「春日のおばはん」の愛称で呼ばれる地蔵さんです。
前回紹介の磨崖地蔵の横を抜け、尾根道伝いにほんの50m程進めば、左手下方斜面に佇む石仏さんの後ろ姿が見える。
「春日のおばはん」と関西弁で馴れ馴れしく呼ばれるのは「おばはん」よろしく、前腹をぷっくり膨らませ中年女性のように見えるということらしい。
「春日のおばはん」の春日は、ここから奈良坂を越えすぐ近く、春日大社の事で、ちょうどこの地が鬼門に当たり、鬼門よけの地蔵さんだとか・・・・。
往時この鹿背山には「鹿山寺」と云う興福寺や春日大社と関係深い古刹があったと云われています。
像高約150cm程だったろうか?頂点に丸みを持つ舟形光背を背負い、大きな錫杖、ぷっくりお腹に宝珠を抱え、中肉彫りの地蔵菩薩を刻みだしている。
正面から見れば、確かに「おばはん」のようにも・・・・
しかし、少し横から見れば「おっさん」のような・・・・
紀年銘などは刻まれて無さそうですが、室町期の造立だと云われています。
撮影2012.1.15