笠間街道を下って平地に出てすぐのところが、旧室生村の大野寺。
大野寺は本尊であるこの弥勒磨崖石仏と枝垂れ桜で有名な古刹です。
寺の前を流れる宇陀川の対岸には、柱状石英安山岩が露出してそそり立っており、その岩面を彫り窪め内部を磨き如来形立像を線彫りしたものです。
鎌倉期の初期、承元元年(1207)に後鳥羽上皇の勅により造顕された。
笠置寺の弥勒磨崖仏の下図を写して彫り出したものだという。
笠置寺(京都府笠置町)の弥勒磨崖石仏は奈良時代に作られた大弥勒磨崖仏であったが元弘の兵火によって剥落、今は光背形だけが跡をとどめるだけに成っている。
承元三年三月七日足掛け三年を要して開眼、後鳥羽上皇は長谷寺を参拝した後、大野に行幸して盛大な開眼供養があげられたと記録は伝えている。
石仏は13.6mの光背の中に立つ11.5mの弥勒立像で、今でも風化の影響も少なく美しい線が周囲の景観と良く溶け合っていて美しい。
対岸の石仏の前は広場状になっており、何らかの方法で川を渡ればもっと迫力の有る写真が撮れたかとおもう。
もしかして聖域だと言うことで立ち入り禁止ということかもしれないけど・・・・・・。