田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

桃栗三年柿八年梨の大馬鹿十八年  麻屋与志夫

2012-10-31 13:29:45 | ブログ
10月31日

●桃栗三年柿八年梨の大馬鹿十八年。

●むかしのひとは、よくこうしたことを言葉遊びでおぼえさせてくれた。

●故人の知恵。
おそるべし。
見習うべきだ。

●いつ、どこで、購入したのか、すっかり忘れていた。
今年はじめて鉢植えの柿が実をつけた。

●柿はカミサンの大好物だ。
柿の木のある農家にお嫁に行けばよかったわ。
とのたまうほどだ。

●柿の実もさることながら、柿の葉の紅葉も美しい。

   

   

●GGの大馬鹿二十年。
どうだ。
そのバカぶりは梨よりも2年もうえだぞ!!

●なにが……だって?

●おほん。
照れますね。
原稿料にありついていない年月です。

●カミサンが辛抱強いからいいようなもの。
でなかったら、とうに追いだされていますよね。

●ということで、GGはもっか原稿の売り込み中です。
むかしのように、持ち込みもんですから――。

●賞金稼ぎ。
各種の文学賞に応募することに決めました。

●どうなることやら。

●スリル満点。
未来展望。
明か暗か。
精進継続。
歳とれないな。


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鉄の木が一本生えたくらいで 麻屋与志夫

2012-10-30 04:39:11 | ブログ
●26日に、劇団にんげん座の秋季公演をみてきた。
浅草5656会館5階ときわホール。
作・演出 飯田一雄 

●飯田さんとは、50年来の文学の朋だ。
ひさしぶりで元気な姿出をみられてうれしかった。
だしものは『田谷力三の伝言』。

●おープニング。
呼込み (めおと楽団ジキジキ 世田谷きよし/カオルコ)おふたりの息の合った掛け合い。
いやたのしくて、笑いがとまらず、涙がでっぱなし。
その涙は峠の茶屋の場面では感動の涙とかわった。
義理と人情の世界へのノスタルジーに酔いしれた。
人の情のほんわかとしたムードをなつかしむ感動の涙だった。

●浅草を語らせたらこの人が一番という飯田さんの作品だけにGGはなつかしさいっぱい。
よろこびいっぱいだった。

●最前列だった。
出演者の声量のたしかさにはおどろいた。
カルメンの「女心の歌」「恋はやさしい野辺の花」など堪能した。

●ロビーでの飯田さんとの話もまた楽しかった。

●「あんなさぁ。鉄の木が一本生えたくらいで、浅草が賑わいをとりもどしたなんて悲しいよ。笑えるよな。ロックから映画館がなくなっちまった。むかしはよかったよな。浅草文化はどこかに、消えてしまったよなぁ」

   

   

●老いていくことの寂しさ。
流転する世の無常。

●帰路、六区にまわり映画館の閉店の張り紙をみた。

●しみじみとした。
人間って、やはり、恋、だろう。
義理だろう。
人の世の情けだ。
それがなくなってしまった。
歳相応のことをGGもかんがえました。

●「鉄の木が一本生えたくらいで」

●浅草からみるスカイツリーは確かに建築美はかんじられなかった。


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超短編 23 パノラマ(第二稿)

2012-10-29 04:06:24 | 超短編小説
23 パノラマ 第二稿

暗いネガティブな闇だった。
下降するぬかるんだ急な坂だった。
彼女とのことをおもうと、暗いことばかりかんがえた。
ひとりで東京へ行く。
彼女との愛をあきらめるのにはそうするしかない、とおもった。
死ぬほどつらかった。
死のうともおもっていた。

停車場坂といった。
このぬかるみの坂をのぼるのだ。
のぼれば――なんとか道がひらけるだろう。
駅に着けば出発できる。
どこへ? 
むろん、めざすはトウキョウだった。
あらゆるシガラミをすてて故郷を離れたかった。
闇はこころのなかにあった。
どうせこのまま街にのこってもいいことはない。
彼は長年生きてきた街を、すきにはなれないでいた。


急坂をのぼる気力だけはのこっていた。
わずかな、仄の明かりのような希望。
東の空が明るんできた。
日光線鹿沼駅。
始発に乗る。
宇都宮で東北線にのりかえて、こんな街とは――。
オサラバダ。

明けきらぬ黎明の道を彼女が黒川の向こう岸から近寄ってくる。
彼女の不意の出現に彼はあわてた。
彼女が追いかけてくるとはおもってもみなかった。
彼女は街の東側の『晃望台』に住んでいた。
富裕層の高級住宅街だった。

彼女はむじゃきに手をひらひらさせている。

「こなくていい。ぼくがそちらへいくから。橋をわたらなくていいよ。くるな。ぼくがいく」

べつに橋に危険があるわけではなかった。
でも、彼女をこちら側にこさせることが、憚られたのだ。
彼女がすきだ。死ぬほど愛している。
だから、生活をともにすることはできない。
ぼくといっしょだと、彼女は苦労する。
彼女はぼくとのビンボウ暮しにはたえられない。
彼女がなにかいっている。
ぼくの声は、彼女にとどいているはずだ。
彼女はフラノのチェックのスカートをはいていた。
ベルトの留め金が金色に光っていた。
彼女のベルトのバックルのしたにぼくらの赤ちゃんがいるのを、
そのときまで、ぼくはしらされていなかった。
胎児が母とともに、ぼくに近寄ってきた。

「くるな」

彼女はすでに橋の中央までさしかかっていた。
ぼくの声がようやくきこえた。
それがクセのうなじをかしげている。
こちらをみている。
たちどまった。

「くるな。ぼくはひとりで上京する。いかせてくれ」
「わたてしもいくわ」

そこで、記憶がとぎれる。ストーンと落下したのは明るい室だった。

彼女のとなりに赤ちゃんが寝ていた。
まさに天使の寝顔だった。
すやすやと寝息をたてていた。
彼女のベルトを質入れして作った金で支払いを済ませた。
純金のバックルつきのベルにたすけられた。
彼はしあわせだった。
守るべきものが二人になった。
「どう、かわいいていでし。わたしたちの赤ちゃんよ」

そこで、さらにさらに歳月がながれた。
死んでいく者には一瞬だった。
とぎれた記憶がつながる。
ストーンとふたたび落下したのは死に臨んでいる老人の病室だった。
瀕死の老人を上から見下ろしている彼。
……の……
…こころは……満たされていた。
ポジティブ気分で死んでいける。
これでいい。
これでよかったのだ。

「おじいちゃん。ほほ笑んでいたわ。どんな夢をみていたのかしら」
ベットの老人はいままさに息をひきとったところだった。
「おかあさん。さびしくなるわね」
あれから50年以上が経っていた。
彼女はあのときの、彼のこころをしるよしもなかった。
娘のほかに息子。孫たち。
大勢の親族が集まっていた。
老婆はそれがクセだった。

くびをかしげ、遠くを見ていた。


●書き改めました。まだなにかたりないようです。
さらに改稿しようとしています。この「パノラマ」は、すきなテーマです。
GGはたのしんでいます。なんどでも改稿してやるぞ!!


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超短編 24 妖変 言問橋  麻屋与志夫

2012-10-28 09:03:26 | 超短編小説
24 妖変 言問橋

見上げるとカモメがとんでいた。
羽ばたいてはいない。
澄んだ秋の青空をゆうゆうと滑空している。
鳥にかんしては、知識がない。
なにひとつといっていいくらいいうことがない。
こまごまとしたことをいうこともできない。
キョウミがないのだ。
魚もそうだ。
すし屋にいって魚の名前を知ったかぶりをする。
そうした百科事典のような知識はない。
むしろいままではそれを誇りとして生きてきた。
しかしいま――中途で政界を引退させられた。
盟友の何人かは新しくできた党に鞍替えした。
この政変は泥沼化している。

若い元美人秘書とのスキャンダルで引退をよぎなくされた。
これでよかったのだ。

これからき、日常的な、些細な知識も必要となってくるのではないか。
どこかの大学で講師として雇ってくれるだろうか。
将来に対する漠とした不安はある。

歳の差婚でいっしょになった若く華やかな妻とつれだって言問橋までさしかかった。
見上げた空に舞っている鳥をみて「あっ。カモメ」とつぶやく妻に。
「あれは都鳥だ」とおもわずくちばしってしまった。
『名にし負はばいざこと問はむ都鳥わが思う人はありやなしや』
……伊勢物語の業平の故事を。
若い妻に披歴するきもちがいくぶんあったのかもしれない。
ひさしぶりに、ふたりだけの時間がもてたことで、うきうきしていたのだろう。
「都鳥」ということばがでた。
「あれを、都鳥というのね」
妻はあいづちをうちながらキャノンの一眼レフをかまえる。
シャッターをきった。
いまさら、もしかしたらあれはユリカモメで都鳥とはべつなのかもしれない。
そんな疑問をことさら妻につげることもあるまい。
シャッターをたてつづけにきる音がシャカシャカシャカと小刻みにひびいている。
秋のさわやかな空気のなかでひびく連写音をききながら、なにげなく欄干に両手をついた。

なにか遠いおののきのような震動がつたわってきた。
いや――おののきではなく。
いままさに心肺停止となりそうな恐怖。
死に臨み。
よわよわしくなっていく乱れきった鼓動が。
いくえにも重なりあっているようだ。
心臓をわしづかみされたような戦慄が。
欄干においた手から全身にひろがってきた。
からだがふるえる。
秋の冷気のなかで、ジワット全身にひろがり瘧でもおこしたようにふるえている。

「あっ。飛行船」
妻がむじゃきに声をはりあげる。
カメラをさらに鋭角に空に向けてかまえている。
青空をゆったりと浮遊する飛行船には。
コマーシャルかブランド品名がかいてあるらしい。
文字をよみとることはできない。

    

「あらあら、汗かいているわよ。あなた」
まぶしいような白いハンカチで額の汗をぬぐってくれた。
すんなりとした指をみていると「アッ。キャップがない」妻がひくく悲鳴をあげる。
橋のたもとでカメラをバックからとりだしたときに。
レンズのキャップを落としてしまったのだという。

「キャップだけ買えばいいだろう」
「モッタイナイ。探してくる」
妻は小走りに橋をひきかえしていく。
追いかけることはとてもできない。
見る間に、妻の姿は小さくなる。
からだの震えはとまらない。
この言問橋では昭和20年3月10日の東京大空襲でおびただしいひとびとが焼死している。
猛烈な火炎旋風は周囲の空気を白熱化した。
推定10000人が大火炎につつまれ死んでいるという。
橋の親柱の黒く焦げた跡。
この黒ずんだ汚れは――。
焼けただれて死んでいったひとの。
脂や焼けただれ、燃え尽きてススとなったひとの灰が固まってこびりついてものだ。
どこかでよんだ、古い記憶。
……この橋に
……戦災いらいまとわりついている死者の怨念が凝固した橋げたにふれてしまったのだ。
またまた冷汗がふきだす。
若い彼女と結婚するための……スキャンダルで失脚した。
それは表面的な理由だ。
政界からリベラリストを追放する機運が高まっているのだ。
これでよかったのかもしれない。
右に傾きつつあるこの国の政治の流れに掉さした。
これでよかったのだ。
戦争の悲惨さをわすれてはならない。
戦争犠牲者の魂の叫びがこの言問橋には現存する。
彼らの鎮魂。
彼ら犠牲者の冥福を祈りつづける。
ふたたび戦争などはじめてはいけないのだ。
その平和を愛する主張は在野にあっても、叫び続ける。
額にハンカチをあて、やさしく汗ぬぐってくれた妻が――。
遠景の彼方で両手をあげた。
おおきな○のジェスチャでおどけている。
レンズのキャップが見つかったようだ。
拾ってきたキャップをはめようとして、妻の顔が不審そうにくもる。
眉をひそめている。

「合わないわ。あわない。あらぁ――おかしい。わたしのキャップは、ここにある」
バックの底のほうから同じように見える、すこし小さめのキャップをとりたしてはめる。
ぴったりと合う。
「じゃ、その拾ってきたフタはどういうことなのだろう」
「だれかが、おとしていったのね」
同じキャノンのレンズキャップが妻の落としたとおもっていた場所にある確率は。
どの程度のものなのだろうか。
妻の周辺ではときどきこうした奇妙な現象がおこる。
妻には、物品移動能力があるのではないか。
この橋からつたわってくる震えだってただごとではない。
彼女の存在に呼応しているのかもしれない。
彼女とはじめてあったときにもからだに震えがきた。
感動のあまりふるえたものとおもっていたが。
あれはどこだったろうか。
場所すらおもいうかばない。
だいいち、あれは、よろこびのために、感動して震えたのだろうか。

「はい、ニコッ」
妻がこちらにカメラを向けている。

「おまえなぁ。ものを引き寄せる能力があるなら、なにかもっと価値あるものをよびよせられないのか」
「あら、もうそうしたわ」
 
妻が笑っている。
震えはまだとまらない。


引き寄せる能力があるなら。
過去に移動させる能力もあるのだろう。
戦火の燃えさかるこの言問橋に移送してもらえれば。
戦禍のおそろしさ身をもって体験できるだろうな。

なにを、そうしたというのだろうか。

妻にはまちがいなくapport能力がある。

妻は戦争犠牲者の霊魂をここに召喚したのかもしれない。

震えははげしくなるばかりだ。



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吸血鬼の骨の色は  麻屋与志夫

2012-10-25 15:52:30 | ブログ
吸血鬼の骨の色は

●長年、吸血鬼の小説をかきつづけている。
吸血鬼の目は真紅の輝き。
肌は青白く。
歯は白く光っている。
だったら、まだ描写したことはないが、吸血鬼の骨は白だ。
決まっている。
白だ。

●そこまでかんがえた。
そして、あることに気づいた。
わたしはあわてて、階下にかけおりた。

●もっか、カミサンが造成中のプチ庭園。
カミサンはいなかった。
ほっとして「おーい。ミマ―」と呼んだ。

●カミサンはジョウロ片手にあらわれた。

●「この白いの――木の根なんかではないぞ。ガスのパイプだ」
大地を掘り起こしている。
バラを地植えにするためだ。
竹の地下茎や白木蓮の根が網の目のようにいりくんでいる。
これらの根を掘り起こすのにカミサンは苦労している。
みかねてすこしだけ手伝った。

●「これなぁに??」
「白木蓮の根だろう。根まで白いんだな」
「なにか凄くかたいわ。明日にしましょう」
そこで作業をきりあげたからよかった。

●ふたりで、白い管をみて、プットふきだしてしまった。

●GGは、じぶんのドジぶりにあきれた。
浮世離れしたもののみかただ。
真っ白い木の根っこなんか、あるものか。
白木蓮だから根まで白い。
……なんて連想する。
どこのバカだ。
判断ミスもいいところだ!!
あああぶなかったな。
カミサンはなんでも夫の言うことには従ってしまう。
これからうかつに、
カミサンの手伝いをしたり発言はできないな。

●あのまま作業をつづけて、ノコギリでガス管を切断したら。
ドカンと大爆発していたろう。
そこまでいかなくても、ガスを大量に吸い込んで――。

●管を切断して棺にはいったら、どうするんだよ。

●吸血鬼みたいにギ―と音をたてて棺桶のふたを開けられないぞ。
よみがえるわけにはいかないのだよ。


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書くことの悩み。「パノラマ」執筆裏話。 麻屋与志夫

2012-10-25 01:43:17 | ブログ
10月25日

●小説をかくのはたのしい。
たのしくて、ああだこうだ……とかんがえていると退屈をしなくてすむ。
こんなにたのしい玩具はない。
玩具と――最近おもえるようになった。
パソコンのハルちゃんとむかいあって仕事ができるからだ。
それでもいい作品を生みだせなかったら字義道理、
じぶんだけのおもちゃ遊びとなってしまう。
このへんがたのしくもあるが、
むずかしいところだ。

●昨日の作品「パノラマ」はとくに苦労した。
くろうしたということは、
特別たのしいおもいをした。
だって、3マイかくのに、一日かかってしまった。

●どんなことで悩んだか、裏話です。

●タイトルを「パノラマ」とした。
臨終のときにみるという『パノラマ現象』のことだから、
やはり『現象』までいれたほうがよかったのかな。
でもそうすると読者はこのはなしは、
臨終の男の脳裏に浮かんだ現象をかいているのだと、
はじめからオチがわかってしまう。
興味が半減してしまうのではないか。
まず、そのことで、悩んだ。

●はじめの2マイではもっと彼の彼女への愛の深さを克明にかくべきだったのか。
いまからでも、かき直せるぞ。
どうするどうする。
かきあがってまで気をもんだ。
でもショートショートだから象徴的な文でぴしっときめたかった。

●橋をわたらなくていいよ。
彼女をこちら側にこさせることが、憚られた。
とかくことで、死ぬほど愛している。
ということを表現したかったが、
ダメですよね。
作者のおもいが読者にはつたわりませんよね。
読んでいただく方が、
感情移入が、
直接的な言葉でかかないと、
できませんよね。
そのへんがむずかしいな。

●出だしの一行。
『暗いネガティブな闇だった。』
これだって、
『彼女とのことをおもうと、暗いことばかりかんがえた。ひとりで東京へ行く。彼女との愛をあきらめるのにはそうするしかない、とおもった。死ぬほどつらかった。死のうともおもっていた。』
と……かき出だせばよかったのだろうか。

●ラストがわからなかった。
かんがえたら、わかったわ。
とカミサンからクレイムがついた。
ごもっとも。
ごもっとも。
参ったなぁ。
読者にかんがえさせるようではかく側が拙たないのだ。
下手なのだ。
ゴメンナサイ。

●さいごは、
『首をかしげた』とかいたことで、
彼と駆け落ちした彼女と同一人物だと推察してもらえるとおもったのだが……。
むりみたいですね。

●『あれから50年以上が経っていた。彼女はあのときの、彼のこころをしるよしもなかつた。』と――付け加えるべきなのかな。

●まだまだ迷いはあるが、
さすがにすこし眠くなりましたの。
おさきにやすませてもらいます。
受験勉強の皆さんは、
いますこしがんばってくださいね。
あすのしあわせのためにも。
愛するあなたと彼、あるいは彼女との未来のためにも、ガンバレガンバレ。

●どうかんがえても、かんがえなくても、駄作だ。『パノラマ』はかきなおします。拙い作品をよんでいただいて感謝します。ありがとう。



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超短編 23 パノラマ  麻屋与志夫

2012-10-24 16:36:45 | 超短編小説
23 パノラマ

暗いネガティブな闇だった。
下降するぬかるんだ急な坂だった。
停車場坂といった。
駅に着けば出発できる。
どこへ? 
むろん、めざすはトウキョウだった。
あらゆるシガラミをすてて故郷を離れたかった。
闇はこころのなかにあった。
どうせこのまま街にのこってもいいことはない。
彼は長年生きてきた街を、すきにはなれないでいた。

急坂をのぼる気力だけはのこっていた。
わずかな、仄の明かりのような希望。
東の空が明るんできた。
日光線鹿沼駅。
始発に乗る。
宇都宮で東北線にのりかえて、こんな街とはおさらばだ。

明けきらぬ黎明の道を彼女が黒川の向こう岸から近寄ってくる。
彼女の不意の出現に彼はあわてた。
彼女が追いかけてくるとはおもってもみなかった。
彼女は街の東側の『晃望台』に住んでいた。
富裕層の高級住宅街だった。

彼女はむじゃきに手をひらひらさせている。

「こなくていい。ぼくがそちらへいくから。橋をわたらなくていいよ。くるな。ぼくがいく」

べつに橋に危険があるわけではなかった。
でも、彼女をこちら側にこさせることが、憚られたのだ。
彼女がなにかいっている。
ぼくの声は、彼女にとどいているはずだ。
彼女はフラノのチェックのスカートをはいていた。
ベルトの留め金が金色に光っていた。
彼女のベルトのバックルのしたにぼくらの赤ちゃんがいるのを、
そのときまで、ぼくはしらされていなかった。
胎児が母とともに、ぼくに近寄ってきた。

「くるな」

彼女はすでに橋の中央までさしかかっていた。
ぼくの声がようやくきこえた。
それがクセのうなじをかしげている。
こちらをみている。
たちどまった。

「くるな。ぼくはひとりで上京する。いかせてくれ」
「わたてしもいくわ」

そこで、記憶がとぎれる。ストーンと落下したのは病室だった。

彼女のとなりに赤ちゃんが寝ていた。
まさに天使の寝顔だった。
すやすやと寝息をたてていた。
ベルトを質入れして作った金で支払いを済ませた。
純金のバックルつきのベルにたすけられた。
彼はしあわせだった。
守るべきものが二人になった。
「どう、かわいいていでし。わたしたちの赤ちゃんよ」


「おじいちゃん。すごくたのしそうにほほ笑んでいたわ。どんな夢をみていたのかしら」

ベットの老人はいままさに息をひきとったところだった。
「おかあさん。さびしくなるわね」
娘のほかに息子。孫たち。
大勢の親族が集まっていた。
老婆はそれがクセだった。

くびをかしげ、遠くに視線をむけていた。



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超短編 22 「でるな」 telephonephobia

2012-10-23 10:48:21 | 超短編小説
「でるな! 」☎恐怖症 telephonephobia

テレフォンがケタタマシク鳴った。
どうせ、勧誘電話だろう。
でもいつもちがったひびきだ。
過去のいやな記憶をよみがえらせるような音。
カゲキだ。
電子音ではない。
存続が危ぶまれている国立博物館ならあるかもしれない。
壁付け式の古い電話機。
正面にベルが二個、両眼のようについている。
それがたたかれる。
振動音だ。
ベルの音と眼でにらまれているようでこころがふるえた。
21世紀だ。
そんなベルを叩くような音のする電話機があるわけがない。

「でるな! 」

彼は妻に叫んだ。
だが遅かった。
彼女は頭を軽くかしげた。
髪をかきあげるような若やいだ動きをみせた。
とりあげた。
耳にあてた。
受話器からは――。

妻の顔が恐怖にひきつった。
真っ青だ。
受話器を耳にあてた姿勢で金縛りになっている。

……ことばにならない言葉。
呪いの声が彼の耳元までひびいてきた。
彼は必死で妻のもとへ走った。
後ろでいままで彼がすわっていた椅子がたおれた。
机の上の原稿用紙が虚空に舞いあがった。
そんなバカな。
いまどき、万年筆で原稿を紙に書いていたわけがない。
paperlessの時代だぞ。
郵便局に速達で原稿を送りにいくこともない。
ポンとkeyをたたくだけですむ。

彼女の目が光っている。
真っ赤な両眼が彼をにらんでいる。
そこにいるのは、愛する妻ではなかった。
man in black だった。
ソンナ。
バカな。
黒服の男だった。
真紅の目をした不吉な男だった。

「おまえは、呪われる。呪われる」

いままでもなんども聞こえてきた声だ。
遠い記憶の果てから聴こえてくる禍々しい声。
幾重にも重なり合った記憶の底のほうからある光景が浮かびあがってきた。

「見ないで!! 」
上のほうで母の声がする。
ふりむこうとするのを金切声でとどめている。
病院のフロントだった。
彼の顔は母の胸にだきしめられていた。
だが、そのほんの一瞬に、彼はみてしまった。
黒服の男が担架の脇につきそっているのを。
にやにや満足そうに笑いながら瀕死の怪我人のそばに。
へばりついているのを見てしまった。
担架とともに、廊下を移動していくのを見てしまった。

「見たな。おまえには見えたのだな。そのうち、また会いにくるからな……」

非日常的に暗い。
遠近法を無視している
先にいくほど極端に狭くなっている廊下。
男と担架は遠ざかっていった。

「わたしたちには、見てはいけない死神が見えてしまうの。聞いてはいけない死神の声が聞こえてしまうの。だから呪われるの」

悲しい母の声がする。

「めだたないように……静かな生き方をしてね。見つかると……」

母の声そこでとぎれてしまう。
 
妻が受話器をもったまま動かない。
動けないのだ。
不動の姿勢。
いつになったら金縛りはとけるのだろうか。

「収穫だ。収穫だ」

受話器をもった妻の口から死神の陰気な声がする。

だから、でるな、といったのだ。電話はきらいだ。




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超短編 21 バラの香りにいやされて  麻屋与志夫

2012-10-22 08:47:03 | 超短編小説
バラの香りにいやされて

ぼくは匂いにすごく敏感だ。
嗅覚過敏といってもいい。
そのぼくの、このところの悩みは、玄関をでると隣家の一階から『お焦げ』のニオイがすることだ。
すごく焦げ臭いにおだ。
小さな換気扇からにおいはただよってくる。
換気扇のまわりの壁には黒い油脂がこびりついている。
銀蠅が群れをなしてうるさくとんでいた。
火事にでもなったらたいへんだ。
ぼくは三階建の隣家をみあげる。
隣家の玄関はこの一階にはない。
道路に面した三階にある。
だから、道路をあるくひとにはこのニオイはとどかないのだ。
ぼくはこの焦げ臭いニオイに、異常にこだわる。
学校のカウンセラーのせいせいにいわせれば、精神的なものらしい。
ぼくは小学校のときに母に死なれている。
それも目の前に母が三階から落ちてきたのだ。
父の遺影をしっかりと胸にだいていた。


きゅうに、こんなふうに語りだされてもとまどってしまうでしょうね。
すこし説明します。
わたしの住む街は舟形盆地にある。
したがって、斜面に建っている家が多い。
道路に面した玄関が三階だったりする家がある。
隣の家がそうだ。
吉野地方にそうした家があることから『吉野建て』というらしいですね。
ぼくの近所には、そういった家が立ち並んでいる。

父はぼくがまだ小さなときに交通事故で死んでしまっていた。
だからぼくは、母が焼失するのを必死で守った、たった一枚の写真でしか父の面影をしらない。
あの火事のとき「お父さんの写真とってくる」
とぼくを下の庭にのこして三階にかけもどった母。
煙に巻かれて三階の窓から転落死した母。
あのときからぼくは火事のにおい。
ものの焼け焦げるにおいになやまされている。
運動部にもはいれない。
だって、汗のにおいがコゲクサク感じられる。
吐き気がしてしまうのだ。

というわけで、嗅覚過敏症のぼくは隣家からにおってくるお焦げのにおいに恐怖すらかんじている。
もし……ぼくが学校からもどったときに、辺一地帯が焼け野が原になっていたらどうしよう。
どうしょう。
もう……こうなると病気ですよね。
相手にされないとはおもったが、ぼくは学校の帰りに、交番によってみた。
ぼくの心配をお巡りさんにはなしてみた。
親切なおまわりさんは、ぼくのいうことに耳を傾けれてくれた。
耳をかたむけただけではなく、ぼくについてきてくれた。

「これは焦げくさいにおいじやないぞ。腐臭だ。ものの腐ったにおいだ」

隣のオバサンはたすかった。
老人夫婦だった。
オジサンの腐乱死体のかたわらで添い寝して、オバサンはまだ虫の息で……死なずにいた。
女の人の愛の深さってすごいなとおもった。
くさくて、ぼくだったら逃げだしていたろう。
衰弱死した夫の傍らでオバサンは生きていたのだ。

ぼくは母のことをおもいだしていた。
いつも父の遺影にはなしかけていた母。
そしてバラの花をまいにち仏前に供えていた母。
「バラの花は仏前にそなえてはいけない」
と、いうひともいるのよ、とつぶやいていた母。

おもうに母も父も匂いには敏感だったのではないだろうか。
それとも、バラの花に特別なふたりだけのおもいでがあったのかもしれない。
 
ぼくは、母の残してくれたプチバラ園のアイスパークやゴールド・バニーにジョウロで水をやっていた。
隣の家からは焦げくさいにおいはしていない。
いや、ぼくの嗅覚はバラの匂いでみたされている。

ふりかえると、そこからもバラの匂いがしていた。

「救急車がタカシクンの家のほうにいったっていうから。心配で……」

バラの匂いがする。クラスメイトの女の子がいる。

お焦げの臭いはしなくなった。


  アイスバーグ

   
 
  ゴールドバニー

    



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頭が寒い。懐も寒い。師走がくるぞ。 麻屋与志夫

2012-10-20 05:59:09 | ブログ
10月20日 土曜日

頭が寒い。懐も寒い。師走がくるぞ。

●頭が寒い。
ひんやりとした冷気のなかで、目覚めてみるとまだ5時だ。
室温10°。
寒い。
エアコンをつける。
きょうは、夜の普通の時間帯の塾は休みだ。
家庭教師コースはある。
午前中に2時間。
午後5時間。
よくがんばりますね。
とじぶんをほめてやる。
だれも、ほめてくれないからじぶんでほめる。

●母が、ひとにほめられるから、なにかするのでは、ほめられなかったらどうするの。
なにもしないの。
ひとにほめられなくても、勉強は率先してやること。
そう教育してくれた。

●そろそろGGも母が逝った歳になる。
じぶんのことをじぶんでほめてもいいよね。おかあさん。
励ます意味で「よくやってるな」くらいの言葉はかけても許されるだろう。

●この地方の中学では、『根性』をいれるとか、試合に負けたから『反省』。
などいう意味合いから、むかしながらの体育系の習慣で、頭を丸刈りにする。
青い頭はやたらと長く伸ばした髪よりは清潔感がある。
見た目はいい。
生徒たちの心はどうなのだろうか。
丸刈りにするのを反対するような子はいないが……。

●これが都会の学校だと事情はことなってくる。
無理にでも、丸刈りを学校側が強制しても、問題とはならないだろうか。
いや、なるだろう。

●寒い。
冷たい。
空気がひんやりするよ。
と教室にはいってもフードをかぶったままの子がいる。
風を引いた生徒もいる。

●むろん、根性刈り。
と、風邪をひいたことにははっきりとした因果関係はないだろう。

●朝起きた。
あまり頭が寒い。
こちらは頭髪が薄くなったから寒いわけだが、
にわか坊主頭になった生徒がこの時間には朝練で学校に急いでいることをおもうと、
身がひきしまった。

●GGはさいきん、ものごとを、いいわるい、で判断しないようにしている。
さくじつも書いたが、郷に行ったら郷に従え、無闇と批判的な発言はしないようにしている。

●みんなが満足していればそれでいいではないか。
なるようになる。
流れはとめられない。

●でも、じぶんには甘くない。
さらに、厳しく己を律し、勉強している。
だいたい、睡眠時間が短くて済むから、おおいに助かる。
冬にかけて、カミサンが掘り炬燵を準備してくれている。
あすからは、コタツで目覚めることになる。
頭に冬帽子をかぶって――。

●坊主頭の生徒たちに負けないように小説を書く。
根性をいれて、がんばりぬかなければならない。

●こうしてじぶんをほめたり、
励ましたりするのは、
やはりGGになって気力が萎えているからなのだろうな。

●寒い。
つけたはずのエアコンがついていなかった。

●そういえば、懐も寒いのだ。
月曜日までには『生徒募集』のチラシのコピーをかんがえなければならないのだった。
でも、チラシで生徒が集まるだろうか。不景気だからな。こちらも、不安だ。

●師走がくるからな。


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