慶州市街より西方郊外へ車で約30分、霊山南山に対峙するように狭い盆地を挟んで峰を並べる断石山、その西山麓頂上近く、秘境とも思えるところに断石山神仙寺という古刹があり、その脇に聳え立つコの字状に屹立する岩塊を石窟にみなし内壁三面に石仏、石像を彫り刻んでいる。
断石山西側麓を走る幹線道路より神仙寺へと続く小さな集落を越え、奥まったオドッ禅院まで進み、その先もタクシーの進めるところまで進んでもらうが余りの急坂に運転手のアジョシもギブアップ、「此処から先は歩いてくれ」帰るまで待ってるからと降される。
降ろされた場所から断石山神仙寺までは約1kmのきつい登り、しかしこの山道は車も通る幅があり舗装されていた、僕の車なら登って居ただろうが・・・
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<ポクポク音の聴こえる辺りまで歩くとこんな山道、工事車両はキャタピラ付きの運搬車でした>
4日続きの山登り、此処まで来たら諦める訳にも行かず登り初めて約30分強、遠くからあの韓国独特の木魚の音・・・・・「OOO観音菩薩・・」というリズミカルな祈りの声も聞こえて来る。
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確かに秘境、一体誰が訪ねて来るのやらと思うが此処韓国ではハイキング登山が盛ん、何人かのそうした人達には出遭った。
それ以外に見かけたのは工事中の人達ばかり・・・・、此処もまた寺院の整備工事に余念がなさそう。
登るのもきついような斜面に数棟の堂が建ち、今まさに新しい堂も建設中、歩くのにも苦労するほど急斜面です。
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いつ崩れ落ちるや解らないような大石がごろごろする境内は人が通るだけの幅しか取れ無い。
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大雄殿の中はこんな塩梅、韓国の寺は大体こんな感じです。
問題の石窟は大雄殿の建つ斜面渓谷を挟んで右側山肌に巨岩が折り重なり、真新しい透明ドーム状の覆屋で覆われた下に有る。
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此処まで来て一瞬たじろぐような様相・・・、屈内には何段もの足場が組まれ、ただでさえ狭い内部は殆ど見通しが効きません。
おそるおそる進入して撮影するもののメインカメラの超ワイドは使えず、殆ど苦労して此処まできたのが報われないような結果となってしまいました。
コの字型、三面二切り立つ岩壁は三面共に10m強もあろうか?間口は約2mほど奥行き10m強と行ったところでしょうか??
いずれまた出直す事になるでしょうが?やっぱり足場が邪魔で殆ど肉眼でも見えません。
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入り口正面から左手岩壁に刻まれている七体の菩薩像のうち上部に刻まれた四体。
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下部に一体の菩薩像と・・
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脇の岩壁に刻まれた二体の人物像・・・・・。
頭に古新羅の冠帽を被りチョゴリを着、香炉と柳の枝をそれぞれに持っていて供養者像だとされています。
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同じく北岩と呼ばれる並びの大岩には像高8.2mにも及ぶ如来立像、惜しいかなこの写真では顔容も定かではないが、それほど具象化された像には見えないが、いわゆるこの石仏が主尊の弥勒だと言うことです。
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奥壁、入り口に対峙するように切り立つ岩には殆ど見えなかった像高6mの菩薩立像、蓮弁と足元がかろうじて見えた程度です。
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<コの字石窟は左奥壁面に隙間があります>
どうにも撮影できなかった右手壁面にもやや小さめの菩薩立像と四百字に及ぶ尊像造立文が刻まれているようです。
なんとも情けない紹介ですが、この上、断石山頂上付近にもまだ余り知られていない磨崖石仏が有る様なので、それと一緒に再度此処を訪れることを誓って急坂を下った。
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七世紀前半、古新羅を知る上には貴重な石窟だとされ、韓国国宝第199号指定。
撮影2011.9.3
場所