岸に突き出した大岩の磨崖仏と五輪塔。

この辺は何かにつけ良く通るのに全く気付かなかった。

積田神社対岸、高さ約2.5m、幅3.3mばかり、丸みを帯びた花崗岩の向かって右手には阿弥陀坐像、左手には五輪塔が刻まれて居る。

五輪塔はそれなりの縁を彫り沈めた中に塔高約50cmで薄く刻み出している。

かたや、右手の阿弥陀坐像は石斜面を深くそぎ落とし、石龕らしい造りの中に阿弥陀坐像を中肉彫りで刻み出す。

相当傷んでますが、蓮座に結跏趺坐、弥陀定印を組み、像高35cm。

その昔にはこの石仏の前を旧道が通り、水難防止や道中の安全を祈ったそうです。

撮影2012.3.4


名張市夏秋  斬りつけ岩の地蔵磨崖仏

2013年10月30日 | 石仏:三重

名張川、先日紹介の木戸岩上流の大岩壁面にちょこっと彫られた可愛い磨崖の地蔵さん。

先日紹介の磨崖仏より名張川を遡ること約1km、それらしき岩はゴロゴロしているが、何の目印も無く、案内無しで見つけ出すのは困難。

石仏の刻まれた岩は切り付け岩と呼ばれ、横一文字に亀裂が走っています。

舟形光背の中に、蓮台上に立つ定形地蔵立像を中肉彫りで刻み出す。

どことなく、したり顔で微笑む地蔵さんは、総高約50cm像高35cm、切り付け地蔵と呼ばれている様です。

しかしその名を知ってる地元の人には終ぞ出逢えず、もうこの磨崖の存在さえ過去の記憶の中に埋没して居るのかも・・・。

撮影2012.3.4


名張市薦生(こもお) 木戸岩の阿弥陀磨崖仏

2013年10月29日 | 石仏:三重

石友さんと共に訪ねた我が木津川支流の一つ、名張川岩壁に刻まれた磨崖仏。

名張市街より名張川左岸沿いを走る県道80号線で山添村方面へ下っていくと、直ぐそこに薦生(こもお)集落の家並みが見える辺り・・・・

川岸に突き出した木戸岩と呼ばれる大岩の正面、川面向きに阿弥陀磨崖仏が刻まれて居ます。

道路側から全く見えませんが崖を一足降りると狭い空間があり、こんな具合・・・・、上部県道が出来るまでは川淵を、多分この磨崖仏の前を通って居たのでしょう。

幅の広い舟形を彫り沈め、中に線彫り二重蓮座に結跏趺坐する定印の阿弥陀坐像を中肉彫りで刻み出している。

像高約50cm、光背面に応永十三年(1406)六月一日の銘が見え、室町初期の造立。

名張川沿いに数ある磨崖でも在銘最古級の貴重な磨崖石仏です。

撮影2012.3.4


京都府宇治市 笠取の茅葺き民家-2

2013年10月28日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)京都府

前回紹介の宇治市山間集落「笠取」でたまたま見つけた茅葺き民家。

目的地からの帰り道、集落を突き抜ける道路から山を見てると、こんな景色が飛びこんで来た。

山肌の緑の中に飲み込まれる様に見え隠れする一軒家・・・・。

入母屋造りの吹き降ろし屋根、正面屋根には明かり窓を設えたこの辺りでは見かけない茅葺き屋根。

多分何処からか移築したものだろうが??それも今やもぬけの殻・・・

建物自身それほど酷い傷みもなく、まだまだ住めそうな程。

しかし、もうこの姿ままで山林に飲み込まれるのを待つばかりなのだろう・・・。

撮影2013.10.13


京都府宇治市 笠取の茅葺き民家

2013年10月27日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)京都府

3年ほど前、宇治市山間部の笠取で見掛けた茅葺き民家。

ワンポイントだけからの撮影だったので気に成って今年に成って再度出かけてみた。

笠取は宇治市と言えど大津市との境界近く、幹線道路からは遠く離れた鄙びた山里・・・・、宇治市街からは何処を走っても20分以上は懸かってしまう。

去年8月14日この地区は未曾有野大水害に見舞われ、この茅葺き民家が気に成っていたのですが、元、茅葺き屋根の在ったところはすっかり更地・・・・・・建物は跡形も無く消えて居ました。

ちょうど写真の左白っぽく見えるトタン懸け屋根の前方、今は空き地に建って居ました。

もう三年前から相当傷んで居たので去年の大水害に耐えられなかったのでしょう・・・・、今となっては、もうどうしょうも無いけど、あの時、も少し入念に撮影しとけば良かった。

撮影2010.8.7:2013.10.13


奈良県:旧菟田野 佐倉の茅葺き民家

2013年10月26日 | 茅葺き屋根(同)奈良県

旧菟田野の最南端、東吉野村と境を接する菟田野佐倉で、たまたま見つけた茅葺き民家。

国道166号線を桜峠方面より北上してると、斜面に茅葺き屋根らしい物が見え、付近まで車で進入。

近くで農作業をしていた老夫婦にそれとなく訊ねると、現在この家の主人は都会住まいで、ちょうど二人が管理人だと言う。

畑横を通る道から見上げた茅葺き民家は大型の大和棟茅葺き屋根、さしずめ上級農家だったのだろう。

温もりは感じられない佇まいですが、それほど荒れるに任せて居るでもなく、茅葺き屋根も未だ大丈夫。

両妻に落棟、その下には棧瓦の下屋根、向かって左手に玄関があり、煙出し館も左手落棟に有り珍らしい。

老父婦の話だと、今は荒れて居るが来年4月には屋根の葺き替えもするから「綺麗に成ったら又撮りに来て・・」と言われた。

この茅葺き屋根は来年4月には見違えるように見事な屋根に生まれ変わるだろう。

撮影2013.10.3


奈良県:旧大宇陀 才ケ辻の茅葺き民家

2013年10月25日 | 茅葺き屋根(同)奈良県

大宇陀の中心地、松山地区から菟田野古市場方面に伸びる国道166号線、才ケ辻旧街道沿いに建つ茅葺き民家。

豊かな緑を従え、高い石垣を積み上げた広い屋敷に建つ入母屋造りの茅葺き民家。

近くで声を掛けた人がちょうどこの家の主人で快く迎えてくれた。

主屋は宝永7年(1710)の建築、室町後期から続く武家だったようです。

そういえば高い石垣も長屋門前の濠も、納得出来る屋敷構えです。

地域の名士だったのだろう・・・・、簡易郵便局として地域にも親しまれ、今もその長屋門が窓口と成って居る。

屋敷には枝垂れ桜の大木が有り、花の咲く頃は素晴らしい景観なので是非とも来るようにと勧められた。

付近に在ったこの家も、多分つい最近までは大きい茅葺き大和棟だったのだろう。

茅葺き屋根はどんどん失われて行く。

撮影2013.10.3


奈良県:旧大宇陀  旧山岡家住宅(松源院)

2013年10月24日 | 茅葺き屋根(同)奈良県

現在は臨済宗寺院の修業道場と成って居て参観謝絶の札の懸かる旧山岡家住宅の茅葺き屋根。

この屋敷は江戸末期の大庄屋「旧山岡家」の住宅でしたが、昭和55年、明治初期に廃仏毀釈で廃絶した京都大徳寺(臨済宗)の塔頭寺院だった「松源院」に譲り渡され、現在に至っています。

大きな長屋門、石垣の上に白壁土塀、屋敷の中央には鋭角な茅葺き大和棟が聳えています。

文化~文政時代(1820頃)の12年間を費やして屋敷構えが完成したとされ、奈良県の文化財に指定されています。

その分よく整備されて居る様ですが・・・・・、しかし外部から眺めるだけでちょっと残念。

撮影2013.6.8


宇陀市大宇陀 山岡家住宅

2013年10月23日 | 茅葺き屋根(同)奈良県

大宇陀を縦断する国道166号線沿いに立派な屋敷を構える山岡家住宅茅葺き主屋。

山岡家は代々大庄屋を勤めた旧家であり、奈良県の文化財指定を受けて居る。

江戸時代中期の建築、向かって右側は入母屋、左側に大きな高幣を持つ・・・・しかし残念ながら左妻側の写真は撮影不能です。

現在、人の住んでる様子もなく、それなりに荒れた様子が見受けられ、何とも・・・・・・・。

撮影2013


奈良県:旧大宇陀 本郷の茅葺き民家

2013年10月22日 | 茅葺き屋根(同)奈良県

又兵衛桜で有名な大宇陀本郷で見つけた茅葺き民家。

又兵衛桜の近くの茅葺き民家をNETで見つけ、それを頼りに探して見たけど全く見つけられず、地元のお年寄りに教えて貰った茅葺き民家です。 

西山岳の南面する斜面裾野に棚田を拓き、その脇々にポツポツと点在する本郷の集落。

庭の植え込み、八重桜や新緑の間から見る茅葺き屋根堂々と立派に見える入母屋造り。

一歩踏み込んで庭先から見ると、だいぶ疲れて居る様に見えます。

脇に廻ると手指しの藁が目立って・・・・もうかなり限界に近づいてる様が解ります。

この先哀しい姿で放棄されない事を願うばかり・・・。

撮影2013.5.3


奈良県:旧室生村 下田口(胎中)の茅葺き民家

2013年10月21日 | 茅葺き屋根(同)奈良県

もう何年か前には上懸け屋根の民家も茅葺きのまま日本の原風景として、田植えの頃や秋の刈入れ時期に良く紹介されて居た。

室生寺前の道を奥へ詰めると最初に出遭う長閑で鄙びた集落が下田口、その奥まった棚田の脇にこの民家が建っている。

しかし山里では水田と言わず耕作地には、全て無粋な野獣よけの電気ショック柵が設置されちょっと艶消し・・・。

この辺り、山里の一般農家では小規模な入母屋造りの茅葺き屋根を見かける事が多い。

方向を変えれば高い石垣の上に吹き降ろしの茅葺き屋根、ちょっと腰高で独特な破風部が印象的。

茅葺きの主要部はかなり疲れて居るものの棟桁部は真新しく、この民家は当分この茅葺きのまま残ってくれるだろう・・・。

何とも心地良い風情を保っているのが嬉しい。

撮影2013.5.3


奈良県:旧榛原 赤埴の茅葺き民家-3

2013年10月20日 | 茅葺き屋根(同)奈良県

先日紹介の赤埴乙集落に残るもう一軒の茅葺き民家。

棚田斜面の上部、林の木立を背に、目の前には棚田を見下ろす様に小さな茅葺き農家が建って居る。

両妻、入母屋造り、石垣から実を乗り出したような雨縁??その下を利用した稲架納屋が懷かしい景観を醸し出す。

正面も昔懷かしい田舎そのものの風情が今に残っていて嬉しい佇まいです。

撮影2013.4.21


奈良県:旧榛原 赤埴の茅葺き民家-2

2013年10月19日 | 茅葺き屋根(同)奈良県

満身創痍のちょっと痛々しい、しかし主屋と納屋が共に揃って茅葺き屋根の民家です。

深い緑の中、大きな楠に隠れる様に建つ、大和棟の茅葺き民家。

この主屋はまだまだ新しく、再度葺き替えられた茅葺き屋根を、早く見てみたいものです。

茅葺き屋根にブルーシートは余りにも傷ましい・・・・・。

撮影2013.4.21


奈良県:旧榛原 赤埴の茅葺き民家-4

2013年10月18日 | 茅葺き屋根(同)奈良県

千年桜でその名の知れた仏隆寺、その近く赤埴乙最奥に建つ一軒家の茅葺き民家。

集落の入口辺りから山手に向かう農道を棚田伝いに奥へ詰めると、突然目の前にこの景観。

この景観は正しく田舎の原風景。

純粋な田舎農家茅葺き民家・・・、隣には新建離れ屋も有り、連綿と根ざしている生活が感じ取れる。

小規模な棚田の中と畑に囲まれた屋敷はまるで無防備そのものに見えるが、ここまで足を伸ばすものなど居はしない

新しく葺き替えられた寄せ棟茅葺き屋根は、旧都祁村辺りの茅葺き屋根に何処か似て居る。

撮影2013.4.21


奈良県:榛原 比布の茅葺き民家

2013年10月17日 | 茅葺き屋根(同)奈良県

宇陀市、旧榛原の南端近く、芳野川左岸の丘陵谷間集落で見掛けた茅葺き民家。

背後に丘陵の竹藪や雑木林を負い、堂々とした長屋門の奥に入母屋造りの茅葺き屋根が有る。

この屋敷も見るからに広く、やっぱり庄屋クラスの民家だろう・・・、屋根も半分葺き替えられ新しい。

こうしてしっかり茅葺き民家を守って行ける家には殆ど別棟の離れ屋が有り、若い人達がそちらで住まいしているのだろう。

撮影2013.6.8