愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

京都府宇治田原町 糠塚の勧請縄

2007年02月27日 | 勧請縄:山の神:野神:人形道祖神

国道307号線沿いの宇治田原町立川地区の「糠塚」で伝承されているもので、旧正月に頃にあたる2月11日に「神縄座」の行事として伝承されている。

太さ十数センチの縄を3本よりあわせてさらに巨大な縄にし、12本の縄で前垂れを作り、シキミを結びつけている。

この地の勧請縄は他の地域の縄とは少し違って、空中に架け渡されることは無い。

集落の西方、今では新興住宅の建ち並ぶ傍の勧請の森に捨て置かれている。

捨て置かれるという言葉は適当では無いのかも知れないがそのように見える。

どうもこの勧請縄には、道きりとしての意味が無さそうで、本来の「神を勧請するため」の縄のような気がする。

また、この縄の置かれて居る勧請の森がどういう性格の地なのかは解らない。

撮影2007.2.17

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京都府宇治田原町 禅定寺 の勧請縄

2007年02月25日 | 勧請縄:山の神:野神:人形道祖神

禅定寺 集落のある宇治田原町は京都府と滋賀県の境界にある山里ですが最近は新興住宅の進出も押し寄せている。

しかし宇治田原町の山間、府道783号線沿いにあるこの集落周辺mで荷は迫っていず静かな佇まいのままである。

この集落は禅宗の名刹禅定寺があり、かくれ古寺で知られていて、府道783号線は寺の前を通り滋賀県大津市へと通じている。

この道路沿い、禅定寺 集落の入り口の巨木に勧請縄が巻きつけられている。

この巨木には、藤つるや蔦などがまとわり付いていて、縄そのものも良く見えないが、縄の上部には榊の小枝と御幣がつきたてられている。

小川沿いの巨木、村の入り口という勧請場の条件にぴったりの場所です。

撮影2007.1.20

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湖東の勧請縄ー12

2007年02月20日 | 勧請縄:山の神:野神:人形道祖神

 


国道307号線で八日市方面から日野町に入って、北脇の集落が見えてきた左手の農道脇にある木に勧請縄の掛けられているのが見えた。




多分、この新道が通じるまではその場所が集落の入り口だったのだろうと思われる場所で?もしくは山ノ神を祀る場所だったのかもしれない??。




そばの木には祈祷札と思われるような木札が注連縄で巻かれていたり、人形だと思われるような木の枝が置かれていたりとかなり怪しい雰囲気の場所でした。




この場所から少し進むと、左手に諸木神社があって、参道の両側の枯れ木に勧請縄が渡されているのが見える。



太縄の真ん中に割り竹で丸に十の字を渡し、常緑樹(しきみ?)の葉を付けていて、単純明快な縄です。


撮影2007.1.27


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大津大石龍門町の勧請縄。

2007年02月19日 | 勧請縄:山の神:野神:人形道祖神

 


滋賀県大津市の大石は琵琶湖から流れ出す瀬田川がやがて宇治川と名前を変える辺り、京都府の宇治市や宇治田原町と県境を接している。


大津市とはいえ、この辺りは背後に山を控え、前には川を置く風光明媚な里山地域です。



この大石地区にある龍門町の八幡神社の勧請縄は、石の鳥居の奥、参道両脇の木の間に渡されている。


湖東ではどこでも見られるトリクグラズは、この縄に見ることは出来ない。



いたって単純な勧請縄で、太縄に緑の葉つけた小縄を12個吊り下げている。



この集落の出口か入り口なのか?1本の古木にもこの勧請縄に吊り下げられている小縄と同じ物が巻きつけられていた。


撮影2007.2.27


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湖東の勧請縄-11

2007年02月17日 | 勧請縄:山の神:野神:人形道祖神

 


土器町も旧八日市市内、国道307号線沿いに在る集落で、日野町に接している。



集落の小高い山裾にある天満神社の参道に勧請縄が掛けられている。



樒の枝葉を束ねて輪にしてトリクグラズを作り、その輪に樒で十字に渡されている。




樒を括り、紙を編みこんだ縄を六本束ねて大縄に十二本飾り、トリクグラズには祈祷札はないが上部の大縄に御幣が三本立てられていて、勧請縄の典型的な形態をしている。


 



国道8号線沿いの野洲町には近江富士と呼ばれる三上山のあるところとして知られていて、付近には御上神社があり、これから紹介する三上神社と混同し勝ちで要注意。



辻町の三上神社は、やっぱり、国道8号線沿いに在るがまったく目立たず通り過ごし勝ちです。



境内の二本の杉の間に渡された勧請縄はトリクグラズを、杉で環状に作ったもので、結び目は十二ある。


また小勧請縄も十二本飾られていて、ほかの湖東地域のものと同じようにスタンダードなタイプです。


撮影2007.1.27


 


湖東の勧請縄-10

2007年02月15日 | 勧請縄:山の神:野神:人形道祖神

 


旧八日市市の、名神黒丸パーキング付近にある、芝原南町の勧請縄は集落の鎮守、玉緒神社鳥居横の道路をまたいで掛けられている。



鎮守の前をきれいな小川が流れていて、水の豊富なことを知らされているようです。




柴原南町のトリクグラズは藁を編みこんで輪にし、中央には絵馬形の祈祷札が合って祥光寺の字が見え、神仏混合の形が見られる。



トリクグラズの両側には榊と杉を結わえた小勧請縄が左右6対ずつ大縄に飾られていて、勧請縄が結わえられた杉の樹の根元には祈祷札がぐるりとたてられている。



勧請縄越しに見る集落のたたずまいは、静かで平和そのものに見えてくる。


 



近くの大森町の小川沿いに在る「ヨノミの樹(えのき)」に勧請縄が巻きつけられているのを見つけた。



寒風吹きさらしの、田圃の中の小さな小川の土手に大きな榎の巨木が孤立していて、太い幹に蛇が巻きつくように勧請縄が巻かれている、



中ほどには写真のようなトリクグラズが付けられていて、榎の根元には、祈祷札やちいさな幣を付けた小枝が何本もつきたてられていた。



この場所が集落の入り口に当たる場所なのだろうか??古びた石橋が渡されていたけど。


撮影2007.1.27


 


 


 


 


湖南の勧請縄ー1

2007年02月13日 | 勧請縄:山の神:野神:人形道祖神

 


旧東海道の51番目の宿として知られている湖南市石部の西部山懐に東寺、西寺と呼ばれている地域があって、


互いに国宝の本堂を持つ古刹があって歴史の古い地域です。


西寺には和銅年間(七〇八~七一五)創建と伝える天台宗常楽寺があり、通常西寺と呼ばれている。


東寺はその名の通り西寺の東に位置し、東寺には天台宗長寿寺があり阿星山と号し、これも常楽寺と同じで、西寺と東寺は対になっている。




東寺集落の入り口辺り、道路の両脇にコンクリート製の勧請ポールが建てられ、その間に勧請縄が渡されている。



ここでは、この勧請縄をジャと呼び、中央には「トオシ」と呼ぶ藤の蔓で作られた環を、その両脇に「ヨメワラ」と呼ぶ



藁の束、さらに脇には榊や樒の飾り物を吊り下げていて、独特なつくりになっている。



西寺の集落の入り口にも勧請縄が渡されていてる。



縄の中央にはやっぱり藤の蔓を丸めて作ったユニークなシンボルマークのような「鬼の顔」と呼ばれるものを吊り下げ、左右に六束ずつの樒を下げている。


いずれにしても、両地区は、常楽寺と長寿寺という古刹がこの勧請縄つり行事に密接にかかわっている。


撮影2007.1.21


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伊賀・柘植の勧請縄。

2007年02月11日 | 勧請縄:山の神:野神:人形道祖神

 


三重県の伊賀地方にも勧請縄の行事の残る地域が何箇所かある。


伊賀の柘植地域は滋賀県の甲賀と接していて、共に忍者の里として知れ渡っている。



甲賀の先は滋賀県琵琶湖の湖東地域で、距離的にはそんなに遠くない地域ですが、勧請縄は趣をまったく異にしていて面白い。


伊賀地方の勧請縄に吊り下げられるのは、すべて藁細工で、なべつかみや、環、ちりとりなどと面白い。


地域ごとに少しずつ、下げられるものには差があるようだが、どこにでも使われているのは鍋つかみ。


これは、福をつかむという語呂合わせになっているようです。



中柘植の在所を流れる倉部川の谷間に長い勧請縄が渡されていて、米俵や、なべつかみの藁細工が吊るされている。



岸は高い急斜面でこの勧請つりはかなり困難な作業だろうと思われました。




ここから東のほう、柘植町の岡鼻集落入り口に流れる勧請川にも勧請縄が渡されていて、ちょっと大雑把ながらも、


なべ掴みなどの藁細工が吊り下げられている。




伊賀地方では、勧請縄は川の谷間にかけられていて、川から災いが入り込み、川から福が逃げていくといわれ、それを防ぐための道切としての意味が大きいのかもしれない。


撮影2007.1.21


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湖東の勧請縄-9

2007年02月08日 | 勧請縄:山の神:野神:人形道祖神

 


旧八日市市の五智町の勧請縄は、3箇所の集落への出入り口に飾られる様ですが、僕が見つけたのは2箇所だけでした。



1ヶ所は興福禅寺の裏側の橋をわたった2本の樹の間に、もう1ケ所は県道326号線に面した辻にある小さな祠の後ろ。



2mぐらいの短い太縄に小勧請縄がびっしり詰められて吊り下げられている。



小勧請縄にはフクラソウと言う木の、葉つきの小枝を重いほどいっぱいに付けている。


フクラソウと言う木が良く判らないのだが??


 



寺町の集落では天神神社の神木に勧請縄が懸けられているのを見た。


稲の穂をかたどった大縄に樒をくくった十二本の小勧請縄で飾られてい手、ここでも神仏混合の名残をそのまま残している。



勧請縄には「村中安全」の祈祷札が中央につけられていて、こぢんまりとしてはいるが、中々手の込んでいる勧請縄です。


撮影2007.2.20


 


野洲市・行事神社の勧請縄

2007年02月06日 | 勧請縄:山の神:野神:人形道祖神

 


滋賀県湖東の野洲市の行畑は旧中仙道沿いに在って、行事神社が鎮座している。



神社境内には高いコンクリート製の勧請杭が建てられ、その間に勧請縄が渡されている。



ここの勧請縄の真ん中に付けられた「トリクグラズ」は独特で細長く割った竹を表裏12本を並べ、写真のような幾何学模様のような形を作って、その真ん中には「上」の文字を書いた木札が付けられている。



左右にはやっぱり紙幣の下に樫?の青葉の小枝を付けた六対ずつの、小勧請縄が吊り下げられている。



実に神々しく見える勧請縄です。


撮影2007.2.20


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湖東の勧請縄-8

2007年02月03日 | 勧請縄:山の神:野神:人形道祖神

 


旧八日市市の妙法寺集落の勧請縄は集落の出入り口に立てられたポールに道路をまたいで渡される。


しかし僕が見たのは入り口なのか出口なのかよくわからないけど・・・・。



縄の中央につけられたリング状の檜の枝でつくられたトリクグラズには、「町内安全 風雨順時 五穀成熟 萬民豊楽」と書かれている祈祷札が下げられている。



左右に下げられた小勘定縄には樒を縄に結わえてつけられていて、神仏混合の姿がここにも見受けられる。



近くの中小路(なこうじ)町でも勧請縄がつけられている。



集落の入り口に当たる民家の横に祠があって、その横にある電柱とカーブミラーのポールを利用して勧請縄がつけられていた。


長さは約2mと短く道路をまたぐ大仕掛けなものではありません。




中央には杉の小枝で作った「トリクグラズ」を付け、大縄の上には「奉読誦仁王経村中安全五穀成就風雨須持万民快楽祈祓」と中央に書かれた祈祷札が突き立てられ、その左右には人形と呼ぶ小勧請縄が吊り下げられている。


人形は先端に杉を結んだ短い縄と長い縄を六本ずつ一つに括って作って,手と足を意味するのだと言われています。



集落の真ん中辺りには賽神神社の小さな境内と社があって、不似合いなほどの椋の巨木がそびえている。



その椋の巨木にも少しミニチュア版の縄がかけられている。



もう1箇所、雲山寺横、道路わきのフェンスにも、同じ勧請縄がつけられている。


多分こちらが出口だと思うのですが??。


撮影2007.1.20


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湖東勧請縄-7

2007年02月01日 | 勧請縄:山の神:野神:人形道祖神

 


滋賀県湖東の安土町は織田信長の安土城で全国に知れ渡った処です。



その安土町の旧八日市市と接する辺りに老蘇と呼ばれる地域があって老蘇の森に奥石(おいそ)神社が鎮座している。


伝説によれば、昔この一帯は地裂け水湧いて とても人の住める土地ではなかったが、今から約2300年前 孝霊天皇の御世に石辺大連(いしべのおおむらじ)という人が神の助けを得て松、杉、檜などの苗木を植え 祈願したところ、たちまち生い茂り大森林になったと伝えられている。



 
 そして、この石辺大連は齢百数十を数えても、なお矍鑠として壮年を凌ぐほどであったので、人呼んで「老蘇」(老が蘇る)と言い、この森を「老蘇の森」と呼ぶようになっという。


 


ここでは神主さんにお会いできて、勧請縄の覚え書きなども見せていただきました。


ここの勧請縄は、マジャラと呼ばれていてマジャラ講という講員によって受け継がれています。



ここの勧請縄は、神社参道両脇の勧請木の間に渡されていて、厳かな上に張り詰めた空気が付近に漂っている。



縄の真ん中には常緑樹の小枝で輪をつくり、その中に串につけた幣を突き立てていて、その両側には6本づつの小縄を吊り下げている。



参道から表の道路に出て少し左手に歩くとこの神社の駐車場入り口、この集落の入り口だと思しき古木の枝にマジャラと呼ばれる勧請縄が吊り下げられている。



詳細は、神社で見せてもらった覚え書きがあるのでここにUPしておきます。


まるで、高い樹のうえで大きな目が闖入者に、睨みを効かしているように見えました。



この東老蘇の西側は西老蘇と呼ばれる集落で、この集落にも同じように勧請縄がある。




この集落の鎌若宮神社の参道にも同じような勧請縄が渡されていて、良く似た形状ですが、ここの、トリクグラズの輪にはまた小縄がつり下げられています。



また、この集落でも神社を出て右手に少し行ったところ、これもこの集落の入り口と思しきところ、小さな祠の横にあるポールにはやっぱり、東と同じようなマジャラが、やっぱり睨みを効かしている。、



道路対面には十二光仏をあらわしていると思われる、椿の枝で作った呪物が突き立てられていた。


撮影2006.1.20


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