愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

三重県伊賀市 波敷野(はじきの)の棚田

2013年05月26日 | 棚田景観

三重県旧阿山町は懷かしい「ふる里の匂い」が残る里山棚田地域・・・、そんな中でも波敷野から音羽にかけて広がる棚田の景観が素晴らしい。

甲賀と伊賀に挟まれた長閑な里山は、近場と云う事も相まって僕の好きな場所・・・、暇あるごとに訪れては癒される。

三重県伊賀市の北部丘陵地は阿山と呼ばれる地域で上野市や周辺地域と合併、平成16年「伊賀市」となるまでは阿山町と呼ばれていた。

去年の秋の終わり、今年の春浅き3月初旬、ついこの間GWの5月5日に訪れました。

旧阿山町役場から西へ里山道を約3km、山裾に挟まれた波敷野集落の家並を越え峠に出ると、この景観・・・

阿山地域は全体に棚田地域ですが、そんな中でもこの地域は広く、適当な斜度もあり見応えがある。

ゴ-ルデンウィークの5月5日峠手前の棚田では代掻きの真っ最中・・・、機械を入れるより手の方が早いのだろうか??

近頃では滅多に見れない景観です。

3月初旬にはまだまだ冬姿だった棚田は・・・

ゴールデンウイークにはすっかり一面の緑に・・・・。

しかしこの緑どう見ても田植えが終わって直ぐの緑では有りません。

この棚田では水稲に変わって麦の転作に切り替えてるようです。

それでも棚田一面に広がる緑は目にも鮮やかでした。

撮影2013.5.5/2013.3.23/2012.11.19


京都府井手町 上井手の棚田

2013年04月08日 | 棚田景観

京都府井手町は南山城、木津川右岸にある町、我が家からも近く朝の散歩コースの一つにも・・・。 

往古、木津川は広い氾濫原を持ち、現在の町の中心地である低地もまたその氾濫原の中にある。

上井出はその河岸段丘上に有り、万葉集にも詠まれる程古くより拓け、橘諸兄の別業や氏寺も建てられ栄えた土地です。

西側、木津川に向かってなだらかに開けた斜面は、古代歴史人の愛した景観を彷彿とさせるほどの眺めです。

新しい住宅も開発されて居るが、上井出と呼ぶ旧在所は50軒ばかし、南面斜面の山裾に古い佇まい見せて居る。

棚田は広いが斜面は緩やかで・・・果たしてこれが棚田と言うに値するのかどうか???

しかし、一面に出穂した青田を見ていると・・・・・・・

棚田としてUPしても良い様な気がする。

撮影2010.8.29


三重県熊野市紀和町 長尾の棚田

2013年03月31日 | 棚田景観

熊野地域の巨樹を追いかけての帰り道、素晴らしい棚田景観に出逢いました。

丸山千枚田を越え、県道40号線の尾根道を走ること10分ばかり、峠の下り道、眼下に素晴らしい景観の棚田集落が目に飛び込んで来る。

田植えにはまだ少し間のある桜満開の時期、田起こしが始まったばかりの山深い棚田は、まだ冬の名残の色を留めていた。

熊野市紀和町長尾地区、どの市街からも遥遠く離れ、和歌山、奈良との県境に近い風光明媚な山間集落。

人工的な音は響かず自然の侭に時間さえのんびり流れるような・・・

民家や棚田は斜面に積み上げた自然石の石組みの上・・・・何世代も親から子へ、子から孫へと引き継ぎ守り、また拓いて来たのだろう・・・・。

しかし石組上、段々墓地横に建つ小学校には、最早子供の声が響くこともなく廃校になって久しい。

最早過疎化はいたるところでますます進行・・・・、もう止めようもない。

美しい景観を愛でるだけでは人は生きて行けない・・・しかし地域が活性化すると自然は破壊されかねない。

僕はただ通りすがりの傍観者に過ぎないけれど。

撮影2009.3.28


三重県津市美杉町太郎生(たろう) 日神(ひかわ)の棚田

2013年03月30日 | 棚田景観

もうここには何度来ただろう・・・、この地に来るたびこの位置から棚田を眺める事になる。 

しかしこうして写真を選んでみると青田の緑や、黄金色に色付く写真がない。

ここは棚田が目的で来る訳じゃなく、この背後の墓地にある素晴らしい石仏が目的で来る場所・・・。

こうして見えるだけの小規模な棚田・・・・・それでも十二分に美しい。

しかし、墓地から見下ろす棚田もまた捨てがたい景観を醸し出しているのでUPしておきます。

こうして見ると茅葺き屋根に掛けられたトタンの色が、塗り替えらて居るのが少し嬉しい。

撮影2012.3.7/2006.4.23


奈良県山添村  峰寺の棚田

2013年01月09日 | 棚田景観

何かにつけ訪れる事の多い大和高原、中でも少し奥まった山添村はいつ訪れても僕好みの景観で迎えてくれる。

幼い緑が薫風にそよぐGWの五月の初め・・・・・、谷間の小さな棚田にも水が貯められ田植えが始まる。

ここは山添村北西端、奈良市柳生や、京都笠置と境を接する山里。

木津川支流の布目川のダム湖近く、県道80号線で道成に東進、急な登りを駆け上がり、バックミラーに飛び込むのがこの景色。

棚田の向こう、斜面に茅葺き屋根の大和棟民家が目を惹く集落が建ち並ぶ。

道路際に車を寄せてしばし呆然と見とれてしまう景観・・・。

いくらぼ~っと見てようが、決して交通の邪魔になるような事は無い。

姦しく車の行き交う音もなく、まるで時間の概念が狂ってしまう程長閑な時間がゆっくり流れているのを感じる。

撮影2010.5.5


山口県周南市 中須北の棚田

2013年01月08日 | 棚田景観

ここへ到着したのが朝の9時30分、見渡す限り棚田に囲まれた集落の家並が朝靄に包まれ幻想的な景観を醸し出して居た。 

もう少し早く着いていたらもっと印象的な絵になっていたかも??

見事に大きな棚田です、今地図を開いて見ても棚田の中に自治会館が五ヶ所も有り、頭上(斜面上)には大きな水瓶菅野湖を持って居る。

中須北地区は周南市の中心市街地から20km北東に位置し、旧周東町、旧美川町と境を接する標高300m程の山間盆地にある。

やっぱりここも山間僻地、地区内の五集落へは全て棚田道で結ばれ地区内のアクセスは便利ですが町は遠く、例に漏れず過疎化高齢化が進んでいる。

棚田を見下ろせる地区内のベストポイントには駐車場とトイレが用意され、見事な棚田を見下ろせる。

此の棚田では各種のイベントや交流が盛んになり、以前耕作放棄田だった棚田も又元の姿に甦っている。

現に僕はこの広い棚田内で耕作放棄田を見かけなかった

撮影2012.11.30


山口県周南市 四郎谷の棚田

2013年01月07日 | 棚田景観

瀬戸内の入江に落ち込む急傾斜の溺れ谷に拓かれた石積みの美しい棚田 。

急傾斜の谷が落ち込む四郎谷集落は瀬戸内の入江に開けた僅かばかりの平地に20戸ばかりが軒を連ねる。

山陽自動車道、徳山西ICで降り2号線経由、戸田(へた)信号を左折、四郎谷への進入路を道成に10分も南進すると、目の前に急激に落ち込む棚田が現れる。

狭い谷間とは言え、南面する瀬戸内向きの斜面は暖かいのか?刈り取り後、実ることのない二度芽が目にも鮮やかな程に青々していた。

集落へ落ち込む谷は大きく二本・・・、谷には全て石積棚田がが拓かれて居る。

ここにも耕作放棄田が数多く見られる。

海の石を積んだのだろうか??山の石を積んだのだろうか??何十段にも曲線の石垣が積み重なって居る。

三方を山に囲まれ、目の前は海、背後は石垣棚田、集落の波打ち際を山陽本線が走るが勿論集落には駅などない。

船がなければ何処に行くのも険しい峠越え・・・・車の無い時代にはさぞかし苦労しただろう。

立地条件から閉鎖性が強く余所者の入り込みにくい集落のような気がする。

目の前の海には港らしい設備はなく、海に面しながらも半農半漁ではなさそうな・・・。

撮影2012.11.30


山口県長門市  油谷向津具上(ゆやむかつくかみ)の棚田

2013年01月06日 | 棚田景観

前回同様、長門市向津具(むかつく)半島棚田ですが・・・・、この棚田からは海が見えなかった。 

前回紹介の中ノ森棚田からそのまま道成にに進めば、たった10軒足らずの向津具上集落。

集落は棚田上にへばりつくように軒を並べて居る。

ここだけ何故かしらガードレールが白くて、黄色いガードレールを見慣れてしまうと、これはこれでどうしたのかと思ってしまう。

谷に開かれた波打つ馬蹄形の棚田と、斜面を下る直線で区切られた棚田。

この山の向こうは海なのだが、見通しは効かない。

交通手段の乏しい頃には自給自足のため、山の斜面と云えども開拓せざるを得なかったのだろう・・・・。

撮影2012.11.28



山口県長門市 中ノ森の棚田

2013年01月05日 | 棚田景観

前回紹介、油谷東後畑棚田より向津具半島の集落を縫って走る県道で西方へ約15分、遠く見晴かす斜面に棚田が点在する。

ここは向津具半島の括れ部「川尻漁港」を見下ろす斜面に広がる中ノ森の棚田。

田の畦に暴風垣としてシャシャキ(ヒサカキ)の木が植えられ、今も多く残っている。

響灘に突き出すなだらかな斜面は棚田として拓かれ、海の碧と相まって素晴らしい景観を醸し出して居る。

棚田の斜面に点在する民家、その遥向こうには水平線・・・・フレームを付ければそのまま絵になる景観です。

深く落ち込む溺れ谷を下る馬蹄形の棚田・・・・圃場整備が為されない曲線畦がが美しい。

それでも農業の疲弊は進み耕作放棄され雑草が生い茂る棚田も多い。

道路は棚田を上下に切り裂く様に等高線に沿い、黄色いガードレールがくねくね続いている。

車の通らない道路はどこでも駐車可能でその景観を独り占め出来た。

撮影2012.11.28


山口県長門市 油谷東後畑(ゆやひがしうしろばた)の棚田

2013年01月04日 | 棚田景観

昨年11月の末、山陽瀬戸内の旅で少し足を伸ばした山口県の日本海側、響灘に突き出した向津具(むかつく)半島、コバルトブルーの海に対峙する見事な棚田です。

遠出の時はいつでもそうだが、高速料金の事も考え、夜を徹して走り着いた下関、付近で2~3撮影を済まし、山口独特のこの黄色いガードレール道を走り抜き、この地に着いたのはちょうど昼時。

それにしてもこの黄色いガードレールにどんな意味が有るのだろう???慣れない余所者は違和感を感じずには居られない。

長門市油谷、東後畑の棚田は日本海響灘に西面した斜面一面の広がり、夕日や漁火の棚田としてアマチュアカメラマンの絶好の被写体として人気が高い。

僕が訪れた11月末、刈入れもとっくに済み二度芽の稲も色付き、斜面は荒起し土色とのモザイク模様。

本州最西端、向津具半島の響灘に面する斜面はその多くを棚田に開拓され辺地の厳しい暮らしの代償としてこの美しい棚田景観を残した。

集落を縫うように等高線に合わせ、くねくね走る県道脇には三々五々に建つ民家・・・・・。

県道下部には海岸線近くまで落ち込む棚田・・・・、その上部斜面にも棚田は拓かれ、その広大さにもっ目を見張るものが有る。

ここ油谷東後畑 の棚田は「日本の棚田百選」にも選ばれ、地元が用意した展望地から360度パノラマで棚田景観のすばらしさが満喫出来る

海と山、昼と夜、その真ん中にこの棚田が在る。

撮影2012.11.28


新潟県十日町市松代 蒲生の棚田

2013年01月03日 | 棚田景観

数ある松代の棚田のうち、もう一ケ所寄ってみたのがこの蒲生の棚田。

松代を横断するように走る国道253号線、353号線が分岐する蒲生の交差付近から少し山中に入り込んだ東面する斜面を下り落ちて居ます。

この棚田も前回」の棚田に同じく山に囲まれ木立が棚田の畔に散在していて見通しが効きません。

黄金色の棚田が濃い緑に映えますが規模は小さく、それほどの感激は有りません。

何か物足りなさを感じるものの一つに曼珠沙華の真っ赤な花が有りません。

関西の棚田には必ずと言っても過言では無い曼珠沙華の花がこちら松代の棚田では見られない。

この棚田でも朝靄に煙る棚田が神秘的な景観を醸し出す様ですが・・・・やっぱり畦道に赤い色がないのは少し間の抜けた感が否めない。

ここ松代は豪雪地帯、雪国では彼岸花が育たないのだろうか??。

撮影2012.9.15


新潟県十日町市松代(まつだい) 星峠の棚田

2013年01月02日 | 棚田景観

年は変わってしまいましたが・・・去年の秋口、東北への気まま旅の最初に寄った新潟県、十日町市旧松代町の代表的な棚田です。

アマチュアカメラマンにも絶大な人気を誇る棚田らしいのですが・・・僕にはイマイチ。

時期が悪かったのか?時間が悪かったのか??はたまた撮影ポイントの不味さだろうか??それほどの感激は味わえなかった。

長野県から流れる千曲川が県境を越え、信濃川と成って流れる十日町市、JR飯山線から山中を縫うように日本海側の信越本線とを結ぶ「ほくほく線」沿線の松代は棚田の多い山村として隣町、旧松之山町と共に広く知れ渡って居る。

四方を山に囲まれ、朝霧に包まれた幻想的な棚田は言いようのない日本人好みの幽玄の美を醸し出してくれるが・・・・、そう旨くは行かない。

松代の中心地「ほくほく線」松代駅より国道403号を道なりに西へ約20分、上越市との市境に近い峠集落を奥に詰めれば、緩い摺鉢状の棚田が広がって居る。

黄金に色づいた見渡す限りの棚田にポツポツ杉木立が見えて、それが朝靄には絶好の点景と成るのだろうが、昼間はそれが少しうるさい。

素晴らしい棚田の景観には違い無いが、イマイチ感激が少なく、物足りないのは・・・・・・・、それは朝靄だったり、懐かしい形の民家が全く見えなかったり・・・。

それより何にも増して、実は自分の撮影技量が拙いだけなんでしょうがね。

撮影2012.9.15


奈良県宇陀市  室生龍口(むろうりゅうぐち)の棚田

2012年12月31日 | 棚田景観

奈良県宇陀市旧室生村は、女人高野として知られた室生寺を有する市街地からは遥かに離れた山里。

山深い旧室生村に有り、更に辺鄙な室生龍口集落は幹線道路からは遠く離れたドン突き集落、特別何があるわけでも無いので余所者は滅多に通る事がない。

室生寺を少し奥に詰めた龍穴神社前の交差点よりよく整備された広域林道で長いトンネルを抜け、更に最初の分岐を右折、道なりに室生西谷集落越えると室生龍口へと至る。

昔ながらの懐かしい建物が見え、集落内道路はよく整備され広いが・・・・・通る車は滅多に見かけない。

室生西谷から小さな谷を越えれば室生龍口、その狭い谷底に小規模ながら絵になる棚田。

棚田の奥、斜面に建ち並ぶのは西谷集落。

谷に架かる橋より振り向けば下流の斜面にも僅かな棚田。

桜が咲いて鶯啼いて、老父が一人で昔ながらの田植えの準備・・・・、その向こうには集落の建物。

なんとなく車を停めてみたくなった景色です。

因に、この地は室生より名張赤目渓谷へ抜ける道筋近くに有り、境界を挟んだ名張市側の集落も竜口(りゅうぐち)集落です。

撮影2012.4.29


奈良県山添村  岩屋の棚田

2012年12月30日 | 棚田景観

山添村はその名も示すように山に寄り添う片田舎、名阪国道が村を横断していてそれほど辺鄙では無いのですが、村内を走っていると余りの交通量の少なさに驚く別天地です。

前回紹介の鵜山とはほど近く、この集落にも殆ど余所者は入って来ず、ましてや集落から離れたこの棚田など余所者の目に留まる事など無いだろう・・・。

山添村岩屋地区は村一番の大きい集落だと言うが、最早小学校は廃校、老齢化、過疎化は止めようもない。

集落は高台斜面に軒を並べ建ち、その落ち込んだ東側の谷を流れる笠間川を挟んだ斜面に棚田は広がる。

棚田の規模は大きくないが周りを濃い緑に囲まれ、水を張った棚田には早苗が優しく揺れている。

聞こえるのは野鳥の囀りばかり、全く人工機械音など聞こえて来ない。

棚田の端に1軒残った懐かしい屋根の下にはもう人影も無い。

しかしこの斜面上にはゴルフ場が有り、その山を越せば直ぐに巨大な新興団地が広がる。

車で10分とは掛からないが隔世の感がする。

撮影2012.5.20


奈良県山添村  鵜山の棚田

2012年12月29日 | 棚田景観

奈良県山添村と三重県伊賀市はその境界を接していて両側に同じ名を持つ集落がある。

これは廃藩置県以前には同じ郷か集落で在った証だろうが・・・・、何故こんなことに成ってしまったのだろう??

この奈良県山添村が接する地域にはもう1ヶ所、同様のところが在る。

そんな話はさて置き、この山添村鵜山も、どの市街からも離れた山間集落、それほど辺鄙な場所では無いのですが中々行くこともない。

奈良県と言えど、最短市街は名張市で生活圏は三重県寄り、奈良県の市街地は遥かに遠い。

名阪国道山添IC近く(念のため、この付近は全く市街地では有りません)、山添村役場より東へ約15分、県道から逸れて名張川沿いの広瀬集落へ・・・・、川を境に三重県だという気がするが鵜山は、その対岸の斜面を登り切った狭い盆地集落。

集落は一筋に下る棚田の両脇斜面に並び建ち、その景観がなんとも一輻の絵を見るように素晴らしい。

手植えをする農婦の姿も、見るものをほっこりさせてくれます。

こんな処で暮らしが成り立つのであればストレスも溜まらないと思うのですが・・・・・そうはいかないのが世の常なのかも・・・・。

撮影2012.5.20