田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

勝平のいる場所 イジメ教師は悪魔の顔/麻屋与志夫

2011-10-06 14:11:01 | Weblog
4

東北自動車道を神沼インターで下りた。
太陽は高く昇っている。
曙光をあびて早稲田インターから高速にのった。
とばしにとばしてついた神沼のインターだ。
ここからではまだ30分はかかる。

4駆を走らせてかけつけた家。
留守番をたのんでおいた父の姿は消えていた。
キッチンに飲みかけの徳利かおかれていた。
飯碗にはまだ食べきっていないご飯がのこっていた。
食事を中断して外出したようだ。
父のじまんのハーレーダビットソン1200ccがない。
ガレージの中はがらんとしていた。

ミュウとムックは元気だった。
同じような、おおきなあくびをしている。
翔太と誠にからだをすりよせてきた。

「ミュウ。オヤジはどこだ。猫には7つの命があるんだろう。超能力だってあるよな。教えてくれよ」
「バイクは学校においてある。ぼくには見える」

翔太がいう。
緊張している。

「なにか急におもいたって、でかけたのだ」 

翔太がミュウとムックの餌をもってもどってきた。
ゆっくり餌をやってはいられない。
誠は2日も家を留守にしていた。
2匹の猫はいいあわせたように体をすりよせている。
あまりよろこぶのは猫として照れくさい。
というように……。
体をすりよせながら……
おおきなあくびをまたしている。
翔太にミュウがまとわりつく。
離れない。
頭を翔太の足にこすりつけペロペロなめだした。
ニャアニャア鳴いた。
翔太がひょいとミュウをだきあげた。
4駆の助手席にムックはすでにのりこんでいる。

「もう猫だけで留守番をするはゴメンだ。どんなことがあってもついていくから」
とムックがいっているようだ。

 ミュウとムックは「犬猫だ」と誠と翔太が驚嘆する。
……犬のような行動を、もともと二匹の猫たちはしていた。 
 
呼ぶと真っ直ぐにとんでくる。
犬みたいだ。
なでてやると、背筋をぴんとのばして、後ろ足をつっぱって応える。
さあ散歩にいこうか、というとうれしそうについてくる。
散歩の好きな猫。
犬みだいだ。
人のことばを理解できるところがすごい。
人の心の動きを敏感にとらえる。
犬のような猫だ。
いや、犬よりも上かもしれない。
ミュウが猫のミュウタントであることをねがた。
進化してくれることを期待していた。
両脇にミュウとムックを従えた翔太。
誠は翔太の肩をたたいた。

「出発するぞ」
親子代々、イジメにあった。
近づきたくない場所だ。
その嫌悪感が激し過ぎる。
その場所のことをおもっただけで、不愉快になる。
PTSD。心的外傷後ストレス障害を呼び起こす場所。 
もちろん、自己診断だ。
だが、父をたすけるためだ。

あまり行きたくない北小学校に向かった。
誠は4駆をスタートさせる。
もちろん、翔太が勝平ジイチャンのいるところを。
誠に告げた。
翔太には勝平のいる場所が見えている‼

見えているのだ。



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あさから愛機ハルに向かう/麻屋与志夫

2011-10-06 04:19:54 | Weblog
10月6日 木曜日
ブログです。
 
●朝起きると雨。
秋雨にはさびしさがともなう。
カミサンが気をきかして蓋をしておいた風呂。
まださめていなかった。
それでも、ぬるい。
ゆっくりと浴槽にひたりながら「クノイチ」の構想をねる。
至福のときをすごす。

●誇張。
大風呂敷をひろげる。
とむかしはいった。
わたしの小説はマジメスギル。
もっと、大袈裟に書いたり、大きな問題をテーマとしたい。
そんなこと、書けるのかな。
そんなこと、書いたことないものな。
などとかんがえながら、浴室のそとの雨音にみみをかたむけていた。
さびしい雨音をききながら……。
まだかなえられていない夢にむかって精進しよう。
がんばろうとおもった。

●こちらは、老いた駄馬。
いくら鞭をいれてもはしりだせない。
毎日、こつこつ努力するしかない。

●若い人のブログ小説をときおり読ませてもらっている。
少しの間読まずにいると、あれ、このひとこんなにうまかったのか、とおどろかされる。
いつのまにか進化している。
おお化けに化けている。
努力のタマモノというより、天性の才能にめざめたかんじがする。
ウラヤマシイナ。
まぶしい。
文章もきらきらひかっている。
おもしろくて、一気に読み切る。

●ひとのことをうらやんでも、仕方ない。
風呂からでて、水を一杯飲んで、パソコンをひらいた。

●Good morning HAL。



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