愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

奈良市邑地(おおじ)町の多尊石仏

2008年12月17日 | 石仏:奈良

ここが奈良市かと疑いたくなるような山の中です。

多分奈良市の市役所からだと、車で約30分以上も走らなくては着かない小さな川沿いの町、いや集落??です。

近くには柳生や月ヶ瀬という小さな観光地も有るにはあるけど、これといった特徴の無いこの辺りでは何処にでも有る里山です。

柳生から、山添村に向かう県道4号線で10分も走ると邑地の集落辺りを走る事に成る。

道路の右側を流れる布目川を越えて対岸の集落入り口辻辺りの岩にこの石仏が彫られているのが見える。

岩は四個ほどに分かれていて真ん中の一番大きな岩の正面と左脇面に像高30cmばかしの地蔵石仏が三段の四角い彫り窪みの中に二十数体刻まれている。

右脇頂部には大日如来をあらわす梵字仏が刻まれているのが見える。

四個の岩共に殆ど同じような地蔵が刻まれていて、これはこの辺りから、月ヶ瀬、布目川沿いの大和高原に多く見られる石仏で、野の仏としてほほえましい存在です。

日日の花も絶やさず回りは綺麗に整えられていて今でも信仰の篤さが伺われます。

撮影2007.2.12

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伊賀市森寺(もんでら) 長隆寺の阿弥陀石仏

2008年12月14日 | 石仏:三重

伊賀市はその中心部に有る旧上野市とその周辺部のいくつかの町や村と合併して出来た新しい市です。

その伊賀盆地の中央部を走る伊賀鉄道伊那子(いなこ)駅より南西方角に約1kmほど行くと田園地帯の奥まったところに森寺(門寺)の集落がある。

集落の入り口と思しき辻の正面奥、高台に長隆寺と言う小さな古刹が在って藤原様式の古仏を伝えている。

境内横に無縁仏が横長に何段にも積まれ、その中心最上部にこの阿弥陀石仏が置かれている。

おにぎり型の花崗岩自然石の表面に舟形後背を彫りくぼめ像高約60cmの連座上に定印の阿弥陀坐像を厚肉彫りであらわしている。

どこかはるか遠くを見据えてるような顔立ちは表情ゆたかで、南北朝時代の造立だと言われています。

撮影2007.2.11

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