昨日紹介した福島南相馬小高の磨崖は別として今回の旅で最初に出会った石仏さん。
新潟県と長野県の県境近く、妙高山の麓、関燕スキーゲレンデへの進入路近くに位置する関山神社境内に安置された石仏群です。
上信越道妙高ICを出て南に約2km、関山集落の奥に鎮座する関山神社は今でこそ神社の形態を取るが、かって関山大権現とも呼ばれた仏教色の強い山岳修行道場として栄えた。
勿論佛の山「妙高山」の里宮としての性格が強く今でも聖観世音菩薩、十一面観世音菩薩、文珠菩薩の三体を祀っている。
そんな境内の片隅に妙高堂と呼ばれる阿弥陀如来を祀るお堂が有り、その脇に覆屋を設けて一種独特な素朴さを持つ石仏が25体並べられ新潟県の文化財に指定されている。
石仏はこの地域独特な姿の丸掘り仏でそれぞれに赤い涎掛けを付けられ腰から下は無く、地中から生え抜いたような形で、その像容も飾りけを極端に廃した単純素朴な感じを強く受ける。
その石仏達は殆どが像高70~80cm、ずっくりむっくりの体躯に頭でっかち、どちらかと言うとあのアニメ漫画の天才バカボン似が多い。
この地はかって佛の山「妙高山」への参拝道入口、参拝道の傍ら、丁石代わりに置かれて居た石仏がここに集められたようです。
頭部に大きな肉髻(にくけい)を戴き右手は胸元で施無畏印、左手は腰元に下げ一般的には弥勒仏だと言われている。
素朴で朴訥に見え、その下部のない像容から「いけ込み式」石仏と呼ばれているが、後々足が生えて世の中は平和になるというような願いを込め、わざと膝までしか彫らなかったということのようです。
平安時代後期から鎌倉期にかけて庶民信者に依って彫られたものだと言われています。
地方色豊かな石仏達です。
撮影2012.9.13