名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

冤罪で17年も監獄に!!

2009-06-05 06:36:14 | Weblog
2009.6.5
 17年前の1990年、栃木県足利市で当時4歳の女の子が殺害された「足利事件」というのがあったということは、関係のない一般市民にはほとんど記憶のないことだろう。当時はそれなりに大きく報道されて、逮捕された犯人を残虐な人間として眺めていたに違いない。
 しかし被告となっった菅谷利和さんは、裁判では一貫して無罪を主張して最高裁まで争ったが、結果は無期懲役が確定、以後17年余にわたって服役させられていた。その犯罪の決定的根拠とされたのが旧式のDNA鑑定だったという。菅谷さんが真犯人でもないのに、取調べの過程で自分がやったと言ってしまったのはこの鑑定結果を見せ付けられたからだと語っている。
 
 そのDNA鑑定のやり直しが決まっての再鑑定の結果は、女児の下着に付着した体液のDNA型が一致しないというものであった。
 これを受けて東京高検は「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」とする意見書を東京高裁に提出し、菅谷さんの刑の執行を停止するという決定をした。検察は自らお前は犯人だとして裁判にかけ、無期懲役の刑に服させて、17年半もの長きにわたって監獄にほうりこんだ末、再審もしないうちに前例のない釈放に踏み切った。これはこれでたいした決断ではある。従前なら自分たちのミスを隠すためにさらなるミスを重ねるというのが捜査側の常であった。その意味では、今回の検察の決定は英断であり、こうした結論を出すにはそれなりの勇気がいったに違いないという点で敬服に値する。
 だが犯人にされ17年半にもわたって監獄に入れられていた菅谷さんの気持ちが治まるものでないことも明らかである。一般国民にとってもこうした冤罪を生み出してきた警察・検察権力を簡単には許せない。
 菅谷さんは「当時の刑事や検察官は、私や家族に絶対に謝ってほしい。自分の人生を返してほしい」と強く訴えている。
 菅谷さんは「無理やり責められ、白状しろ、白状しろ、早くしゃべって楽になれと言われ、どうしようもなくなって自白してしまった」といい、同じような苦しみの中にいる人たちのため、支援をしていきたいともいう。
 それにしても20年前のDNA鑑定が冤罪をつくり、最新のDNA鑑定が冤罪を晴らすという科学捜査に頼りすぎることの危うさを浮き彫りにした出来事である。

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