田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

フレフレ。三浦雄一郎。石原慎太郎。  麻屋与志夫

2012-11-30 12:49:33 | ブログ
11月30日 金曜日

●冒険家でプロスキーヤーの三浦雄一郎さん(79)が。
来年5月、80歳で3度目の エベレスト(チョモランマ、8848メートル)に挑む。
なんとなく、お主、やりおるな。
という言葉が出た。

●同世代だ。
すっかり、まったく、どこからみてもGGのわたしにとっては、
同世代の男が元気旺盛であるということはおおいに励みになる。
そうなのだ。
これからが勝負。
昭和一ケタうまれの男の意地をみせてやる。

●GGたちの少し上の世代は戦死している。
こんな軟弱な国になるための犠牲ではなかったはずだ。
GGたちも小学校の6年生まで軍事訓練、教育を受けた。
敗戦の8月は6年生の夏休みだった。

●「若い奴がしっかりしないから爺が出なきゃならないのだ」と眉をつりあげて言っていた。
都知事を辞め、新党結成にはしった石原慎太郎の言葉だ。

●みなさんまったく、かっこいいですね。

●GGは文学で、小説を書くことで勝負をかけています。
必死です。
これからどうなっていくか、幸運が舞い込むのか。
このまま埋もれてしまうのか。
いちおう遅ればせながら、少なくともやるからにはテッペンに登攀したいものです。

●今日は冬空。
日光連山は鉛色の空に遮られている。
明日は晴れるだろうか。



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超短編 27 これいただくわ症候群(第二稿)

2012-11-29 16:54:35 | 超短編小説
「これいただくわ」症候群

               
「おい、高野、たすけてくれよ」
 イソ弁をしているぼくの携帯にかかってきた。携帯のデスプレイをみるまでもない。声はマルチタレントの山田からだった。
 周囲を気づかってぼくはパーティションのかげにかがんだ。声をひくめた。
「どんなご用件です」
「なんだ。その声は。友だちだろう。もっとフランクにいこうや。たすけてくれよ」
 たしかに、かれとは学友だ。
 でも卒業後は同窓会で会うくらいだった。
 タレントなのに内気な彼は数年前に結婚していた。
 その妻ともう離婚騒動だ。
 弁護をひきうけてくれ。
 という依頼だった。
 彼の妻は超売れっ子のスーパーモデル。
 野生のパンサーをおもわせる。
 精悍な肉食系女子だ。
 彼女のほうから口説いた。
 などと週刊誌でよんだことがある。

 弁護士がスーパーの店長を務める世の中だ。
 東大の法学部が定員割れする時世だ。

「独立する、チャンスじゃないか。やってみたら」
 と周りで励ましてくれた。

 妻の浪費癖が離婚のひとつの理由だった。
 山田がヒソカニ保存して置いた領収書の束はぼくを驚かせた。ぼくの一年分の給料でも買えないような貴金属類。これでは、山田が離婚したくなるわけだ。見たものは、ともかくすべて欲しくなる。
「これいただくわ」と衝動買い。金銭感覚がゼロ。
 おれの収入なんか、まったくかんがえないんだ。なにかいうと、すぐに歯をむいてくってかかる。引っかく。
 おれは、顔が売りもんだ。怖くなるよ。

 弁護士が山田の学友ということで、ぼくはマスコミのインタビューをうけた。週刊誌にも記事をかかされた。
 名前が売れた。
 仕事がはいってきた。
 懐も潤ってきた。
 裁判に勝った。

 夢の独立をお陰で果たすことができた。
 追い風にのった。
 まさに、順風満帆。
 得意の絶頂にあった。

 そんなある日、山田の元妻からぼくの事務所に電話がかかってきた。
「所長、電話です」
 ようやく、所長と呼ばれることにもなれてきた。

 いやみでも、いわれるのかとおもって覚悟していた。

 デスプレイの画面で彼女がにこやかにほほえんでいる。
「どう、ランチご一緒しない」
 にこやかにほほえみ。
 でも……わたしの頭には山田の言った言葉が響いた。
「衣服や貴金属にキョウミが集中しているうちに、わかれたいのだ」
 そうか。
 このほほ笑みにみんなだまされるのだ。
 彼女は〈肉食〉系。
 言葉どおりの、行動にでたら逃げられない。

「いま、おたくの事務所のそばまできているのよ」
 窓の外。
 向こう側の歩道で彼女が優雅に手をふっている。
 ぼくは恐怖を覚えた。
 戦慄した。

「あなた、いただくわ」

 といわれたら、ぼくは逃げられるだろうか。




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GGコタツで丸くなる。パソコンを打つ。

2012-11-28 12:49:50 | ブログ
11月28日 水曜日

●薄氷がはった。
寒い。
落葉の季節。
毎日のように歩く散歩道。
落ち葉が北風に舞う。
カメラを向けたくなるような、いかにも冬を予感させる風景が随所にある。
これはもう、カミサンに任せずに、じぶんで写真を取るようにしなければ……。
と、つくづくおもう。
おもうのはおもうのだが、どうも新しいことを始めるのは億劫だ。
こういうときに、やはり老いをかんじる。

●フイルムの交換など必要ないカメラが目前にある。
それも憧れの一眼レフだ。
若ければ……。
被写体をもとめて街を歩きまわるだろう。

●ショボクレGGはホリゴタツに座る。
これからの長い冬。
ただひたすら、かきつづける。
とてもそとにでて写真をとっている暇などない。
と――老いをあまりすなおにみとめたくないGGは。
ものぐさで、カメラを持って街に出ない理由を。
創作に精進しなければならないからという心情を掲げて、ごまかす。

●それでも、いますこし外の風景をみたくなり、裏のデッキにでる。
コタツの上のパソコンは開いたままにしておく。
こうしておけば、すぐにでも文章を打ち始めることができる。

●出不精になったものだ。
だから、裏庭を眺めるのがすごくたのしい。
かみさんがミニバラ園を造成している。

●ひとりでは街に出る気がしない。
さいわい、カミサンが元気だからふたりでなら出かけられる。
だが、カミサンはバラのことであたまがいっぱいだ。
散歩にはあまりつきあってくれない。

●冬空だ。
雪でも降りそうな灰色の空にジェット機の微かな音。
青空なら飛行機雲がきれいに見えるのだろうが。

●部屋にもどる。
パソコンに文章をうちだす。



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夢見るGGの夢占い(1)  麻屋与志夫

2012-11-27 08:39:40 | 夢見るGGの夢占い
11月27日 火曜日

夢見るGGの夢占い。

●夢を見た。

○高いトタン屋根の上に登っていた。
下から家族のものが、みあげていた。
カミサンはそのなかにいない。
どうやら、屋根のグシに腰をおろしているのはGGではない。
若者であったころの、ワタシダ。
グシ瓦があるわけがない。
トタン屋根の、このてっぺんをグシとよんでいいものなのだろうか。
などと考えている。
これはいまのGGの心の疑問だから夢は面白い。
過去と現在が混然一体をなしているところが、面白いのだ。

○眼下のひとたちは、なにかはなしあっている。
はなしの内容はききとれない。
それをなんとかききとろうとしている意識は、いまのGGのものになっている。
家族の話題は、わかいときのわたしのことらしい。
この渾然ぶりがおもしろい。
ああ、夢を見ているのだ。

○わたしは屋根にのぼってホタルをとろうとしているらしい。
昼間なのにホタルがいる。
それも、光っている。
それを不思議とはおもっていないようだ。

○わたしのすぐそばで、NHK英会話講師の鳥飼玖美子先生がいともたやすく、
ホイホイとホタルを指先でつまんでいる。
その技には、熟練の美しさがある。
「いいな」と羨望。

○わたしは立ち上がる。
足をすべらせる。
命綱はつけていない。
ずるずるとすべった。
屋根に突き出た煙突に救われた。
エントツに足をかけてもちこたえた。
もういちど、テッペンに向かう。
登りはじめる。

●夢の解釈。
鳥飼先生は東京オリンピックに現役大学生として通訳をつとめた。
わたしは30歳。栃木県の観光課によばれて通訳として勤務した。
彼女はわれわれの(わたしは少し上だが)――世代の英会話の勉強をしていた者のヒロインだった。
この夢では、チョウテンをきわめたものの象徴として現れている。
わたしはいまGGとなりはて、この歳で文学賞に挑戦している。
みごとwinnerとなれればいいな。
と……いう……はかない遅すぎる願望のあらわれ、そのねがい。
テッペンをいまさらながら……。
とりたいという希望の……。
シンボルとしての鳥飼先生なのだろう。

●この世は。Winner takes all.

●GGは万骨だ。
ほら、一将功成りて万骨枯る。
というじゃありませんか。
すこし諺の引用がちがうかな?

●エントツは――。
このところカミサンとよく冬の街をあるいている。
トタンのエントツ、銅板のエントツをみかける。
だからだろう。
震災後、電気の停電や石油不足。
そのせいでもなかろうが暖炉のある家がふえている。
自然の燃料が見直されているのかも。

●カミサンの場合は、ロマンチックなこころのモチーフ、動機からだ。
いつになっても竹久夢二の感傷の世界にどっぷりの少女趣味。
そこが可愛いのだが。
毎年冬になると、暖炉のある家を羨ましがる。
「暖炉のある家にお嫁に行けばよかった」
などと穏やかではないことをいう。

●軒下に薪が積んである家をみかけると立ち止まる。
「いいな。いいなぁ」の連発。

●VIVAやカンセキの暖房コーナーでもしばらく佇む。
霧降の「山のレストラン」に数年前の冬たまたまよったことがあった。
暖炉がすてきだった。
「またいこう……」とつぶやく。

●カミサンの暖炉のある部屋に住みたいという夢は、GGが果たしてやらなければな

●明け方階下のトイレにいった。
GGの気配に。
「まだ眠れないのょ」
障子ごしに、カミサンが声をかけてきた。
カミサンも夢をみて起きてしまっていたようだ。

●おたがいに似たもの夫婦。
これからまた眠りに就かなければ、身体がもたないだろう。
夢をまたみるとするか。
夢からさめないほうがいい。





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超短編  24 妖変 言問橋(第二稿)

2012-11-26 17:56:32 | 超短編小説
24 妖変 言問橋(第二稿)
             

――政界を引退した
この政変は泥沼化している。 
若い元美人秘書とのスキャンダルで引退をよぎなくされた。妻とは離婚か成立した。政界の大物だった義父ともこれで縁がきれた。
年の差婚と騒がれた。若く華やかな新妻とつれだって言問橋までさしかかった。
空をみて「あっ。カモメ」とつぶやく妻。妖艶な美しさが眩しい。妻はキャノンの一眼レフをかまえる。シャッターを切る。小刻みにひびく連続音。
なにげなく欄干に両手をついた。遠いおののきのような震動がつたわってきた。いや――おののきではなく。いままさに心肺停止となりそうな恐怖。死に臨み。よわよわしくなっていく乱れきった鼓動が。幾重にも渦を巻いているようだ。戦慄が、欄干においた手から全身にひろがってきた。瘧でもおこしたようにふるえはとまらない。
「あっ。飛行船」
妻がむじゃきに声をはりあげる。
カメラをさらに鋭角に空に向けてかまえている。
青空をゆったりと浮遊する飛行船。
「あらあら、汗かいているわよ。あなた」
白いハンカチで額の汗をぬぐってくれた。
すんなりとした指をみていると「アッ。キャップがない」妻がひくく悲鳴をあげる。
橋のたもとでカメラをバックからとりだしたときに。レンズのキャップを落としてしまったのだという。
「キャップだけ買えばいいだろう」
妻は小走りに橋をひきかえしていく。
追いかけることは、とてもできない。
見る間に、妻の姿は小さくなる。
からだの震えはとまらない。
この言問橋では昭和20年3月10日の東京大空襲でおびただしいひとびとが焼死している。わたしも、幼かった従兄がここで焼け死んでいる。
猛烈な火炎旋風は周囲の空気を白熱化した。
推定10000人が大火炎につつまれ死んでいるという。
橋の親柱の黒く焦げた跡。この黒ずんだ汚れは――。ひとが――燃え尽き、灰が固まってこびりついたものだ。
どこかでよんだ、古い記憶。
だれかにきいた、古い記憶。
……この橋に……戦災いらいまとわりついている死者の怨念が凝固した橋げたにふれてしまったのだ。またまた冷汗がふきだす。
若い彼女と結婚するための……スキャンダルで失脚した。
それは表面的な理由だ。
政界からリベラリストを追放する機運が高まっているのだ。これでよかったのかもしれない。右に傾きつつあるこの国の政治の流れに掉さした。戦争の悲惨さをわすれてはならない。戦争犠牲者の魂の叫びがこの言問橋には現存する。彼らの鎮魂。彼ら犠牲者の冥福を祈りつづける。ふたたび戦争などはじめてはいけないのだ。その平和を愛する主張は在野にあっても、叫び続ける。
額にハンカチをあて、やさしく汗をぬぐってくれた妻が――。彼方で両手をあげた。
おおきな○のジェスチャでおどけている。
レンズのキャップが見つかったようだ。
拾ってきたキャップをはめようとして、妻の顔が不審そうにくもる。
眉をひそめている。
「合わないわ。あわない。あらぁ――おかしい。わたしのキャップは、ここにある」
バックの底のほうから同じように見える、すこし小さめのキャップをとりだしてはめる。
ぴったりと合う。
「じゃ、その拾ってきたフタはどういうことなのだろう」
「だれかが、おとしていったのね」
同じキャノンのレンズキャップが妻の落としたとおもっていた場所にある確率は。
どの程度のものなのだろうか。
妻の周辺ではときどきこうした奇妙な現象がおこる。
妻には、物品移動能力があるのではないか。
この橋からつたわってくる震えだってただごとではない。彼女の存在に呼応しているのかもしれない。
彼女とはじめてあったときにもからだに震えがきた。
感動のあまりふるえたものとおもっていたが。あれは……。場所すらおもいうかばない。
だいいち、あれは、よろこびのために、感動して震えたのだろうか。
「はい、チーズ」
「おまえなぁ。ものを引き寄せる能力があるなら、なにかもっと価値あるものをよびよせられないのか」
「あら、もうそうしたわ」
 妻が笑っている。
なにを、〈そうした〉というのだろうか。
妻にはまちがいなくapport能力がある。
妻は戦争犠牲者の霊魂をここに召喚したのかもしれない。
震えははげしくなるばかりだ。


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若者よ元気にやっているかい。  麻屋与志夫

2012-11-26 10:15:44 | ブログ
11月26日 月曜日

●楽しい一週間のはじまりだ。
教え甲斐のある生徒たちがこの小さな教室をめざしてやってくる。

●親の愛情を知らない子どもたちが多い。
とくに、母親にたいして批判的な口調で話す子が多い。
これは父親の責任だろう。
父親が厳しく。
母親が優しい。
これが理想の家庭だとGGテキには思うのですが。
御宅ではいかがですか。
男は外で忙しすぎる。
そのため、子ども躾どころではない。

●そのことを生徒たちに話つづけている。
お母さんは、子どものことかわいくてかわいくてどうしょうもないほどかわいいのだよ。

うそだ!!
と生徒たちは反発する。
怒ってばかりいるよ。

心配して、心配し過ぎて、つい言葉がスベルのだよ。
お母さんの子どもは「カワイイ」を信じなさい。

そんなこと、信じられない。

それからが、たいへんだ。
5分くらいは、マイ時間中3のクラスでは愛情とはどういうものか。
くりかえし話している。
もちろんGGの考えをおしつける気は毛頭ない。
事実、リアルに、GGの頭は――。
波平さんほどでないにしても――。
毛が薄くなっている。
頭に毛がほとんどないという惨状を呈している。

「頭が禿げるまで勉強してきた結果だから信じててよ。GGウソつかない」
とオドケテ見せる。
そこで教室の雰囲気が和らぐ。

●中学3年生くらいで、ものの考え方は固まってくる。
そのまえに、進学にしても。
職業の選択にしても。
異性と交際にしても。
選択肢はひとりひとり違う。
いろいろな考え方がある。
そのことを授業がダレテきたときに話している。

●不況の真っただ中だ。
商店の子、自営業の子がすくなくなっている。
いま地方経済はまさに負のスパイラル。

●元気に生きましょう。
明日は晴れると信じる。
子どもたちを励まして、ケッシテ怒らず励まし、はげまし、生きていく。
これしかない。
そんな心境だ。

●先週は東中学が期末テストがすんだ。
今週は西中、北中学の試験だ。
みんながんばっていい成績をとったかな、と心配だ。


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わめく若い日本人  麻屋与志夫

2012-11-25 05:11:35 | ブログ
11月25日 日曜日
わめく若い日本人

●金曜日(23日)に宇都宮まででかけた。
あの餃子で有名な宇都宮だ。
ヨドバシカメラと本屋に用があった。

●駅のコンコースを通りぬけようとしたところ。
もういけません。
すきっ腹に、焼き餃子のこうばしいにおいがしてきた。
お腹がギュッとなりました。
急遽はやめの夕食をとることにしました。

●カミサンとの話題はいま鹿沼駅で見てきた女性のことになりました。
ホームのベンチで大声をだしていました。
線路をはさんで改札の付近まできこえてくるほどでした。
GGは携帯で話していたのだとおもっていました。
カミサンは携帯などもっていなかった、と反論しました。

●わたしはその女性の言葉が理解できないことに戸惑いました。
まちがいなく日本語です。
大声です。
それでも内容を聴きとれませんでした。
GGの言葉の理解力がおかしくなったのか、と恐怖を覚えました。

●隣の席にyoungが着きました。
声高に、興奮して話しています。
これもまったくといっていいほど理解できません。
一言ひとことはこの場合、理解できました。
でも、若者言葉のゴイについていけません。
話の内容は皆目見当もつきません。
小説家たるものこれではいけないと、悲しくなりました。

●かえりの改札、新幹線にのる若い客が警察官ともめていました。
これは酔っていたらしく、わめいていました。
むろん、なにがもめているのか理解不能。

●鹿沼駅に着いた。
駅前で女子高生がこれまた、絶叫している。

●いつのころから、日本人は人前で大声をだすようになったのだろう。

●時たま街にでると分からないことが多々ある。
やはりGGなのだと、さびしくなる。


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超短編 28 ぼくらへの視線  麻屋与志夫

2012-11-20 12:07:06 | 超短編小説
28 ぼくらへの視線

「あの、ひと、おかしいよ。雨がふってないのに傘さしてる」
「あれはパラソル」
「パラソル?」
「日傘のこと。東京のオシャレな人は日に焼けるのをきらうのよ」

ホラ……またふりかえった。
あの女の人。
ほら、すごくふとっているおばあさん。
ぼくらのほうをまだみている。
ぼくらが、あまりにも似あいのカップルだから、目につくんだね。
仲良くふたりで歩いているひとなんか、いないものね。
目立つんだよな。
愛しているよ。トモ。
こんな田舎町までついてきてくれて。
ありがとうな。

ほら、ヨーカ堂のオートドアだよ。
あれ、また開かないの。
トモがあまり軽いからだよ。
あっそうか。
いまの自動扉は体重でなく、近赤外線タイプなんだよね。
暗い色の服をきているから、反応が鈍いのかも。
ほら、もう日陰だからパラソルから出て、ぼくの跡についてきてごらん。
開くだろう。
トモ。きみのソンザイガ薄くなっていく。
愛している。
いつまでも、ぼくのそばにいてよ。
さあなにを買おうか。
すきなものをカ―トのバスケットにいれてよ。
こんな少ししか、たべないの。
豆腐とか納豆とか、野菜だけでいいの。
ぼくは日光の和牛がいいな。

ほらまたみているひとがいる。
ぼくらがこうして仲睦まじく歩いているから、ジラシ―。
だよな。
痛いほど視線をかんじるのは、自意識過剰なのかな。

まだこの街に住むのになれていないから。
それがわかるのかな。
街の人にはぼくらがよそものだとわかるんだろうな。

みられたっていいさ。
嫉妬されたっていいさ。
そのうちに、お互いになれてくるよ。

ぼくのそばにいつもいてくれて、ありがとう。
うれしいよ。
でも、あまりムリしなくていいよ。
飲みたいものはのめばいいんだ。
あまり、ガマンしていると、からだがもたないよ。
菜食主義なんてトモにむいていないよ。
飲むときはぼくからはじめればいいさ。
好きになったときから、覚悟はできているから。
でも、ぼくの故郷に帰ってきたのは失敗だったかも。
だって街の名が〈日光〉だもの。
トモがいちばんきらいな言葉だものね。
だから、だんだん生気が失われていくんだね。

ほら郵便局だよ。
お金下していこう。
だいぶこのところ買い物をしたもの。
えっ。
動かない。
サドウシナイ。
タッチパネルを押しても動かない。
指の力がたりないからだよ。
どれかわろう。
いまのATMの画面は、そばでノゾカレナイようになっているんだ。
視野角を意図的に狭くする偏光フィルターが張られているんだ。
盗み見防止。
トモの隣にいたんでは、画面が見えないんだ。
ぼくらも、偏光フィルターをはったパラソルでも開発しようか。
外からはみえなくなるといいのに。
視線を気にしないで街をあるければいいのに――。

「あのひとおかしいよ。隣にだれもいないのに、話しかけている。となりにだれもいないのに、傘をさしかけている。まるで、相合傘であるいているみたい。雨もふっていないのに」
「あれは日傘。太陽の光をさえぎるものなの。あまりじろじろみては失礼よ」

ほら、また、ふりかえった。
まだふりかえって、じっとぼくらのあるきに視線を合わせている。
まるでぼくらの行動を監視しているみたいだ。

「あのひとへんだよ。隣にあるいているひといないのに、足並みをそろえているようだよ」

子どものつぶやきが、ぼくの耳までつたわってきた。

「飲むときは、てはじめに、あの親子からにするわ。それからジロジロふりかえっているひとたち……」
かすかなトモのつぶやき。

「そうだよ。元気がでてきたみたいだね」

そうだよ。トモ。いつまでもぼくのそばにいてよ。
愛している。
長生きできるよ。
この街のひとふとっているもの。
肥満している人は血液の量もおおめだとおもうよ。

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生きていくって楽しいよ  麻屋与志夫

2012-11-19 09:32:39 | ブログ
11月19日 月曜日

●目覚めればいつもの書斎。
同じベッド。
ブラッキはまだ寝息をたてて快眠。

●この冬一番の冷え込み。室温6℃。

●月曜日。
また一週間のroutine work のはじまりだ。

●昨日は松戸に住んでいる次女のRと会ってきた。
上の孫は男の子。
高校受験生。
下の孫娘は中2。
いちばん難しい年頃の子をかかえて、
わが娘はいいお母さんぶりを発揮してがんばっていた。

●松戸から立石。
立石に住んでいる長男のところの孫は2歳になったばかりだ。男の子。
Rに東松戸駅まで送ってもらった。
北総線に乗る。
立石まで10分ちょっと。
えっ、こんなに近くなのだ。
とおどろく。
ふたりが至近距離に住んでいるのはうれしい。
駅から歩く。
できるだけメモは取らない主義だ。
メモにたよると記憶力が減退する。
ぶじ、迷わず孫のいる家の玄関前に着く。
どんなもんだとカミサンとふたり得意顔。

●午後3時頃、散歩に出る。
東京は北風一番。
寒かった。
近くに、カミサンの好きなバラが植えられている公園があるから……。
嫁のIチャンがさそってくれた。

●冬のバラ。
美しかった。
カミサンは夢中でカシャカシャ。
この公園はセルロイド玩具発祥の跡地にたてられた。
その記念碑があった。

   

   

   

●ともかく活気のある庶民の街だ。
路地には飲み屋さんが数珠ツナギ。
字義通りとなりからとなりと並んでいる。
吞もすけにはなんともうれしい街だ。

●帰りの東武日光線は松原団地で人身事故。
80分以上も遅れて新鹿沼着。
10時近かった。

●特急料金を払ってのこの遅い到着。
なんとも釈然としなかった。
そのことに対する駅員の態度はいつもどおり。
平然としたものだ。
詫びの一言くらいほしいものだ。

●さてと、いつもの1週間がはじまる。

●同じ仕事を同じようにコナシテいるわけだが、心は日々かわっていく。
小説をかくpassionはいよいよ盛んだ。

●なぜ勉強するのか。
わからない。
どんな仕事についたらいいのか。
わからない。
と、いう生徒たちとの1週間の始まり、はじまりだ。

●一生情熱を傾けることのできる事が、はやく見つかるといいね。


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超短編 27 「これいただくわ」症候群 麻屋与志夫

2012-11-18 03:12:28 | 超短編小説
27「これいただくわ」症候群

「おい、高野、たすけてくれよ」
 
イソ弁をしているぼくの携帯にかかってきた。
携帯のデスプレイをみるまでもない。
声はマルチタレントの山田からだった。

周囲を気づかってぼくはパーティションのかげにかがんだ。
声をひくめた。
「どんなご用件です」
「なんだ。その声は。友だちだろう。もっとフランクにいこうや。たすけてくれよ」
たしかに、かれとは学友だ。
でも卒業後は同窓会で会うくらいだった。
タレントなのに内気な彼は数年前に結婚していた。
その妻ともう離婚騒動だ。
弁護をひきうけてくれ。
というのだ。
彼の妻はモデル。
野生のパンサーをおもわせる。
精悍な肉食系女子だ。
彼女のほうから口説いた。
などと週刊誌でよんだことがある。

弁護士がスーパーの店長をつとめる世の中だ。
東大の法学部が定員割れする時世だ。

「独立する、チャンスじゃないか。やってみたら」
と周りで励ましてくれた。

浪費癖が離婚のひとつの理由だった。
見たものは、ともかくすべて欲しくなる。
「これいただくわ」と衝動買い。
金銭感覚がゼロ。
おれの収入なんか、まったくかんがえないんだ。
なにかいうと、すぐに歯をむいてくってかかる。
引っかく。
おれは、顔が売りもんだ。
怖くなるよ。

弁護士が山田の学友ということで、ぼくはマスコミのインタビューをうけた。
週刊誌にも記事をかかされた。
名前が売れた。
仕事がはいってきた。
懐も潤ってきた。
裁判に勝った。


独立できた。
追い風にのった。
まさに、順風満帆。
得意の絶頂にあった。

そんなある日、山田の元妻からぼくの事務所に電話がかかってきた。
所長、電話です。
ようやく、所長と呼ばれることにもなれてきた。

いやみでも、いわれるのかとおもって覚悟していた。

デスプレイの画面で彼女がにこやかにほほえんでいる。
「どう、ランチご一緒しない」
にこやかにほほえんでいる。
でも……わたしの頭には山田の言った言葉が響いた。
「衣服や貴金属にキョウミが集中しているうちに、わかれたいのだ」
そうか。
このほほ笑みにみんなだまされるのだ。
彼女は〈肉食〉系。
言葉どおりの、行動にでたら逃げられない。

「いま、おたくの事務所のそばまできているのよ」

窓の外。
向こう側の歩道で彼女が優雅に手をふっている。
ぼくは恐怖を覚えた。
戦慄した。
「あなた、いただくわ」
といわれたら、ぼくは逃げられるだろうか。




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