奈良春日奥山の原生林を抜け柳生に至る旧柳生街道沿いに有る勧請縄。
集落の名は「下誓多林」・・・、ほとんど地元の人か酔狂なハイカーが歩くぐらいの辺鄙な山里ですが・・・、それがなんとも心地よいところです。
行きかたは色々有りますが、大柳生から田原方面に抜ける県道47号線で大平尾(おびらお)町、その先大平尾の外れから谷底めがけ斜面を降りるような在所道を下りきれば正面にこじんまり軒を連ねるのが下誓多林の集落。
上流、上誓多林の春日原生林より流れ出した白砂川沿いの旧柳生街道はこの集落内を抜け、川沿いに大柳生、柳生へと至る剣豪の道。
村外れ、白砂川が少し蛇行する川瀬の林内を行く道路を跨いでこの勧請縄が掛けられている。
細い縄の両端を自然木に結わえ約5m、小勧請は五ヶ所に分けて五本づつ、各々の小勧請には青葉の小枝が取りつけられている。
この様式は、これから下、白砂川沿いに有る大柳生内に有る二ヵ所の勧請縄とは少し違い、多武峰(とうのみね)方面で見かけるものに良く似通っている。
しかしこの旧街道沿いには僕の好きなものがよく残っていて、なんとも気分がほころびます。
撮影2012.2.12