田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

早く作家に返り咲きたぁい。 麻屋与志夫

2023-03-28 07:52:37 | 夢見るGGの夢占い
3月28日 火曜日
夢見るGGの夢占い。

窓ガラスをふいている夢を見た。

それも三階の窓だ。
わたしは外側から……それが面白いのだが、足場がない。
宙に浮いている。
そんな状態で窓ふきをしている。
内側ではTくん、かなり有名になった作家。
――おたがいに顔を合わせないようにして窓ふき作業に従事している。

誰が偉い人が客として来るらしい。
皆あたふたと清掃作業。働いている。

誰が来るのだろう。

真剣に考えているところで目が覚めた。

どうもこの夢には、疎外されている。
無視されているといったことが象徴されているようだ。

外側から足場もない不安定な状態で窓をふいている。
内側に入りたいのだが出来ない。
そんな焦りの表れではないか。

いま書き上がった小説をどこかに投稿しようとしている。

どこにしょうかと迷っている。
この歳になって新人賞に応募するなんて、お笑いですよね。
知り合いの編集者は退職、もしくは人間をすでに退職してしまっている。

寂しいことだ。
窓のそとに置かれ、中に入れてよ、いっしょに仕事したいよ。
と哀願しているような気分だ。

しかしよくもこんなに歳をとったものだ。
この歳になってようやくフルタイム。
朝から晩まで創作に励むことができるようになった。
仲間に入れてよ。一緒に遊ぼう。

そうはいっても、むかしの作家仲間はほとんどいなくなってしまった。
売れっ子にはなれず、文壇には入れなかった。名を連ねることはでできなかった。
その周辺をボウフラのようにうごめき。
ただよい、苦労して、くろうして生き抜いた友の生涯をわたしはみとった。
いまは一人になって生き抜いている。

そんな悲哀と、いまだに文壇に名を連ねたい。
暖簾わけをしてもらいたい。
というはかない夢の夢だったのだろうか。

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19 老衰 麻屋与志夫

2023-03-19 12:31:32 | 超短編小説
超短編19 老衰
著名な作家Oが亡くなった。
八十八歳だった。
死因は老衰。

いまはすっかり執筆依頼のない、忘れられた物書きの夫を美佐子は観察した。
彼との来し方を思うと、つきなみな表現だがよくここまで生きてきたものだと感慨無量だ。
九十歳になる夫。
「北斎の享年が九十歳。卒寿。ここが節目だ。これからの一年一年をしっかり生き抜いてみせる」
発表するあてもない小説を毎日書きつづけている。

老衰――を検索した。
食欲がなくなり眠るがごとき大往生。とのことだ。

「食欲がありますか?」
Drにはよくきかれる。
プット噴き出してしまう。
茨城の海岸沿いの町に住んでいる弟が持参した寿司を三人分くらいへいきでたいらげてしまった。
お酒だって飲ませておけばきりがない。
小原庄助さんの歌ではないが、朝寝、朝酒、朝風呂がだいすきな、文無し男だ。

「お父さんそろそろ終活かんがえたほうがいいよ」
ときおり、帰省する娘たちに勧められて憤慨している。
「十年早い」
「この本どうするのよ。売った方がいわ」
「おれが死んでからにして」
「本を売ることは物書きにとって手足をもぎ取られるようなものだ」

いくら飲んでも崩れるようなことはない。
どこか漏水してるのかもしれない。
美佐子は最近そう思うようになった。

文学の知識もどこからか、漏れでてしまっている。
夫の書きすすめている小説を読むのが怖い。
漏水していたらどうしょう。
どんな作品に仕上がるのだろう。
いたずらに、労力を浪費するだけの作品だったらかわいそうだ。

「これから再出発だ。新人賞におうぼするぞ」
やっぱり歳だ。
頭がどこか、老いて衰えてきている。


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光彦坊ちゃま。愛しているわ。麻屋与志夫

2023-03-18 12:42:02 | 超短編小説
超短編 18
チーズの焼ける香ばしい匂いが出向えくれた。
「星野センパイ」
声を掛けてくれるものはいなかった。卒業して二年になる。
だが懐かしい。学生たちの群れ。高田牧舎。

「星野。こっちだ」
奥の席からすこしハスキーな声が呼んでいる。
松尾たちはすでにピザでコーラを飲んでいた。
「アルコールが入っていると、立つものがたたなくるからな」
松尾のとなりで若松が笑っている。
二人とも恋人が出来てデートを重ね婚約寸前というところだ。
そこでバチラーパーティをしようと星野に誘いの電話があった。

星野だけはまだ恋人がいなかった。
独身送別会でもあるまいと思った。

ところが松尾の企画では恋人たちを連れてこれからどこかへドライブに行こうというのだ。
酒でも飲んでなにかよからぬ場所にいく、といたことかと思って呼びたしに応えたのだが。

ざんねんながら星野は女つけなし。

こうなっては浅草のガールズバーのサリーさんに声をかけるしかないだろう。
はたして応じてくれるだろうか。
やわらかなそれでいて、澄んだ声。
笑顔でかれの話にあわせてくれるやさしさ。
彼女がすきで通いだしてからもう一年になる。
星野はシャイな男で女性に愛をささやけるような男ではない。

「いまからお店にいくところなのよ」
「たのむ。おれの恋人ということで来てくれないかな」
恋人と、という言葉がぽろりとこぼれでたことに星野は顔を赤くしている。

「たのむよ。ぼくには君しかこんなことたのめる女の子がいないんだ」
「それは、うれしいこと……」

就活応援パンツにサマーカーデガン姿でサリーは待っていた。
「竹原月子です」

松尾も若松もきつねに化かされたような顔をしている。
太陽の光で見ても、サリーの美しさは地味に装っていたも、さらにか輝いていた。
松尾も若松もおどろいている。
「星野、おまえいつのまにこんな美人ゲットしていたんだ」
星野は応えずほほえんでいる。

「あら、みなさんおきれいで、いらつしゃいますわ。わたしなにか場違いなところに来てし
まっみたい」
月子はかるく松尾のことばをいなす。
松尾の乗ってきたBMWにみんなで乗り込んだ。
運転席の隣には松尾の恋人、菜々美。
後部座席に若松と花梨。
そして月子、星野。

「一応は那須に行く予定だが、その途中でどこかないかな。星野、栃木は地元だよな。どこかないか?」

「宇都宮でいいなら、若山農園がある。『るろうに剣心』のロケ地で映画フアンの聖地になっている」

竹の森。
竹が青い炎をあげてもえあがっているようだ。
すがすがしい空気。別世界にまぎれこんだようだ。
見上げれば紺ぺきの空。

節が交互に膨れて亀甲状となる特異な形状孟宗竹の一種。
亀甲竹を見た。
亀甲の連想で大きな亀があらわれた。
月子がその背中にひょいとのった。
いかないでくれ。
竹林にいる。
そして、月子さんだ。
だったら、かぐや姫だ。
乗り物がちがうじゃないか。
いかないでくれ。

「どうしたの?」
彼女の声で星野は白日夢からさめた。
「なにか呟いていたわ」

遥かかなた、剣心のロケ地となったというあたり。
金明孟宗竹の黄金食に輝く林のあたりを。
きらびやかな服装の彼女たちと松尾と若松が散策している。

「どうしたの? 何か悲しそうだった」
「月子さんがどこかに去っていく。それでとめていた」
「あら、わたしきょうは休むことにしてきたの。だから『月姫』にはもどらないわ。わたしこんな服でゴメンね。お水系で働いていると服装の好みとか化粧とか話し方でわかるのよね。だから、就活のときのパンツできたの」
彼女の心づかいに星野はおどろいた。

「月子がいなくなるとさびしい」
「わたし、本当は金子久美子」
さきほどは、ここに来ると決めるまえだった。
……ここに来ることが竹原月子と名のった時点で、分かっていたのか。
予知能力でもあるようだ。
「ほんとの名前を、おしえてくれるんだ」

「久美子がいないと、さびしい。いつもそばにいてもらいたい」
「そんなにわたしが好きなの。誘うひとがいないので、誘ってくれたのとちがうの?」
「好きだ。愛している」

どこにこんな勇気があったのだ。
いままでデートにも誘えなかったのに。
彼女の顔に微笑みがうかんだ。
「もう一か所寄っていかないか」

イチゴ摘み農場。若山農場から十分ほど。
「そうか、栃木県はイチゴ栽培が盛んだものな」
「籠に積み放題で、千円だ」
 
「うわあ、こんなに詰込んだのに……。家に帰ってイチゴジャムをつくれるわ」
彼女たちはおおよろこび。
ところが久美子が料金所で支払いをしようとすると、女の子が首を横に振っている。
「どういうことなの。星野さん」

ちょっと、寄り道をしていくと松尾たちとは別れた。
「どういうことなの?」
星野はそれには答えず、歩きだした。
梨畑がつづく。作業をしている人たちが、光彦に挨拶する。
そして葡萄畑。みんなが手をふっている。
そのおくにワイナリーの建物。見学客でごったかえしていた。
その見学客を誘導していた老人が星野をみてほほえみ、近寄ってくる。
葡萄酒のにおいがしている。
「光彦がお嬢さんをおつれしてくるとは、いよいよここを継ぐ決心が出来たといいうことかな」

久美子はふかぶかとワインの芳香を吸いこんだ。
どうやら、この服装でよかったのかもしれない。終身雇用がきまったみたい。
光彦が手をのばしてきた。ふたりは恋人握りで歩きだした。
「光彦坊ちゃま。よろしくね」

「光彦。固めの盃だ」
老人が、盆に三個のワイングラスをのせて二人に慈愛に満ちた笑顔をみせている。




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17 緋毛氈/野点/美少女 麻屋与志夫

2023-03-11 09:42:10 | 超短編小説
超短編小説17  緋毛氈/野点/美少女

万歩計をかねた腕時計に勝平は目をやった。
「なんだ、まだ四百歩しか歩いていない」
久しぶりに散歩に出た。
せっかく、美智子さんが一緒にきてくれたのに。
新築工事中の市役所前で、脚が……もういけない。
ふらついてきた。
しかたなく市役所前の街角公園のベンチに座る。
工事用重機のあげる騒音にはなやまされている。
とくに大地に鳴り響く杭打機、掘削機、大型シャベルカー。
地球が悲鳴をあげているようだ。
この前、いまはコンクリートの堆積と化した市庁舎が建てられたのは七十年くらい前だったろう。
勝平はまだ高校生。
ニキビ面――だった。
ふとみると、市庁舎の庭、松の木を背景に緋毛氈が敷かれていた。
野点……を楽しんでいる。
茶会の席には顔見知りの美少女がずらりと正座している。
もちろん和服姿だ。
「勝平さん一服いかがですか」
招かれている。
ひらひらと白くしなやかな手の動き。
「どうぞ、どうぞ、粗茶ですが、こちらに、いらっしやい」
こちらに、といわれても、広い道路を横ぎらなければならない。
信号が青になるまで待たなければならない。
杖をつかなけれは立ちあがれない。
緋毛氈からは虹のような光が立ち上っていた。
誰かが立ちあがった。
いや、あれは妻の美智子ではないか。
「はやく。はやく」
と声がする。
隣にいるはずの、妻はベンチに座っていない。
杖だけがポツンと背もたれにたてかけてある。
勝平は動揺した。
おかしい。
なにかおかしい。
美少女はいまは黄泉の国の住人のはずだ。
でも、妻がいっしょなのはさらにおかしい。
勝平を招く緋毛氈の少女たちは華やいでいる。
なにがうれしいのか笑い声すらする。
彼女たちを取り巻く靄がかかったような光が薄れようとしている。
あれは、『時穴』だ。
大地がながいこと、激しい震動と大音響にさらされた。
それで、あそこに時穴が出現したのだ。
あそこをくぐれば懐つかしい少女たちにあえる。
勝平は前方を凝視したまま動けない。


注。
時穴。タイムトンネルのことです。半村良の短編にでてきます。




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ルナがネズミを捕った。麻屋与志夫

2023-03-04 09:48:45 | ブログ
2月4日 土曜日
部屋の隅にネズミがいる。
シッポがかすかに動いている。
いや、体もすこし動いた。
パット、ルナが突進してきた。
ネズミをくわえる。
ルナは隣の部屋にいってしまった。

「ルナチャンすごい。ネズミ、とってきたのね。すごーい」
そして、ゼンマイを巻く音。
昨日、100円ショップの「セリナ」で買ってきたネズミのオモチャで妻がルナと遊んでいたのだ。

このところ腰の痛みがひどいので朝寝をしている。
朝寝は老人の特権と考えている。
眠れるときは眠れるだけ眠る。

いずれ長い眠りがやってくる。
その予行練習だ。
などと、うそぶいている。

だがじったいはそうでもない。
毎朝四時起きして執筆に励んでいる。
いずれ、ボケルだろう。
ボケないまでも昔あったことを起想する能力は日増しに低下するいっぽうだ。

あせっている。

ルナはいいな。
アメリカンショートヘアー。
先祖は広いアメリカの荒野を駆け巡っていた。
広い納屋でネズミを捕っていた。
ハンターだ。
ルナが思う存分かけめぐれる広い野原のある農村地帯であそばせてやりたいが、GGはボンビー。
くやしいがダメだダメだ。
せめてミイマの11坪の部屋を荒野とおもい、遊んでな……。



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岩壁で身動きできない夢をみた。 麻屋与志夫

2023-03-02 10:25:12 | 夢見るGGの夢占い
2月2日 木曜日 朝の室温10℃
夢見るGGの夢占い35
いつも同じような夢をみる。
岸壁の頂点に立っている老人に呼び掛けた。
老人に助けを求めて呼びかけた。
わたしは岩壁の中途で身動きができないでいた。
「どうしたらいいですか?」
「こうすればいい」
返事はそれだけ。
老人は身を投げた。
いや、飛んだのだ。超絶の技。
フワッと中空を飛び続けそのまま麓に着地した。
すたすた歩いて行ってしまった。
頂上からザイルが垂れてきた。
見あげると数人。手を振ってなにか叫んでいる。
ザイルはスポンジを撚り合わせたような手ざわり。
ぶよぶよしている。ひくと伸びてしまう。
頼りなくて、とてもこのザイルを手にして、すがりついて登ることはできない。
見れば、足元に巨大な球体。あの中に入れば……。
周囲の怖い岩場の光景から解放される。
子宮のようだ。でもわたしには死宮と思われる。
その球体の中には入ることができない。
ヤーメタ。このままのほうがいい。
そこで夢ら覚めた。

夢から覚めてからあの球体の中に入ったらどうなったのだろう。
と、考えた。なんとも解釈のしようのない夢だった。



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