ドストエフスキーが書いたたくさんの小説の中で、五大長編小説と呼ばれている作品がある。『罪と罰』『白痴』『悪霊』『未成年』『カラマーゾフの兄弟』がそうだが、『カラマーゾフの兄弟』については今年最も売り上げを伸ばした新訳の古典としても有名だ。
しかし、『カラマーゾフの兄弟』の影に隠れる形?かもしれないが、今年6月に復刊を果たした作品に『未成年』(新潮文庫)があったことを喜ばずにはいられない。
この作品、五大長編のなかで私が最も好きな作品で、6、7年前にどうにかして古本で手に入れようと、それこそ駆けずり回ったものだった。
今日、帰りがけに図書館によると、なんと上下巻で所蔵されているではないか! 再読するか分からないけど、思わず借りた。主人公のアルカージイやヴェルシーロフ、マカール老人…ひさしぶりの再会を果たしたような気分だ。
この小説は、『カラマーゾフの兄弟』の5年前に発表された作品だが、『カラマーゾフの兄弟』で狂言回しを演じているアリョーシャや、ゾシマ長老の原型ともいえるような登場人物がいるし、またドストエフスキー自身の思想の変遷を読み解く上で欠かせない珠玉の言葉もたくさんある。またいつか読もうと思う。
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