わが国に残る唯一の木造十三重の当が現存する談山神社の東門から参道を登っていくと、摩尼輪塔と呼ばれる石造笠塔婆が建っているのが見える。
花崗岩製の八角形石柱で、上に笠石をいただき、その下の塔身上部に月輪を造り、密教の胎蔵界「大日如来」の種子アークが刻まれている。
八角石柱の塔身に薬研彫で、『妙覚究竟摩尼輪』と彫られ、乾元二年(1303)の銘がある。
このような特殊な形の笠塔婆は今までに見た事も無く、大きさも笠塔婆としてはかなり大きなもので、国の重要文化財に指定されています。
摩尼輪塔の「摩尼(まに)」とは宝球(ほうしゅ、又はほうじゅ)のことで、月輪内の梵字、胎蔵界大日如来をす種子「アク」の薬研彫りは力強い筆致であり、鎌倉中~後期の特徴がよくあらわれていて美しい。
撮影2006.6.24.