田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

今年は勝負年だ!! とGGは決意している 麻屋与志夫

2014-01-21 07:13:46 | ブログ
1月21日 火曜日

●今年は勝負だ。
勝負年になる。
このへんで、原稿を書く枚数を月産300枚くらいにしないと、腕が鈍ってしまう。

●原稿を書く。
わたしの場合、そのほとんどが小説ということになるが、これは頭で書くというよりも、手で書く――という感じだ。
いまは、パソコンのハルちゃんとニラメッコしている訳だから、指先で書くと表現した方がいいのかな?

●物書きの仕事は、手工業的指先仕事、と思っている。
いくら考えても、書けなくても――、パソコンに向かって一行書き出せば、あとは指が先に動いて文章を紡ぎ出せるものだ。

●今年はあまりテレビのス―ポーツ番組を見ないことにしている。
小説もあまり読まず、まず書くことに専念したい。
それなのに、ああ、クーンツの「オッド トーマス」面白過ぎる。
一応読破したが、まだまだこれから何度でも読むつもりだ。

●北関東の北端、鹿沼。
寒いです。
とくに、わが家は築100年にはなるアバラ家なので隙間風が部屋を吹き抜けていく。
寒いです。
室温が0度。
なんて日がつづいてる。
頭から目だし帽をスツポリかぶります。
ゲゲゲの鬼太郎の「ねずみ男」みたいです。

●先週は孫の成人式。
招待されて品川の某ホテルで昼食をともにした。
神戸の震災の時は西宮に住んでいた。
まだ乳飲み子だったのに。
こんなに健やかに成人してと思ったら目頭が熱くなった。
子どもたちは三人とも東京と松戸にいる。
「孫の顔をいつでも見られるところに住みたいわ」とカミサンは言う。
わたしもなのだが、蔵書がある。
そのた諸々ありすぎて、それはムリだろう。
中古マンションでもかって気軽に東京にでられるようにするのが一番いいのだろうが、なかなか踏ん切りがつかないでいる。

●それに、塾がある。
一人でも塾生がいる間は、ガンバッテ教壇にたちつづけたい。

●掘りごたつでブラッキ―とうたた寝を良くする。
うとうとしながら、頭でブログを書き、指先で実体化したのが今朝のこのブログです。
オソマツでした。


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今夜は眠れない。クーンツを四冊買ってしまった。 麻屋与志夫

2014-01-05 19:29:58 | ブログ
1月5日 日曜日

●今年はあまり本を読まない計画を立てた。
「くまざわ書店」でそれなのに、四冊も買ってしまった。
ディーン・クーンツの「オッド・トーマス」四冊だ。
書くよりも読むほうが好きなGGなのだ。
今夜はまた眠れない。

●朝飯はいっものように牛乳粥(かゆ)。
わたしは、濁ってガユというが。
牛乳一合にご飯をお茶のみじゃわんに一杯ていど。
それに卵。
出来あがったら、スリゴマとキナコをそれぞれおおさじ一杯。
塩分をできるだけとらないようにしている。
「どこも悪いところはない。健康です」とドクターに言った。
「血圧の高いのも立派な病気です」と言われた。
以来、塩分の摂取量を減らしている。

●タバコだってなかなか止められない人が多い。
お酒だってアルコール中毒になるほど飲む。
あげくに、肝臓を悪くする。
生活習慣病とはよくいったものだ。

●小説を書くことをこれからの人生の第一義と考えている。
生活のために一番やりたいことが、後回しになってしまった。
それなのに、本など読んでいられない。
でも、まてよ、読書もしないと、じぶんの書く作品が先細りになっていくだろう。
読む。
書く。
考える。

●そのへんのカネアイがむずかしいな。
人間は享楽には弱い。
どうしても、好きなとに溺れてしまう。

●今年も悩み、怒り、笑い、あわただしく生きていくことになりそうだ。


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作家であるからには面白い作品を書きたーい。 麻屋与志夫

2014-01-04 16:51:58 | ブログ
1月4日 土曜日

●昼ごろ「くまざわ書店」まで出かけた。
ぼんやりと、平積みになっている新刊本の表紙を眺めた。
ほとんどが、若い作家のものだ。
もっともわたしの歳からみれば、それはしかたないことなのだろう。
良く書いているな。
多作だ。ともかく感心する。
題を見る。読みながら内容を想像する。
今どんな作品が人気があるのか。
推察する。楽しい作業だ。

●家に帰って「武と玲加」の話を書き継ぐ。

●疲れているためか食欲がない。
いや、お酒の飲み過ぎたかな。
胃が弱っているのかもしれない。
今夜はお酒は止め。
「武」の話あと5枚くらいは書きたいもの。

●惑惑星文庫のわたしの3作品。
「夏の日の水神の森」が一番読まれている。
毎日「人気順」で並べられているから面白い。
今のところ10番目だ。
あとの2作品の人気はおもわしくない。
次回作を書くのにこうした、評判は参考になる。
よろしくご購読お願いします。

●今売れているのは、ライトノーベルと官能小説とのことだ。
恐怖小説はお呼びでないのかな。
そんなことはない。
わたしの作品が未熟だからなのだろう。
blueだ。










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 はじめの4ページくらいは立ち読みコーナーがあって気軽に読めますよ。
 ブログとは違ったGGの小説の文章を読んでみてください。
 
 
 

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JINROH武と玲加のFIRST LOVE  麻屋与志夫

2014-01-04 01:43:51 | ブログ
1月4日 土曜日

●あれからずっと起きていた。
JINROH武と玲加のFIRST LOVE(奥さまはvampire)を改題した。――ものを訂正している。
ほとんど新しく書いているようなものだ。

●しばらくぶりで書いていて興奮している。
最初の方だけ読んでもらいます。
どうでしょうか。

JINROH武とMV玲加のFIRST LOVE
                                            

PART 1 人狼吸血鬼(Black-Vampire)現れる



初春。
日差しは強い。
紫外線は――。
お肌の敵。
と。
美麻 (ミイマ)はいやがっていないのだろうか。
心配になった。麻生学司はカミサンの麻生美智子をふりかえった。
美麻は学司のことは学(がく)ちゃんとか学と皆が呼びかける。学も美麻も美形だ。ふたりしでパリコレのモデルが務まる。それもスーパーモデルだ。
美麻は上げ底のブーツを履いている。背を高くみせる。必要はないのに。190センチある学にくらべても、それほど低くはない。
「忙しいのにつきあわせちゃってごめん」
栃木新聞の化沼(あだしぬま)支局に☎を寄こしたのはカミサンだった。春の陽光にしては光がまぶしい。まるで夏のようだ。紫外線は射すように美麻に降り注いでいる。それを承知で学を誘ったのだ。なにか、緊急の話でもあるのだろう。
「そんなことないさ。昼までフリ―だ」
さりげなく応えておく。
「今日も、一緒に歩けて、うれしい」
「どうも……それだけではないな」
なにか企んでいるだろう? と学はカミサンの耳元で息を潜めてささやく。
「あらぁ、わかってるのね」
カミサンは若やいだ声で応えを返してよこす。
化沼高校前。
マロニエ並木。
地方紙『栃木新聞』の化沼支局の記者にして超伝記作家の学は、カミサンといつものように連れだって歩いていた。評判のオシドリ夫婦だ。結婚して二年目になるのに、いまでも新婚気分でいっしょに歩いている。通例の朝のニュースを本社に送ったあとだった。あまりハデナ事件は起きない街だ。午後まで、時間が空いていた。
「日曜大工の店カンセキの園芸品売り場で、バラの新苗を見たいわ」
美麻にねだられた。お供することにした。
美麻はUVカットの美白ハット。
UVカット日傘。(日傘……といえばパラソルだ。『パラソル』という吸血鬼を扱った短編小説がある。井上雅彦の傑作だ。学の脳裏をパラソルを差した吸血鬼の群れがよぎった)
UVカット美白クリームの重装備。美麻にmind バアンパイアだと告白された時には驚いた。でも、白昼でも自由に歩き回れる。だいたい紫外線をそれほどきらつているようすはない。
そんな配慮は彼女にとっては必要のないことだ。
心理的な安心感に依存しているのだろう。
 


薔薇の鉢をカミサンはまだ眺めている。
花を咲かせているものもある。
「アンジェラが今年は少し早く咲きだしたみたいね」
「暖かな日がつづいているからな」
「月が変われば、家のバラも一斉に咲きだすわよ」
美麻は何かうわの空で返事を返してきている。
誰かを待っているみたいだ。
そのことを訊ねようとした。
美麻は裏の駐車場の方までつづいている薔薇の小道を歩いていく。
異様な風体の老婆だ。
灰色のボロをまとっている。
腰の曲がった老婆だ。
美麻に近寄っていく。
美麻が襲われる。学はそう感じた。
まさか、そんなことはあるまい。
美麻の腰のあたりの身長だ。
腰が45度くらいに曲がっている。
大地をナメルるようだ。
醜く太っている。
足が0脚に開いている。
ガマガエルでも歩いているようだ。
だがそのまさかが、現実となった。
老婆が立ち上がった。
よたよたと彼女のそばに近寄る。何かいっている。
学は走った。大声を上げた。美麻に警告した。
女から悪意がながれでている。
女から邪悪な想念が美麻に放射された。
学は叫びながら美麻に向かって走った。
薔薇の鉢につまづいた。危うく転がるところだった。
ジャンプした。それでも避けきれなかった。
鉢が大きな音をたてた。美麻がこちらを見た。
学は美麻のところに走りよる。
よかった。間に合ったようだ。
老婆は美麻に肉迫していた。
立ち上がった老婆はいがいと大きかった。
顎が美麻に接触した。とは、いかなかった。
美麻が素早く体をひらいた。
老婆の噛みつこうとした顎をさけた。
「バラなんかきらいだ。棘がある。棘があるから――。バラなんかきらいだ」
呪うような、悪意のこもった音声で老婆くりかえしている。
美麻が当惑したような顔をした。
とりあわないようにという顔を学にした。
「美麻。逃げるんだ」
女が鉤爪もあらわにカミサンの顔に手をのばした。
まにあわない。どうしてもっとはやく気づかなかったのだ。
わたしは女と美麻の間にまたジャンプした。
美麻を守るためにジャンプした。
一瞬、まだまだやれるとい感情がわきあがった。美麻はこの学が守る。声にはだせなかった。そのことばは、尻の肉への激痛に消された。あたりは暗くなった。いや霧の中にいる。すぐそばに人がいる。そのはずなのに、よく見えない。カミサンが薔薇の枝をかまえている。
「人狼――吸血鬼――BV(ブラック・バンパイア)ね。うちのダーリンに何の恨みがあるの」
「かっこつけるんじゃないよ。九尾族の千年ババァ」
背丈が倍近くなり、脚もたくましくまっすぐにのびていた。
四足歩行にみえていたものが、立ち上がっていた。
老婆だったものは、両眼を赤くひからせている。
獲物を狙う野獣の眼だ。
そのために衣類がはじけていた。
青黒く毛深い膚。
狼の体。
顔はまさに吸血鬼のものだった。
般若に似た顔。
乱杭歯に長い犬歯。
歯を剥いて襲いかかってきた。
〈わたしは全身に若やいだエネルギーが満ちていた。さっきからおかしい。体が柔軟に動く。尻の痛みも消えている。出血もとまった〉
「お、おまえは」
人狼がたじろいだ。空に向かって相図の遠吠え。
「おまえは……わたしたちを見ることができるのか……そんなわけはない。人間のはずだ」
わたしは人狼吸血鬼BVを見てもさほど怖いとは感じなかった。
想像を絶するほど醜悪な顔だ。でも恐怖は感じなかった。唇からは黄色く濁った涎をたらしていた。遠吠えの相図で、周囲に人狼の群れが忽然と現れた。待ち伏せされていたのだ。
「食らってやる」
眉間には深い二本の縦皺が刻まれていた。目は白濁してぶよぶよながれだしそうだ。
カミサンが薔薇の枝――鞭で打ちかかった。顔面から青い液体がふきだした。いやな臭いがする。まるで膿だ。
「バラの棘は美しいものを守るためにある。あんたは消えなさい」
「そのことばはそつくりあんたら二人にお返しするぜ。ジャマなんだよ。あんたらが」
おう、痛いぜよ。と薔薇の枝でたたかれた傷跡をなめている。
「ヤッテおしまい」
老婆は配下の人狼に声をかけた。人狼の爪がぐいっと、剣のようにのびる。
ザザッと剣風をともなって切りこんでくる。
「これを、学、使って!」
美麻がパラソルを投げてよこした。
パラソルの芯を抜き放った。仕込みになっている。直刀があらわれた。
銀色に光っている。その銀色に光りに人狼がタジロイダ。
老婆とともに美麻を襲う人狼に斬りこんだ。斬り捨てた。
恨みの首が薄黒い煙の中に消える。
「さすが、ダーリン。剣道で鍛え、傭兵で鍛えてきただけのことはある」
美麻は人狼をけん制する。大声で学の動きを鼓舞する。敵は学がただののっぽではないことを知る。ただのイケメンではないことを剣風からも察知した。たじろぐ。
「なに、おたついているの。こちらの方が数はおおいのよ」

3

化沼高校の二階。一年B組の教室。見園玲加が窓から見ている。転校生としての挨拶をすませたばかりだ。まだ、教壇に立っている。道路を隔てた日曜大工の店カンセキを見下ろしている。
「見園くん。視力は」
「2てん0です」
「だったら、後ろから二番目の席、犬飼武の前の席で、いいな」
「わあっ、武に抱きつかれるわよ」
だれかがつぶやいた。玲加はそれにはかまわず、カバンを空いていた机の上においた。ただ窓からヨソミ、見下ろしていた訳ではない。異常を感じるセンサが稼働した。たしかに異様だ。広い駐車場に黒い竜巻が発生している。狼煙にみえた。ただの竜巻ではない。円錐状なのだ。仲間を狼が集めるサインでもある。そして、その底辺の中心から殺気がもれている。
これだったのね。わたしの視線を窓の外に向けさせたのは。ピピピッとわたしの感覚を刺激した……。そうわかると、玲加は教室をとびたした。廊下を走っていた。
「見園どこへいく」
武の声が背後から追いかけてくる。わたしに嫌われたとでも、思ったのかしら。
「玲加どこへいくのよ」
血相かえて飛びだす玲加に何人かのクラスメイトからも声がとぶ。
長い黒髪が初春の風になびいていた。美しい。玲加の姿は校庭を走っている。校門を出た。黒い竜巻はない。円錐状の異空間がある。煙のなかにいるようだ。飛びこむ。
進路をハバンダ人狼の首に空手チョップを叩きつける。人狼の首がカシグ。折れたかもしれない。手練の業だ。
「やっぱ、美智子おばさまだぁ。」
「神代寺の歴女クラブの玲加さんじゃないないの」
「一日早く着いたの」
「何おとぼけだぇ。スケットを呼ぶということは、徹底抗戦の気がまえとみたよ、九尾の千年ババァ」
「美智子おばさまのこと……。ババァなんて呼ばないで。許しませんよ」
「まとめて、くらってやんな」
老婆が人狼にゲチをとばす。ザワッと包囲網が狭まる。
「お婆! これは族長の命令なのか」
武が包囲網をかきわけて悠然と現れた。
「だとしたら武、どうだというのだ」
「オヤジの命令だとしても許さないよ」
「なぜだよ」
「見園玲加はぼくのクラスメイトだ。ぼくのそばに座るひとだ」
「それがどうしたのだい」
「ぼくはクラスメイトの玲加とツキアウつもりだ。だから見園を傷つけることは許さない」
「ゲェ、ゲェ。武、それ本気か」
「本気だ」
その叫びを聞くと老婆が蒼白になった。
「ひとまずヒク。あとが怖いからね。覚悟しておくんだね」
BVは身をひるがえして、円筒状のバリアの外にジャンプした。黒い風の尾をひいて走り去った。配下の人狼もそれに従った。バリアの煙も彼らとともに消えた。
「こんなに早く来てくれるとは思わなかった」
玲加を見て、美麻がうれしそうだ。
「どうして――あなたとつき合うことになっているの」
玲加が武をにらんでいる。でも声に迫力はない。武がタイプらしい。

「うちに下宿したらいい」
転校してきたばかりで、まだ土地カンのない玲加に学は勧めた。
カミサンは薔薇の鉢、ゴールドバニーを買ってごきげんだ。
玲加はカバン一つで早退してきた。
「転校の手続きがすんだら、すぐ伺うつもりでした」












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鹿沼の省線坂。あるいは停車場坂。 麻屋与志夫

2014-01-03 20:07:25 | ブログ
1月3日 金曜日

●笑っちゃいますね。
今朝書いたブログ。
国鉄日光駅と表現しました。
もちろん、今では、JR日光駅ですよね。
国鉄なんていうと歳がバレマスヨネ。
もっとも、わたしの場合は最初からGGの歳は80歳と書いていますから――。

●国鉄ならまだいいほうです。
鹿沼のJR駅に行くには長い急な坂を登ります。
GGは「省線駅」なんてときどき口走ります。
国鉄の前は、鉄道省。
それを知っている人間で、その省線駅への坂、「省線坂」を元気に登れるひとは、もうあまりこの町にもいないことでしょう。





超短編 23 パノラマ(第二稿)

2012-10-29 04:06:24 | 超短編小説


23 パノラマ 第二稿

暗いネガティブな闇だった。
下降するぬかるんだ急な坂だった。
彼女とのことをおもうと、暗いことばかりかんがえた。
ひとりで東京へ行く。
彼女との愛をあきらめるのにはそうするしかない、とおもった。
死ぬほどつらかった。
死のうともおもっていた。

停車場坂といった。
このぬかるみの坂をのぼるのだ。
のぼれば――なんとか道がひらけるだろう。
駅に着けば出発できる。
どこへ? 
むろん、めざすはトウキョウだった。
あらゆるシガラミをすてて故郷を離れたかった。
闇はこころのなかにあった。
どうせこのまま街にのこってもいいことはない。
彼は長年生きてきた街を、すきにはなれないでいた。


急坂をのぼる気力だけはのこっていた。
わずかな、仄の明かりのような希望。
東の空が明るんできた。
日光線鹿沼駅。
始発に乗る。
宇都宮で東北線にのりかえて、こんな街とは――。
オサラバダ。

明けきらぬ黎明の道を彼女が黒川の向こう岸から近寄ってくる。
彼女の不意の出現に彼はあわてた。
彼女が追いかけてくるとはおもってもみなかった。
彼女は街の東側の『晃望台』に住んでいた。
富裕層の高級住宅街だった。

彼女はむじゃきに手をひらひらさせている。

「こなくていい。ぼくがそちらへいくから。橋をわたらなくていいよ。くるな。ぼくがいく」

べつに橋に危険があるわけではなかった。
でも、彼女をこちら側にこさせることが、憚られたのだ。
彼女がすきだ。死ぬほど愛している。
だから、生活をともにすることはできない。
ぼくといっしょだと、彼女は苦労する。
彼女はぼくとのビンボウ暮しにはたえられない。
彼女がなにかいっている。
ぼくの声は、彼女にとどいているはずだ。
彼女はフラノのチェックのスカートをはいていた。
ベルトの留め金が金色に光っていた。
彼女のベルトのバックルのしたにぼくらの赤ちゃんがいるのを、
そのときまで、ぼくはしらされていなかった。
胎児が母とともに、ぼくに近寄ってきた。

「くるな」

彼女はすでに橋の中央までさしかかっていた。
ぼくの声がようやくきこえた。
それがクセのうなじをかしげている。
こちらをみている。
たちどまった。

「くるな。ぼくはひとりで上京する。いかせてくれ」
「わたてしもいくわ」

そこで、記憶がとぎれる。ストーンと落下したのは明るい室だった。

彼女のとなりに赤ちゃんが寝ていた。
まさに天使の寝顔だった。
すやすやと寝息をたてていた。
彼女のベルトを質入れして作った金で支払いを済ませた。
純金のバックルつきのベルにたすけられた。
彼はしあわせだった。
守るべきものが二人になった。
「どう、かわいいていでし。わたしたちの赤ちゃんよ」

そこで、さらにさらに歳月がながれた。
死んでいく者には一瞬だった。
とぎれた記憶がつながる。
ストーンとふたたび落下したのは死に臨んでいる老人の病室だった。
瀕死の老人を上から見下ろしている彼。
……の……
…こころは……満たされていた。
ポジティブ気分で死んでいける。
これでいい。
これでよかったのだ。

「おじいちゃん。ほほ笑んでいたわ。どんな夢をみていたのかしら」
ベットの老人はいままさに息をひきとったところだった。
「おかあさん。さびしくなるわね」
あれから50年以上が経っていた。
彼女はあのときの、彼のこころをしるよしもなかった。
娘のほかに息子。孫たち。
大勢の親族が集まっていた。
老婆はそれがクセだった。

くびをかしげ、遠くを見ていた。


●以前書いた超短編です。
この停車場坂がでてきます。
再録しました。
GGからのお年玉です。
お楽しみください。

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さすが男体颪。初詣はGGにはチョットムリだった。麻屋与志夫

2014-01-03 05:54:26 | ブログ
1月3日 金曜日

●昨日は日光に出かけた。
でもあまり風が強いので東武日光駅の外に出るのはかなり辛かった。
「せっかく来たのだから、写真撮る」
カミサンは駅前から女峰山にカメラを向ける。
それからがたいへんだった。
「シャッターがきれない。きれない。どうしょう」
と大騒ぎになった。
望遠レンズをつけたらとれた。
遠方を撮るには、望遠でないと良く撮れない。
いまのカメラはお悧巧さんだから、焦点があわないとシャッターがきれないのだろうか。

●一眼レフのことは何も知らないわたしは、いくら訊かれても応えられない。
歯がゆかった。
いますこし時間があればカメラのことも勉強したいのになぁ。

●風が吹いているので体温が奪われる。
寒い。
震える。
さすが日光の風、男体颪。
感心ばかりはしていられない。
残念だが、引き返すことにした。
これはGGに成ったからこその知恵だと思った。
「若い時だったら、こんなことはしないよ。風邪でも引いて、小説書く仕事やすみになったら困るもの……」

●数分歩いて、国鉄日光線の駅から電車で宇都宮に行くことになった。
カミサンは車窓から日光の山々を見てくやしそうだった。
「20分でこられるのだ。また来よう」
「明日来たいわ」

●宇都宮のララスクェアでベットカバーを買った。
それで、カミサンのゴキゲンはなおった。

  東武日光駅から
   

   



   

   

   


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大島優子AKB卒業、おめでとう。   麻屋与志夫

2014-01-01 13:16:12 | ブログ


写真は栃木の大平山から壬生の街の方角を撮ったものです。街の様子は遠くて見えませんがね。




大島優子、羽化した。演技派女優として天辺まで飛び立て。  麻屋与志夫

2013-12-09 06:49:15 | ブログ


12月9日 月曜日

●柴咲コウに大島優子が現場でイビラレテいる。

というニュースがながされている。

真偽のほどはわからないけれど。

●一回目から「安堂ロイド」観ている。

わたしとしては、大島の演技に柴咲がダメだしをしているとか。

好意だ。

いや、イビリだと、姦しい情報に、ふりまわされていた。

●大島優子は、わたしの住む鹿沼の隣町。

壬生で育っている。

GGであるわたしがめずらしく応援しているアイドルだ。

●そして大島優子はまさにそのアイドルから。

女優へと転身しなければならない。

大切な時機にきている。

はじめは確かにギコチナカッタ。

どうこう言える演技ではなかった。

●でも、GGは……。

AKBという心地よいサナギのなかで。

ぬくぬくと育っていた大島優子の。

かすかなかすかな胎動――。

呼吸のようなものを聞きとっていた。

体感していた。

●これはいいほうへ動き出している。

このドラマが完結するころには。

大島優子が羽化するぞと確信していた。

●ほとんど日本映画もドラマも見ないカミサンをさそって昨夜、二人でテレビの前にすわった。

●「どうだった」
「あなたの言うとおりね」

●解離性同性障害で凶暴な人格が現れ、仲間を射殺する場面。

完全に痺れた。

●羽化が早まった。

あの演技は素晴らしかった。

●キナ臭いようなリアリティがあった。

●演技に開眼した。

これからの大島優子の精進を見るのが楽しみだ。

●周りでとやかく言われたのが、よかったのだとおもう。

ウタレヅヨイ、野州女の意地を見せてくれた。

いろいろいってくれたらしい、柴咲コウ、現場の方への感謝を忘れないようにね。



1月1日 

●初めて紅白を見た。
大島優子のAKB卒業宣言をしているときだった。

●12月9日のブログで彼女が羽化するだろう。
と、書いていたことが実現してうれしい。

●そのときのブログを上に再録した。

●AKB48から飛び立った、
羽化した大島優子の今後の活躍を期待する。

●初めてボクシングの試合をみた。
それなりにワクワクした。選手の名前は知らない。ルールもわからない。それでも、各選手の必死の熱意は伝わってきた。

●演歌をたくさん聴いた。

●今年は、いままでやらなかったことをやりたい。

●それが小説を、これから書く小説の世界を豊かなものにするはずだ。



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あけましておめでとうございます。麻屋与志夫

2014-01-01 05:52:31 | ブログ
あけましておめでとうございます。

トータルで156歳になるカップルは「はいよーシルバー」
と、時の馬にまたがりいまだに勇ましく前進しています。
今年も二人でミューズを追い求めていきます。
麻屋与志夫は、「角川ブックウォーカー惑惑星文庫」に発表の場をいただきました。
加齢など跳ね飛ばし、作家として華麗な変身をとげたいものです。
木村美智子からみると、
夫はただひたすら書斎人間、
小説家として午年をのりきりたいとはりきっています。
妻としての内助の功、いやいやそれだけではなく。
夫の文学事務所のmanagerに就任しました。
夫が、創作に励めるように、
外に向かっても発言することになるかと思います
本年もよろしくおねがいします。
平成26年 元旦

麻屋与志夫(木村正一)木村美智子










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