何やら「信貴山縁起絵巻」を思い起こす様な名前の「空鉢山」の巨岩に刻まれた磨崖石仏。
この山は何か信貴山とまつわる謂れでも有るのでしょうか??
空鉢山はJR関西線伊賀上野駅傍らを掠めて山中を越え諏訪、円柱方面に抜ける狭隘国道422号線沿い、やがて峠に差し掛かる少し手前、三田神社奥から山道を30分ほど登りきったところ。
山道を喘ぎ喘ぎ登ると谷間の一画に二間四方程の簡素な小堂が建ち不動明王の旗が揺れている。
往時、このあたりには空鉢山常住院という大寺が有ったようですが、戦火で消失荒廃、後麓に、空鉢山常住院西盛寺として再興され現在も天台真盛派と称し、西教寺の末寺としてその法灯を残している。
しかし、不動堂正面に立って見てもそれらしき石仏などは見えない。
不動堂脇に回ると堂外岩肌に小さな地蔵磨崖仏・・・・像高40cm程の定形地蔵立像。
堂と岩盤の間に人一人が何とかすり抜けられるような隙間が有り、ちょっと失礼して堂内内陣へ・・・・少し見上げるとこんな感じ。
不動堂と言うからにはお不動さんが居るはずと、目を逸らせばそれらしき磨崖仏。
舟形を彫り込み中に不動明王らしき立像が一体・・・・風化摩耗が激しいのか?どうも確信が持てない程度の像容です。
上の不動明王が本体だとすると、この地蔵菩薩達は追刻なのだろう・・・
あちらにもこちらにもと言った感じで岩肌に刻み付けられて居る。
これは向かって左側、堂外岩肌に刻まれて居た双体地蔵磨崖仏。
しかし、やっぱりどう見ても不動明王磨崖より、この四体の地蔵磨崖の方が目立って居る。
撮影2012.5.12