愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

木津川市鹿背山(かせやま) 峠の地蔵/他

2012年02月08日 | 石仏:京都

僕の若い頃も今から40年も前、いやまだつい20年ぐらい前には一面緑の雑木林に包まれていた鹿背山の丘陵地帯、今ではすっかり緑の表皮を剥かれて赤茶けた地肌を曝け出し満身創痍のように見える。

JR木津駅から木津高校へ続く野道を道なりに学校脇を抜け、小川に掛かる燈籠橋という灯籠のついた橋を渡り切ると左手、木立を背にした小さな空き地にこのスマートな体躯の地蔵石仏が小石仏と共に立っている。

廃寺になってしまった古刹燈籠寺は橋の手前側にあって、この地蔵の背後、丘の上には「燈籠寺墓地」が有り、このこの先低い峠になり、辺りの旧地名を峠という。

現在殆どこちら方面から鹿背山へ入ることは無くなりましたが本来こちらから峠を越えて集落中心部に入っていたような気がする。

総高約2m、細身ながら良く整った等身大の定型地蔵、頭上に種子梵字を刻む。

赤い涎掛けははがせなかったけど、「峠の地蔵」と呼び慕われ、永正六年(1509)、室町中期銘が確認されています。

「峠の地蔵」脇から「燈籠寺墓地」への参道を進めば墓地入り口には、丸彫りのお迎え地蔵を中央に、六体地蔵と小石仏達。

墓地奥、棺台を前にして受け取り地蔵と小石仏。

中央に中々像容の良い地蔵石仏・・舟形光背に円頭光を刻み、像高約70cm。

 

少々頭デッカチ、穏やかで静かな笑みを讃えています・・・多分室町期の造立だろう??

撮影2011.7.23