愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

奈良市 米谷(まいたに)町の棚田

2010年08月31日 | 棚田景観

名阪国道が最初の小さなヘアピンカーブを終えて山肌沿いに大きくループ状に円を描いて高度を上げるが、其の大きい円弧の谷には二集落が存在し、それぞれ美しい棚田を見る事が出来る。


五ヶ谷インターで降り、そのまま今来た名阪の下を潜りバス停前左側の道を山手に進むと直ぐに眺望が開けて雛壇状に駆け上がる棚田を目の前にすることが出来る。



棚田の頂上付近は名阪の薬師橋が・・・右方向が上り名古屋方面



薬師橋付近よりの俯瞰



見上げる棚田と薬師橋





少し下って見ると雛壇状に美しい棚田が並ぶ。




刈り取りが終わって架木に架けられた稲穂。


撮影2010.6.27ー2008.9.27



奈良県天理市、岩屋の棚田

2010年08月30日 | 棚田景観

 


名阪国道の上り線を大阪方面から名古屋方面に走っていると天理東インターを過ぎた辺りで前方に山が立ちふさがり、山肌を縫うように蛇行しながら高度を上げていく。


其の蛇行が始まる少し手前から左手眼下に美しい棚田が見え出すが、此処は自動車専用道路、有料区間ではないけど高速道路、車を簡単に路肩に停める訳にも行かない。






遥か頭上には名阪の跨道橋


この先もこの名阪からの眺めの素晴らしいビューポイントも有るがどうにもならない。


下道で行くには天理東インターで降り県道192を利用し、名阪沿に岩屋数落をを越えてこの棚田へと来る。








棚田は県道192号脇、高瀬川の谷沿いに名阪国道と左手斜面に囲まれて細くて長い棚田になっている。






この辺りは少し上流、名阪国道を挟んで棚田が広がる



名阪はこの辺りでヘアピンの様に蛇行している。



棚田は細長く連なっていて、地図を見ていたら住所は岩屋と米谷にまたがって居るのがわかる。





この先、福住インターにかけても道沿いに棚田が続く。


しかし道路状況は険しい。 



撮影2010.7.4 


暗がり峠(東大阪市 東豊浦町)の棚田 

2010年08月27日 | 棚田景観

奈良側の国道308号線暗闇峠の石畳道を下っていくと峠集落が途切れる辺り、国道が最狭所と成る辺り左側谷間に広がっている。

この先国道308は東大阪市街に向けて狭い上に急激な下り坂となる。

棚田は奈良側、西畑ほどの規模は無いが、暗がり峠を頂点にして奈良側に下る棚田と、大阪方面に落ち込むこの棚田が対照的で面白い。

まさに水分(みくまり)の棚田です。

国道308への分岐点、勿論狭くて車の通る方が308号線、げに酷道といわれる所以です、広い道は一般車両進入禁止となっていて通り抜けられません。 此処から暗がり峠は直ぐそこです。

撮影2010.7.10


暗がり峠(奈良県生駒市西畑町)の棚田 

2010年08月27日 | 棚田景観


此処を車で越えるのはもう何度目か・・・・・。


其の昔は大阪から奈良へ越える伊勢街道の一部、生駒山の暗がり峠を越えるこのルートは現在では国道308号線、関西では酷道308として有名になっています。



暗峠(くらがりとうげ)は、奈良県生駒市西畑町と大阪府東大阪市東豊浦町との境にあってその頂上付近には現在でも茶店などが在って短い距離ながら石畳がそのまま国道になっていたりする。


此処はまたハイキングコースとしても有名でいつ走っても車の数よりもハイカーの方が多い。




大阪側から信貴生駒スカイラインの下を潜れば一気に 眺望が広がり奈良県側の西畑町の棚田が眼下に広がり、其の先には生駒市街がそして遠くにかすんで奈良市街其の向こうにはイガへと続く大和高原なだらかな山並みが見渡せる。





棚田は暗がり峠から駆け下りる谷川に沿っ見事な景観を見せ、国道308からも居ながらにして最高の景観が楽しめる。






峠から少し下がった西畑加圧排水場辺りと、西畑集落の民家が集まる辺りから見る景観は特に素晴らしい。


見下ろす棚田と見上げる棚田の両景観が見事に見渡せる。





撮影2010.7.10



明日香村阿部山の棚田

2010年08月25日 | 棚田景観

 


明日香では南端の集落で、あの壺阪山で有名な高取町と境を接している。


集落は30戸余り、あの高松塚古墳と同じように四神を描いた石槨を持つキトラ古墳は集落の北はずれで静まりかえっている。



棚田は集落の南側、安陪山の緩斜面に広がっていてその数約100枚程度とそれほど多くないが、休耕田も少なく長閑な里山を味わえる。




真夏の午後、里山の棚田には誰一人農作業をする人も無く静まりかえっていた。




帰り道に寄った大根田の棚田



撮影2010.8.14


明日香村、細川の棚田

2010年08月23日 | 棚田景観

石舞台古墳を後にしてそのまま奥に進むと直ぐにT字路、右手に行けば稲淵、栢森、左手県道156号線に取れば深い冬野川の谷に沿い、多武峰談山神社へと続く。

気都和既橋(きつわき)に有る朱鳥(あかみどり)の由来。

<日本書紀によれば、飛鳥時代に、たびたび赤い鳥があらわれて、当時の都(飛鳥浄御原宮・あすかきよみがはらのみや)に飛んできた事が報告されていて、これらの鳥は多武峰のあたりから、飛んで行ったとの伝説がこの地方に残っています>

この道路は以前谷間のドン突き、気都和既(きつわき)神社辺りで車道は途絶えていたが今年一月、深い谷を跨ぐ気都和既橋も開通、いともたやすく明日香から多武峰へと抜けることが出来るようになった。

この辺りの谷間は狭く右手は急斜面で、左手谷間から斜面一杯に棚田と集落の家並みが転々と建ち並んでいて、懐かしい景観をきわ立たせている。

右手斜面の見える坂田の棚田を抜けると、左手に冬野川に沿って細川の集落、斜面には美しい棚田が大きな弧を描いている。

細川集落を縫う旧道から・・・・・

集落の旧道を冬野川沿いに懐かしい景色の中を進んでいくと谷の突き当たり、気都和既神社手前辺りで新道に合流、この辺りは上(かむら)と言うらしい。

気都和既橋辺りからの棚田は西向きに広がっていて棚だと夕日の絶景ポイントになりそうです。

また稲穂が黄色く波打つ頃にでも出かけてみたい。

撮影2010、6.5


明日香、坂田の棚田

2010年08月19日 | 棚田景観


奥明日香への入り口、 「石舞台古墳」から県道15号線を道なりに行くと直ぐにT字路、右折して冬野川(飛鳥川支流)の都橋を渡って南へ向かうと左手斜面に広がる棚田が見える。




棚田のところどころに坂田集落の家並も遠望され懐かしい日本のふるさとの匂いがする景観です。



少し南に進み集落の入り口と思われる小道に入って行くと坂田寺跡があって渡来人である鞍作氏の氏寺として知られている。



中央に見える小さな塚が都塚古墳


また棚田斜面の農道脇には都塚古墳が有って、元日の朝に金の鶏が鳴くという伝説から「金鶏塚」とも呼ばれている。





集落東奥にある葛神社付近の高台から石舞台方面を望む。




 六月初旬水が引き込まれ遅い田植えが始まる。




上居(じょうご)集落に通じる高台から見た坂田の棚田


 


棚田下方から東方を望む


 


 


稲穂が出揃った九月初旬、木立の向うは石舞台古墳


撮影2009.9.13~2010.6.5~2010.8.14


奈良、明日香村栢森(かやのもり)の棚田

2010年08月17日 | 棚田景観



前回紹介の稲淵集落から飛鳥川沿いに車で5分も遡ると「奥飛鳥神奈備の里」の名にふさわしい栢森(かやのもり)集落に着く。







集落の手前には稲淵の男綱と対を成す女綱が飛鳥川に掛け渡されている。



此処が明日香最奥の地だと思っていたが、この小さな栢森集落内を越えて山を車で約5分も登りきったところに入谷(にゅうたに)という集落が有るということを最近になって知った。







栢森は集落の背後に高い山を背負う緑深い谷間、村の中央部を流れる飛鳥川の源流域に約50軒足らずの民家が軒を連ね、日本最古の女神だといわれる謎多き「加夜奈留美命」を祭神とする加夜奈留美命神社が鎮座する。







六月に鯉幟の泳ぐ民家を背景にした棚田





懐かしい匂いのする家並みを抜けて入谷への道を行くと小規模ながら集落を見下ろす斜面に棚田が広がる。



この栢森集落はたびたび映画ロケにも使われ、山間の集落らしいその佇まいは何ともいえず美しく日本の風景とはこういうものだと思い知らされる。





入谷集落



5分ほど車で駆け上るとそこは入谷集落、入谷は丹生谷にも通じ遠く飛鳥時代に大陸からの帰化人が住んでいたという場所でもあるらしい。





入谷集落の帰り道から見た栢森集落





高取城への山道から見た栢森集落(上の写真とは逆方向)










入谷への途中に有る女淵のミニ棚田



撮影2010.6.5・・・他




奈良、明日香村稲淵の棚田

2010年08月16日 | 棚田景観


 云わずと知れた日本人の心のふるさと、古代国家形成期を彷彿とさせる古代遺跡の密集地、古代歴史ファンにとっては垂涎の地である明日香、其の明日香に有る棚田100選に選定されている規模景観共に素晴らしい棚田です。




石舞台近くの上居の高台よりズームで見る・・・・・・2010.8.14


明日香観光スポットとして人気の有る石舞台古墳から吉野方面に抜ける県道15号線を少し進むと右手斜面一帯に広がる棚田が眼前に広がる。




稲淵集落と其の入り口飛鳥川に子孫繁栄と五穀豊穣を願って、男綱と呼ばれる勧請縄が架けられている。


明日香村全域が歴史的風土保全地区、風致地区に指定されており、この稲淵を含め村全域がふるさと日本の原風景を強く残していて圧巻です。


僕の住まいとそれほど遠くなく一年のうちに何度と無くこの明日香に通う。




冬姿の棚田には美しい藁塚(ワラを積み上げる「ススキ」)が並んでいる・・・・



一月だと言うのに菜の花が咲く・・・・





五月、棚田に水が入り田植えは水利の関係上ひと時には始まらない。





八月お盆前の棚田、青稲がすくすく育っている。







九月、稲穂も出そろい案山子コンテストの案山子も出揃い、彼岸花も顔を見せ出す。


 



 



 


写真は2009年のものです。


三重県 紀和町丸山千枚田 (夏)

2010年08月13日 | 棚田景観

 



夏姿の丸山千枚田を見ようと遠い道のり、車を走らせた。



お決まり県道のビューポイントから・・


以前来た時は秋の刈り入れがすっかり済んだ雨上がりの午後、秋の季節にマッチして、いかにも侘しい佇まいでしたが、夏の初めの棚田は何かしら溌剌としていて秋には感じられない活気に満ち満ちて居た。





大きく小さく弧を描く棚田は真っ青な早苗で埋めつくされ、大台山系を渡る風にそよいでる。





斜面一面に広がるこの棚田という構造物はこうも、しかも優しく雄大で自然を壊さず調和している。





また暑い夏が終わる頃遠い道のりを車を走らせることに成りそう。



資料は前回の丸山千枚田を参照にして下さい。



調整田でクイナ??が一羽餌を啄ばんでた 。


撮影2010.7.8



福知山市、毛原の棚田

2010年08月04日 | 棚田景観


この棚田の在る毛原地区は京都府の北部、現在では福知山市の一部と成っているが、あの酒呑童子で有名な旧大江町の大江山の南裾に広がる棚田です。



大江町の中心より県道9号線で北進すること約20分、毛原は10戸余りのドン突き集落、これ以上奥に集落はありません。




棚田は高低差約100メートルの斜面にその数約600枚と云われていますがとてもそこまでは無いような気がします。




残念ながら此処も高齢化のためか耕作放棄田や畑作に転作された棚田もあちこちで見られます。




NET で検索すると萱葺き屋根の民家が点在してると言う事ですが今ではたった一軒のみに成ってしまったようです。



静かな静かな物音一つ聞こえない鄙びた里山、京都では丹後半島、袖志の棚田についで2箇所目の「棚田100選」に選ばれています。



タンポポと早苗のコラボレーション、しかしこんな山奥の地でも西洋タンポポ・・・・・。


集落辻の化粧地蔵さん、近畿の一部地域では良く見かけるものです。


撮影2010.5.29





兵庫県香美町.うへ山の棚田

2010年08月02日 | 棚田景観

 


但馬は山国、棚田はいたるところで見られるが耕作放棄や作付け作物の変更、または圃場整備などであの昔ながらの斜面に弧を描く棚田を見られるところは意外と少ない。



そんな中にあって規模はそれほど大きくないが斜面にあの独特なカーブを幾重にも描くのがこの「うへ山の棚田」です。




<集落最上部から見る対面の棚田>


大阪方面からR9号線R482号線と乗り継ぎ香美町小代(おじろ)区へと入り小代中学を越え貫田集落への脇道へと進む。



斜面に立ち並ぶ貫田集落を抜けて高度を上げていくとヘアピンのカーブから集落を過ぎ山中をどんどん上るとやがて右手道路下方一面にこの「うへ山の棚田」が見える。




休耕田はほとんどなく、よく管理され、大きく弧を描く棚田が谷に落ち込む景観は背後の山並みと調和して特に美しく「日本の棚田百選」にも選定されている



この辺りは水が豊富で伏流水も多く、日量1000トンの水が湧くと言われ、棚田は海抜500メートル辺り、3.1haに約40枚を7軒の農家が管理してる。


撮影2010.6.12




大阪、千早赤坂村の棚田

2010年08月01日 | 棚田景観



此処の棚田には田植え直後の六月初旬とついこの前の7月21日、ここでは両方の画像共にUPしておこうと思います。


奈良県御所市からR 308号線で一気に金剛山系の山を越えると、もうそこは大阪府で唯一の村、千早赤阪の鄙びた風景の広がる里山,水越トンネルを越した辺りから谷川越しに小さな棚田も見え隠れする。


千早赤阪村は、大阪府の南東部に位置し、大阪府内最高峰の金剛山や、南北朝時代の武将楠木正成の生誕地として多くの史跡など、自然と歴史に恵まれた村です。







 村に入るとあちこちで棚田風景が見え隠れするようになるが、村役場近く、千早赤阪中学の裏手一帯に広がる下赤坂の棚田がとりわけその規模でも景観でもすばらしい。


この棚田への進入口は赤坂中学校の校舎を突き抜け裏手に回る事になるので,これで良いのかとちょっと妙な感じもしないではない。







裏手に回ると大きな駐車場も用意されていて一帯が展望台に成り、横手にはあの楠木正成ゆかりの「下赤阪城趾」の石碑がたたずんでいる。


 上の写真は全てこのあたりです。




勿論「日本の棚田百選」にも選定されていて面積7.4ha、250枚の棚田があり、42戸の農家が耕作に従事しているようですが、比較的転作や耕作放棄も少なく懐かしい日本の景観が楽しめる。





 この辺りの棚田です。















 この辺りの棚田です。


 他方、翻って別の耕作道からの景観もまた素晴らしく、のんびり歩いて帰途に着くのも良い。 





この辺りの棚田です。


矢鱈と画像ばかりが多くなってしまったような・・・・・。


撮影2009.6.7・・2010.7.20