田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

師と老いて個展にいそぐ枯葉路  麻屋与志夫

2022-08-30 16:25:54 | 俳句
8月30日

炎天やいくところなし藤のつる

藤の蔓四方にのびて模索する

藤の蔓模索のはてにからみあい

からみあう枝葉を越えて山の藤

藤弦に針金を見るからみあい

拙句浮きては沈む月の海

拙句浮きうれしや追う白日夢

拙句ころびころびて落ち葉たき

わが俳句ころびまろびて落ち葉たき

枯れ落ち葉はらりととまるわが句帳

わが句帳はらりと紅葉はのりて落ち

紅葉が一片花となるわが句帳

枯れ葉はらりと落ちてわが句帳

わが句帳落ち葉花となり閉じられず

枯れ葉なお花を恋して落ちきれず

空に舞う枯れ葉はいまだ花を恋し

師と老いて個展にいそぐ枯葉路
老いてなお個展に急ぐ紅葉道

美術の秋。恩師から個展の案内をもらった。
たまたま、公園を横切った。
恩師の矍鑠とした姿、わたしのほうが年寄りに想えた。


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眠られぬ夜に  麻屋与志夫

2022-08-26 06:28:55 | 超短編小説
久しぶりで超短編です。
妻の絶叫で夜半起きてしまいました。
眠られぬまま、しかたなく超短編をを書きました。

絶叫
将平の妻が深夜絶叫した。
「夢だ。夢だよ」
「ちくわに食べられた夢をみたわ」
夕食のおかずはちくわだった。さらっと油でいため青さ粉をふりかけたので磯のにおいがしておいしかつた。
将平はちくわにじぶんの背骨をイメージした。穴があき、くず折れそうだ。
「バックボーンのしっかりした少年だ」
恩師にほめられたことがあった。
いまはもはやガクガク、曲がりだした。そのうち九十度くらいに曲がって、地面を舐めるような歩行姿勢になるだろう。
それにしてもちくわの夢なんてwet dreamじゃないのかな。
女性の場合はなんていうのだろうな?
将平より二回りも若い妻はすやすやと寝息をたてている。

少年や
「少年や六十年後の春のごとし」耕衣
六十年さらに角兵衛春の風、将平は嘯いていた。還暦の六十なんて、まだまだ若い。そして、若い妻と結婚した。
いまが青春。がんばるぞ。
カクベイとは将平が社長をいまだに勤めている株屋では、相場が倍になるという隠語だ。
長生きするのも楽じゃないな。はたして、幾つまで生きられるのだろう。

公園のベンチにて
公園のベンチに座っていると最近よく老婆に声をかけられる。
「お幾つですか?」
「三十歳です」
驚いている老婆に、「還暦が過ぎてから」とつけくわえた。耄碌爺とは思われたくない。
「あら、わたしではダメね。十二歳ですもの」
エスプリの効いたこたえがもどってきた。さすが生き馬の目をぬくといわれる兜町だ。
この辺りは、男女を問わず株屋がおおい。
生き馬の目をぬいて、またこっそり戻しておくくらいの芸をもった連中がわんさかいる。
老婆も、株式仲買人だったのかもしれない。


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今夜は静かにオヤジと晩酌でもしょうかな。麻屋与志夫

2022-08-13 10:34:24 | ブログ
8月13日 土曜日
●「盂蘭盆会」(うらぼんえ)。
妻が仏壇を整えている。庭に咲いている花をとってきて飾る。

●わたしはむかしからお盆だからといって、特別な日をすごすわけではない。こどもたちがいたときはお坊さんにきてもらいお経をあげてもらっていた。

●いまは老妻と静かに、亡き両親や二人の姉たちの話をして過ごす。もっとも、父や母はいつもわたしの側にいるという感覚なので、毎日がお盆さんの日々だ。

●今日の午後から豪雨になるだろうとテレビで報じている。
この地方はあまり自然の災害のない穏やかなところだ。

●今市地震(いまいちじしん)は、1949年(昭和24年)12月26日に発生した栃木県今市市(現在の日光市)鶏鳴山付近を震源とする内陸地殻内地震。8時17分 M6.2。でも、わたしの街ではたいした被害はなかった。ちょうど、登校時間だった。学校に着いてみると壁がおちている箇所があった。その程度だった。

●雷。有名な雷多発地帯だ。でも付近に落雷の被害はきいたことがない。

●火事。わが家の裏の長屋が六軒ほど全焼したことがあった。あのときは、怖かった。

●オヤジ。これは怖かった。近所は建具職人、建築作業員の住む地域だった。晩酌をして、毎晩わめきちらしていた。もちろん、DVも多々目撃している。「マリリンモンローを女にしたのはおれだぞ」とわめきながら夜半に帰宅する酒豪もいた。あの勇ましい、男たちはいまどこに生息しているのだろうか。
●いろいろなことを、思いだす盆になりそうだ。

●いずれにしても、災害の少ない、住みやすい街だ。

●オヤジと晩酌しょうかな。


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九十歳のじじい。立ちションのできた昭和がなつかしい。 麻屋与志夫

2022-08-12 11:15:32 | ブログ
8月12日 金曜日
●風変わりで危険の多い人生を送っているぼくは、前立腺が肥大するほどの年齢まで生きられるとは思えないが、万が一奇跡的に九十歳までくたばらなかったら、たぶん、無一文と思われていたくせに、 “ホームレスのプードルの世話に使うこと” と指示をつけて、古いコーヒー缶のなかに貯めていた百万ドルの現金を遺すような偏屈じいさんのひとりになるだろう。

●ぼくの私淑しているディーン・クーンツの傑作『オッド・トーマスの受難』の一節だ。

●身につまされる。

●前立腺肥大。あまり外出したくない。公衆トイレのない街だ。いまではスーパーなどのトイレを利用させてもらえばいのだが。そこまでたどりつくまで我慢できない。我慢できるようだったら苦労はない。あるとき、物陰で萎びたチンボコをひっぱりだして立ちションと洒落こんだ。潔癖症の妻に見とがめられて、軽蔑の眼差しでみつめられた。

●ああ、昭和が懐かしい。野良犬と競い合って丸太製の電柱に正々堂々と立ちションのできた時代だ。そういえば、『世界最速のインディアン』で、庭木に主人公が立ちションする場面があった。男だなぁ。

●トイレといえば、外出さきで奇妙なことに気づいた。便座のあるほうから、多くの若者がでてくる。いまは男性でも便座にすわって尿をするのだという。特に家庭で尿が床に飛び散らないように――。

●なるほどなぁ。昭和一桁生まれの爺には理解できない。

●なんだか、話がオチッパナシだ。要するに、九十歳の男の考えることは、こんなものです。




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明鏡止水、心頭滅却、暑くない、暑くない。麻屋与志夫

2022-08-10 08:03:50 | ブログ
8月10日 水曜日
●今日も暑くなりそうだ。

●わたし個人としては、あまり暑いとは感じない。

●明鏡止水。明鏡止水と、唱えていると暑さが不思議と薄らいでくる。それでも心が乱れて暑さを感じるときは、あの有名な紹喜禅師の偈を唱えることにしている。

●この偈を教えてくれたのは小学五年の時の担任橋田巌先生だった。あまり評判の良くない先生だった。でも、わたしにとっては、あだ名をつけられたり、音痴などと罵られて恨みもしたが、いまになってみると恩師だ。

●心頭滅却すれば火もまた涼し、舌頭に唱えていると、懐かしい思い出が浮かんでくる。長い間、先生を恨んでいたが、すみません、結局わたしにとっては、恩師。いろいろなことを教わった。

●この歳になって官能小説家として復活したいと、願っている。官能の何たるかを知らないわたしたちの前で、色話を開陳するような先生だった。橋田先生の衣鉢を継ぐような味のアル小説が書けるといいな。

●わたしはかって「夏子の官能小説読み歩き」? 正確な名称は失念。――で、「女性でも読める官能小説」で第一位を獲得したことがある。あのころのセンスを蘇らせて、がんばるぞ。

●そのときの作品は「童貞坊やの同棲時代」。角川bookwalker惑惑星文庫にのつています。ぜひ読んでみてください。



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日本一暑い佐野の近くの街に住んています。麻屋与志夫

2022-08-09 11:54:09 | ブログ
8月9日 火曜日
●酷暑がつづいている。佐野が日本一暑かった、などとテレビで報じている。わたしの住む町からさほど離れていない。この暑さもむべなるかな。

●7日は午後から曇った。VIVAの屋上のベンチに腰をおろした。妻はベニマルで買い物をしている。

●日光の峰々は雨雲にかくされている。それにしても山国だなと思う。直ぐ目前に山が迫っている。右に水神さんの森。緑の樹木がこんもりと茂っている。その向こうに、恐竜の背を
思わせる古賀志山が聳えている。

●左は水道山。給水塔が見える。千手山公園の、恋空の観覧車。その背後に岩山。今は盛夏。岩肌は見えない。とこを眺めても、万緑の洪水だ。街が緑の海に囲まれている。

●北関東の極みの小さな田舎町。たぶん旧市内は人口四万以下だろう。

●若い時は、こうして町全体を展望して見るというようなことはしなかつた。この街住む人のことなと考えなかった。

●老いてくると、自分をこの年まで、生かしてくれた街やひとびとのことが気になる。

●歳をとったせいで、隣近所の人が親切にしてくれる。若い時、村八分にあって苦しんだ。
でもイジワルをしたのは裏長屋の四軒の老婆たちだった。それに便乗して町内会長が決めたことだ。

●どうやら、静かな老後が過ごせそうだ。






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