田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

ようやく米寿。これからは文学との道行だ。うれしいな。麻屋与志夫

2021-06-27 07:28:57 | ブログ
6月27日 日曜日
誕生日には子供たちから祝福メールがはいった。
孫たちからも――。ロンドン在住の孫もいる。
ロンドンは日本との時間差は八時間遅れなどということも検索して学んだ。
まだ学習塾は続けている。高校生はいない。
中学二年生がひとりだけ。田舎町ではわたしの歳では最高齢者の爺だと思われる。
だいいちわたしが元気で教壇に立っているとは思いもしないのだろう。
教え子の最高齢者は――。先のオリンピックの年に高校生だった。
七十六歳になるのだろう。
いまの二年生をぶじに志望校に送り届けたら、引退しようと思う。
わたしは九十歳になる。
いや、塾での授業では、生徒はひとりだけなので疲れるということは今はない。
もうまさに引退したようなものだ。
ようやく米寿になってじぶんの勉強の時間をじゅうぶんにとれるようになった。
わあ、うれしいな、うれしいな、毎日小説をかいていられるぞ。
記憶力はすこしは衰えている。
本を読んでいても長続きしない。
執筆量も減っている。
でもありがたいことに、それら諸々の老いのためにおきる負のスパイラルはパソコンが補ってくれる。
わたしたちの世代では「原稿を活字にしたい」
――手書きの原稿を活字で読みたいという一心で小説を書きつづけてきた。
それがいまではこうして電子文字で読める。
楽しくて、涙が出る。
この喜びをどう表現したらいいのだろうか。
ひとは老いるのではなくて、老いた人、高齢者だと周囲がおしつけてくる。
もうお役御免で、あとはいつおむかえがくるのだろうと思っているのだろう。
どっこい、そうはいきませんよ。
文学バカほど長生きする。
わたしはそう思っている。
いつか黒板の前で死にたい。と思ってきた。
いまは小説を書きながらパソコンと道行のはてに心中したいと思っている。
じぶんが、どんな死に方をするのか? ……神のみぞしる、ことだ。



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42second street希望の夕日 麻屋与志夫

2021-06-20 06:14:24 | ブログ
6月20日 日曜日

先週。NHKの番組プレミアムカフェ。
世界で一番美しい瞬間(とき) 希望の夕日 想い(おもい)こめるとき アメリカ ニューヨーク(2014年)“マンハッタンへンジ”。摩天楼のわずかな隙間から夕日が美しく輝いて見える一瞬の物語。――をみた。

夕日を見るのは好きだ。
代官山のオープンカフェから見た夕日も美しかった。
カフェの名前は忘れてしまったのに、あの夕空の大夕焼けの色、空が刻々と紅色の色調を変えていくのを眺めた感動は忘れない。
妻と興奮冷めやらぬまま、渋谷まで歩いてしまった。

猫好きの妻と谷中銀座の「夕焼けだんだん」にでかけたことがあった。
妻とたい焼きを食べながら街を歩いた。
日本の古い商店街がそのまま残っていた。
妻は猫の写真を楽しそうにとっていた。
夕焼けの時間まではいられなかった。
このときも、日暮里駅に出ないで、上野公園を通った。
ホームレスの人たちのための「炊き出し」をしているのを目撃した。

いまでは、あれほど長く散策することはできないだろうな。
それどころか、わが街の東側の台地、旧市街よりかなり高い場所に発展した新興住宅地。
晃望台まで行くことすらできない。
晃望台から東の足尾山系に沈む夕日。
これもまた美しい夕焼けだ。
Buildingがないから広大な、凄まじい夕焼け空を見ることができる。

クジラを横割りにしたような夕日とその時の感動を書いた。
なんて無粋な表現だろうと反省したものだった。

二階の書斎から、梅雨の合間の、せめて朝焼けでも見ようと早くおきたのだが曇り空だ。
雨がやんだら、夕暮れ時、ベニマルまで妻と買い出しに行こう。
うまくいけば、ささやかな夕焼けがみられるかもしれない。

いまのわたしは原稿依頼もないのに、わずかな希望の灯をともして小説を書きつづけている。
昔見た美しい風景や、友だちとの交流を思い浮かべながら密閉空間でがんばっている。

年寄りの冷や水と感じた。




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猫で活況!! 住宅業界。柱の傷は猫の爪痕。 麻屋与志夫

2021-06-15 05:50:32 | ブログ
6月15日 火曜日
 一昨日。テレビを見ていたら面白い話題がニュースとなっていた。
「猫で活況!! 住宅業界」
 猫ちゃんが壁に備え付けのキャットウオークをあるいていた。
 ガラス張りで下からかわいらしい肉球もみられる。
 薄いピンク色の肉球が下からのぞけて、なんとも愛らしい光景だった。
 爪とぎもあった。
 わが家は、柱も壁もふすまも猫の爪痕がのこっている。
 妻は「家の中がぼろぼろになる」と嘆いた。
 柱にシャネルのポスターを張りつけた。
 すこしのあいだはガードの役割をはたしていたが、猫ちゃんを甘くみてはいけない。
 ある朝、バリバリと音がした。
 いまでは柱は、もとの黙阿弥。
 猫のみごとな爪痕を残している。
 柱の傷は猫の爪痕。
 この傷は初代猫のミュー。ムック。チビ。ブラッキー。りり。
 今ではショートヘアのルナ。
 猫と共棲してきた歴史の傷を毎日たのしくみている。
 これからテレワークのひとが激増する。
 家の中に一部屋はオフィスが必要となる。
 あたらしい間取り、あたらしい住み方が始まるだろう。
 従来の住宅が、変身!
 わたしはフリーランス(作家)そして家の中に塾の教室が二つある。
 むかしから、家の中が職場。
 一歩も外に出ないで生活できるようになっている。
「内弁慶」と笑われてきたが、このコロナの流行でまったく生活の様式がかわりつつある。
「家弁慶」かな? 
 家の中での生活に強い。
 家の中だけで生活が成り立つ。
 そんなことを表現する新語を考えてください。
 案外、いまの住み方の先取りをしていたのかも知れない。
 朝からブログを書いているわたしの脇でルナが重箱座り。
「パパ。はやくご飯にしよう。ママを起こして」とうるさい。
 そのうちがまんできないで、柱をばりばりと始めそうなので、ではこの辺で……。



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後輩にパンツを貸した夢をみた。 麻屋与志夫

2021-06-13 04:18:13 | 夢見るGGの夢占い
6月13日 日曜日
夢見るGGの夢占い。22 後輩にパンツを貸してあげ夢を見た

●昨日の夢も占っていないのに、また奇妙な夢を見た。

三十歳も年下のRが訪ねてきた。
ほそぼそと話をしているのだが、何を話しているのか内容はわからない。
そのうちに外をみて「だれかに……追いかけられた」
とガラス戸の向こう庭のほうを気にしている。
しかたなく、暑いのだが戸を密閉する。
パンツを汚した、とこんどはいう。
母がわたしの新しいパンツを持って部屋に入ってくる。
彼はつかれたと嘆く。
母は優しく布団を敷いている。
彼は布団をかけてもらうと、スヤスヤとねてしまう。
目にはなみだを浮かべている。

●現実のかれは数年前に夭折している。
今宮町の屋台蔵の前でRには会ったのが最期だった。
「病気で入院する」と告げられた。
どこが悪いのかは聞かなかった。
それから間もなくかれの家の隣の理容店のIさんに会った。
「先生、知ってる? 亡くなったよ」唐突にいわれて驚いた。
病院で喉に飴玉を詰まらせて死んでしまったというのだ。
誤飲が原因で死ぬなんてまだ若いのに不運というか、哀れというか。
わたしは黙祷するいがいには何もすることも、いうこともできなかった。
その後かれの句集を書店で見かけて購入した。
秀句があり敬服した。
惜しい男だった。
そのRが夢に現れてパンツを汚したからというので、わたしの新しいパンツをかしてあげた。
これはどういうことなのだろう。
パンツは精液で汚れていた。
Rは未婚。
恋をしたとい話もきかなかった。
あるとき「僕のほうをみて女の子が笑っていた。僕はそんなに醜いのですか」
と泣き出したことがあった。
おそらく五十代で亡くなったのだが、童貞だったろう。
せめて結婚していれば、傍に妻がいれば窒息死なんてことにはならなかったろうに。
心優しい女性との出会いがなかったのだろう。
可哀そうでならない。
立派な句集を残してくれたので、ときおり読んではRを偲んでいる。
それにしても、不可解な夢をみたものだ。


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傘を借りた夢を見た。麻屋与志夫

2021-06-12 06:55:42 | 夢見るGGの夢占い
6月12日 土曜日
●久しぶりで〈傘〉の夢をみた。
自転車でみんなで遠乗り会にでた。
不意に雨が降り出した。
みんなは大きな黒い傘をさしている。
自転車なのに傘をさしていた。どんどんさきに進んでいる。
わたしは開いた傘が女ものの赤い模様なのにきづく。
まちがってきたのだ。
ひきかえす。
わたしの黒い傘を持っているはずの女のひとをさがすために今出発してきた場所までもどる。
集会所でなにか新興宗教の集まりをしている。
わたしに女ものの傘を貸してくれた女性がみつからない。
まちがったのではなく、わたしに傘を貸してくれた親切な女の人を探す。
みつからない。
集会所は昔の〈駄菓子屋〉さんになっている。
親切なおばさんが、どうもわたしの母のようにみえる。
菓子を一枚くれる。
金を払おうとしたが小銭が足りない。
「千円札にして。そうすれば千円おつりをあげるから」
周囲で子供たちがみているから、タダで菓子をわたしにくれるのは、まずいということらしい。
菓子はもらって食べたいのだが。――悲しいかな、金をもっていない。
みんなはどんどん先にいってしまった。
絶望的なきもち。
目にはみえないのだが、遠ざかっていく友だちの姿をイメージしているところで目が覚めた。

さてみなさんは、この夢をどう解釈してくれるでしょうか。
これから、朝飯をたべてからゆっくりとこの夢の占いをしてみますね。


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初恋の妻に――。 麻屋与志夫

2021-06-06 07:32:06 | 超短編小説
超短編 23
初恋の妻に

 夜来の雨が降り続いている。
 せっかくみごとに咲いたのに、雨滴の重みで、げんなりとしてしまった。
 咲き誇ることにつかれはてたようにみえてしまう。
「バラの嘆きがきこえるようだよ」
 良平はキッチンにいる妻にはなしかけた。
 広い廊下に小さなテーブルがある。窓越しに朝茶を飲みながら庭を見ている。
 この季節に、妻がつくりあげたバラの庭をみるのが彼のたのしみだった。
 ふいにお茶を吐いてしまった。声がでない。
 邪悪な発作を妻に告げようと喉をふるわせているのだが――。
 ことばにならない。
「凛子……」
 叫んでいるはずなのに。
 声にならない。
 良平は夢中でテーブルを叩いた。
「お茶がこぼれたじゃない。あらあら、土平さんの湯飲み茶わんがわれたわ。これ高かったのよ――」
 そこで妻が気づいた。
「どうしたの。どうしたの」
 妻の金切り声。
 良平は目の前にあるノートに書いた。
 声がでない。脳卒中だ。漢字が浮かばない。かな書きだ。
 妻の反応は速かった。救急車を呼んでいる。

「あの白い花をつけているのがアイスバーク」
 バァゴラで咲き乱れている。
 白いバラの名前をおしえてもらった。
 いつのことだったろうか?
 初恋で結婚した妻にはバラの名前を幾種類もおそわった。
 シャポドナポレオン。
 シテイオブヨーク。
 紫雲。
 モッコウバラピーェルドロンサールモッコウバラスノーグースフレンチレースゴルドバニー
 ……頭はだいじょうぶだ。    
 バラの名前をこれだけ、いゃ、まだまだ思いだせる。
 ふいに襲ってきた発作の恐怖……とたたかいながら。
 絶望の淵におちこまないように。
 バラの名前を意識の中でとなえつづけた。
 アイスバーク、初恋初恋の凛子、初恋の凛子一緒になれてよかったしあわせだしあわせだ。
 救急車が家の前でとまった。
 複数の足音があわただしくきこえてきた。
 門扉がひらく。
 白い担架が庭をよこぎってくる。

 良平の意識はただ白い担架だけに向いていた。あれで病院に運ばれる。
 まだ意識のはっきりしているうちにかんがえることがあるはずだ。
 人生最期のメッセージとか。死に臨んでの辞世。とか――。 

 玄関に向おうとする隊員に妻が「こつちこっち」と呼びかけている。
 廊下に面したサッシュをあけた。切迫した妻の呼び声。
 アイスバークの花言葉は……。
 そこで良平の意識はプッリと途絶えた。

 妻の凛子が良平の顔をのぞきこんでいる。
 あわてて、だがうれしそうに枕元のナースコールを押している。
「意識がもどったのね。よかった。よかったわ」
 すこし老けたような妻。黒髪が白髪。顔にも皺。しわなぞなかったのに。
「わたしが、わかる」
「凛子だ。凛子」
 白衣の医師が「きせきだ」とつぶやいている。
「おとうさん。わたしよ。わたし、娘の雪見よ」


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