ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

体験的暗譜対策

2015年08月20日 | レッスンメモ
暗譜・・・。この暗譜の問題は、ピアニストにとって避けては通れない奥の深い問題です。私は子どもの頃から暗譜は結構得意な方だと勘違いしていて、それほど苦労しないまま大人になって、そしてあるとき、本番で大変痛い目にあって、そのときの失敗がトラウマになって、それ以来ずっと、暗譜と苦しい闘いを続ける日々をおくっています。そして長年の苦労の中で、自分なりに、特に注意しなければと感じたことを記したいと思います。まだ他にもたくさん注意すべき点はあると思いますが、とにかく私自身が暗譜する時にいつも気をつけていること、ご参考までに、記してみます。

1)暗譜できたと勘違いしない
あんまりちゃんと弾けないうちから、音だけはさっさと覚えてしまう生徒さん、たくさんいますよね。ピアノを習ってない人でも、全然知らない歌がどこかから流れてきて、それを耳コピで歌えたりします。それと同じ。でもピアノの場合、音数も多くて中身も複雑なので、そう簡単に耳コピできるものではありません。あちこち、とりこぼしがあって完全なものにはなっていません。でも何となく最後まで通せてしまうので、本人は暗譜したと思い込んでしまう。これが危険なんです。どこからどこまでスラーだとか、一つ一つの楽語を全部覚えているわけでもなく、指使いも適当だったりします。まず第一は、こんな状況の時にすでに楽譜を放してしまう(暗譜できたと勘違いしてしまう)のがとても危険なことだと知ること。

2)暗譜できたからといって、楽譜を放さない
「もう暗譜できた」と早とちりすることがまず最初の危険ポイントです。ここを慎重に進めて、楽譜の中のすべての情報をインプットしたところで第一段階のクリア。次の段階へ進みます。せっかくちゃんと暗譜できたと思ったのに、あな悲し、人間の脳は絶えず変化しているので、先週覚えていても、今日は少しほころびが見えてくる。要するに忘れてしまう。だから一旦ちゃんと覚えてしまった後でも、必ず毎日楽譜には目を通し、楽譜自体を頭の中に何度も映し出させる、複写させることが必要です。それは、必ずしもピアノを弾きながらではなくてもよいのです。机の上に楽譜を拡げて、指も動かさず、単純に楽譜を頭の中に絵として写し取るという作業。

3)暗譜は頭
暗譜で弾く練習を重ねていると、指を動かしながら(弾きながら)楽譜を覚えているせいか、指を動かさないで脳内楽譜をめくっていると、分からなくなることがあります。これはたぶん、運動機能と記憶がセットになって覚えているんですね。「指が覚えている」という表現もあるほどですから、悪いことではないようにも思えます。しかし、それは、一つどこかをミスすると、ガラガラと崩れていって、何が何だか分からなくなるというリスクがあります。指がミスったら、それを修正できるのは「頭」だけですからね。それから、ピアノのキーと触れながらではないと機能が働かなくなることがあります。特に運指の問題。たいてい、速くて複雑な重音がたくさん連なっているところの運指は、あやふやです。それは、私はエアピアノ(空中でそのパっセージだけ弾く)をやってみます。問題点が一目瞭然になります。

4)曲全体の構造に目配りする
それからどうしても弾いているうちに主旋律を自分の中でうたってしまうので伴奏部などがあやふやになることがあります。特に左手が要注意。だから片手練習はどんなに弾けるようになっても欠かせません。もちろん長い曲は構成がきちんと分かってないといけません。あれれ、前に戻っちゃった、エンドレスになって終われないよ~(笑)。曲の分析をし和声進行などをしっかりとらえ、そして感じていた方が忘れにくいものです。

まだまだ注意点ありますが、これが主な注意点でしょうか。とにかく楽譜をきっちり読み込むことは、とても重要なことですね。

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