愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

西教寺の阿弥陀石仏

2007年08月20日 | 石仏:滋賀

京都市内東端、北白川から比叡山の谷を越えて大津市の南志賀に下る街道を山中越えと呼んでいて古くから開けた街道です。

その途中にあるは山中集落は京都から滋賀県に入ったところ、比叡の谷の小さな街道筋の旅籠町であったらしい。

その山中町の中ほど辺りに西教寺というさびれた寺があって,山門左側に大きな舟形の光背を背負った大きな阿弥陀石仏が街道を見下ろしている。

高さ2.7m、幅1.7mの花崗岩に坐高1.4mの厚肉彫りの阿弥陀坐像を彫り出している。

両手を膝の上に置いた定印の阿弥陀石仏はかなり風化磨耗も進んでいますが写実的で力強い鎌倉期の石仏の特徴をよくあらわしている

街道筋の古い家並みにこの大きな石仏がとても魅力的な街道筋です。

この街道筋には京都側、大津側にも大きな石仏があってよく知られている。

撮影2006.11.24

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岡寺の石仏

2007年08月17日 | 石仏:奈良

明日香村岡の地にあるので岡寺の呼び名があるが、法名は竜蓋寺と云い奈良時代天智天皇の勅願により開かれた名刹で、西国三十三箇所観音霊場、第七番札所として名高い。

本尊の如意輪観音は白鳳時代の丈六塑像として珍しく、日本三大仏にもあげられており、仏教美術としての価値も高い。

仁王門を入って直、受付脇には地蔵磨崖石仏がある。

岩肌に舟形光背をを彫りくぼめ、錫杖を持つ像高80cmの立像を浮き彫りにしている。

大永四年(1524)、室町中期の年号が有る。

本堂脇から奥の院の山手に入っていくと、仏足石や不動石仏、弥勒石仏などが点々と置かれている。

奥の院には正面に石組みされた洞窟があってその奥には江戸時代の真新しく見える弥勒菩薩石仏が祀られている。

撮影2006.12.23

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祝戸 如意輪観音石仏

2007年08月15日 | 石仏:奈良

あの有名な飛鳥の石舞台古墳の横の道を飛鳥川に沿ってさかのぼって行くと祝戸の集落がある。

集落入り口の三差路の石垣積みの高台に専勝寺という小さな寺の観音堂にこの如意輪観音石仏が祀られている。

観音堂の正面の扉は閉ざされているが自由に開けられるようになっていて、いつでも誰でも拝観できる。

長い年月の薫香で黒ずんでいるかのような花崗岩の自然石にあの立膝の如意輪観音が浮き彫りにされている。

堂内の奥、御簾などが少し邪魔にはなるが、屋内に在って風化磨耗も少なくその優雅な姿をはっきり見て取る事が出来る。

像高約45cmの六臂如意輪観音石仏で立膝思惟の女性らしい柔らかな線格調高く鎌倉初期の作風だといわれています。

またこの門前の石垣にも小さな地蔵磨崖石仏が見られる。

撮影 2006.12.23

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酒船石

2007年08月13日 | 石塔:石造物

 


万葉文化館(飛鳥民俗資料館)の亀形石造物出土地脇の藪道を少し登っていくとこの酒船石が藪丘の少し開けたところにデンと座っています。



やっぱり、謎の石造物の一つで、長さ約2メートル、幅約2メートルの花崗岩に浅いくぼみを掘って細い溝でつないでいます。



正面から見ると何かしら擬人化した模様のようにも見えてくる。




酒を造ったのではないかとか、油を絞ったのではないかとかいわれていますが、現在のところどうゆう目的で作られたのかは分かっていないようです。



しかし何かの目的があって、こうして石を加工したものには違いなく、長い時間の経過は人々の記憶や記録を消し去ってしまうのだろうか??


最近この酒船石のある丘陵から石垣が発見され、また前述の亀形石造物も出土しています。




日本書紀の斉明2年(656年)の条に石垣を造ったという記述があり、最近発見された石垣のことではないかといわれているようです。


撮影2006.12.23


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