2009.4.4
高速道路料金が去る3月28日(土)から、一部大都市圏域を除いてどれだけ走っても1回千円でよいことになった。
麻生内閣の第二次補正予算での定額給付金と並ぶ目玉である。この割引によって政府が道路各社に払う額として5千億円が予算計上された。2年間の時限措置であるが、景気浮揚策として5千億円もの公金を使った割の効果があるかどうかは疑わしい。
この料金値下げの初日となった3月28日、29日の高速道路の混雑はそれほどでもなかったようであるが、今後ゴールデンウイークや夏休みに入ると長距離の移動がそれなりに増加することは予想される。観光地や観光業者はあの手この手の集客対策に余念が無いことが報道されている。
ところでこの高速道路料金の値下げの適用を受けるのは、自動料金収受システム、いわゆるETC搭載車に限られということはみんなよく承知している。そしてこのことに文句を言う人はほとんどいない。通常料金なら1万円、2万円かかるのにETC搭載車なら僅か千円で済むのに、これをつけていないとこの恩恵が受けられないという不公平は、ETCをつけなければならないという義務感で解消されてしまっている。
そこで政府は、ETC車載器購入補助制度を設け、先月3月12日から財団法人高速道路交流推進財団(この財団は一体何ものか)を実施主体にさせて実施してきた。助成など無くてもつけなければと思っていたところに四輪車の場合、5,250円を補助してくれるというのだから、当然のことながら反響は大きく、予算枠100万台に対して4月1日時点で82万台に達したという。
この事態に、政府はさらなる需要増を見込んで同財団が20万台、高速道路会社各社が20万台、合計40万台を追加助成することとした。
もともと国土交通省も高速道路各社もETCの100%設置を急いでいた。これまでに行われてきた通勤割引も夜間割引も高速道路利用者へのサービスというより、ETC設置促進にあったことは明らかである。今回の助成策はまさに景気対策に名を借りたETC設置推進である。2年間は千円でどこまでも行けるとあれば、この間に設置率はほぼ100%に達するのではないか。まあ、これはこれで良いとは思うが、2年後に果たしてすんなりと元に戻れるのであろうか。
このように、ETCの設置が進み高速道路も安く走れるとあって、車の売行きを回復させ、地域の観光地も潤うという施策が果たしてばら色なのであろうか。
資源問題、環境問題などこれまで口がすっぱくなるほど言っておきながら、景気施策となるとそれらとは矛盾するような施策を打ち出し、さらにその財源も禁じ手の赤字国債すら口に出すという有り様は、何かバランスを欠いているような気がしてならない。
定額給付金といい、高速道路料金といい実施に踏み切ってしまった以上、景気浮揚に効果があったといえるようになることを期待するばかりである。
高速道路料金が去る3月28日(土)から、一部大都市圏域を除いてどれだけ走っても1回千円でよいことになった。
麻生内閣の第二次補正予算での定額給付金と並ぶ目玉である。この割引によって政府が道路各社に払う額として5千億円が予算計上された。2年間の時限措置であるが、景気浮揚策として5千億円もの公金を使った割の効果があるかどうかは疑わしい。
この料金値下げの初日となった3月28日、29日の高速道路の混雑はそれほどでもなかったようであるが、今後ゴールデンウイークや夏休みに入ると長距離の移動がそれなりに増加することは予想される。観光地や観光業者はあの手この手の集客対策に余念が無いことが報道されている。
ところでこの高速道路料金の値下げの適用を受けるのは、自動料金収受システム、いわゆるETC搭載車に限られということはみんなよく承知している。そしてこのことに文句を言う人はほとんどいない。通常料金なら1万円、2万円かかるのにETC搭載車なら僅か千円で済むのに、これをつけていないとこの恩恵が受けられないという不公平は、ETCをつけなければならないという義務感で解消されてしまっている。
そこで政府は、ETC車載器購入補助制度を設け、先月3月12日から財団法人高速道路交流推進財団(この財団は一体何ものか)を実施主体にさせて実施してきた。助成など無くてもつけなければと思っていたところに四輪車の場合、5,250円を補助してくれるというのだから、当然のことながら反響は大きく、予算枠100万台に対して4月1日時点で82万台に達したという。
この事態に、政府はさらなる需要増を見込んで同財団が20万台、高速道路会社各社が20万台、合計40万台を追加助成することとした。
もともと国土交通省も高速道路各社もETCの100%設置を急いでいた。これまでに行われてきた通勤割引も夜間割引も高速道路利用者へのサービスというより、ETC設置促進にあったことは明らかである。今回の助成策はまさに景気対策に名を借りたETC設置推進である。2年間は千円でどこまでも行けるとあれば、この間に設置率はほぼ100%に達するのではないか。まあ、これはこれで良いとは思うが、2年後に果たしてすんなりと元に戻れるのであろうか。
このように、ETCの設置が進み高速道路も安く走れるとあって、車の売行きを回復させ、地域の観光地も潤うという施策が果たしてばら色なのであろうか。
資源問題、環境問題などこれまで口がすっぱくなるほど言っておきながら、景気施策となるとそれらとは矛盾するような施策を打ち出し、さらにその財源も禁じ手の赤字国債すら口に出すという有り様は、何かバランスを欠いているような気がしてならない。
定額給付金といい、高速道路料金といい実施に踏み切ってしまった以上、景気浮揚に効果があったといえるようになることを期待するばかりである。
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