ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

バッハの流れる朝

2015年08月14日 | レッスンメモ
お盆に入ったと思ったら、急に秋めいた香り。昨日は風が乾いていてほんの少し夏の終わりの気配を感じました。まだまだ日中は暑いのですが、こうして確実に季節は巡っているんだなあということを感じます。

そんな朝、窓を開けて朝の冷たい空気を家の中に入れて、バッハのCDを流す。これは、心地良い朝です。自分で弾くバッハとはまた違って、純粋にBGMとして聴くことを楽しみます。子どもの頃、私はバッハの譜読みがとても面倒臭くて、それが苦になっていました。それでもなんとか譜読みをクリアすると、今度はそれを何回弾いてもちっとも飽きない。大好きになります。シンフォニアを初めて弾き始めた頃、一つ仕上げて先生に合格の丸をもらうと、それが嬉しくて曲も大好きになって、何度でもそれを弾いていたいのですけど、すぐに次の曲の譜読みとなって、嬉しい反面またあの苦痛に取り組まなければいけないのかと複雑な心境になったものです。

子どもの頃の私は、例えばショパンやベートヴェンの曲などでは、どんなに時間がかかっても、譜読み自体はそんなに苦にはなりませんでした。曲が出来上がっていくのを自分自身ワクワクしながら譜読みに取り組んだものです。だけど、そうやってその曲をパラパラ弾けるようになると、逆に今度は少しずつ飽きて来てしまう、という傾向があったような気がします。

でもバッハは違うんです。譜読みはほんとに苦痛! だけど、弾けば弾くほど、もっともっと弾きたくなって、飽きるということがありません。私にとってバッハの曲というのはありとあらゆる可能性と表情を秘めた曲ばかりで、「どんな風に弾こうか」という問いに無限の答えが引き出せるような、そんな気がしています。

バッハのピアノの音、シンプルでクリアに、コロコロと粒立ちの良い音で弾きたいです。しかも今朝のそよ風のように優しく頬を撫でてくれるような・・・。たくさんのペダルを使わず、一つ一つの音を大事にして、大音量ではなく、上品に弾きたいですね。

秋はすぐそこまで。皆さまも夏の疲れが出ませんように。

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