田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

いまこそ戦うときだ イジメ教師は悪魔の顔/麻屋与志夫

2011-10-09 08:21:42 | Weblog
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「わが尾形の一族は『蛇神性』のもの。植物や人の豊穣、繁栄を司る者。道祖神。その周囲の人を守護する蛇神の末裔なのよ。玉藻の前さまに使えた、九つの九尾部族のうちの1つ。尾形一族の子孫なのよ。そしてあなたたちは、その尾形と成尾の純血種。人狼を感知できるものなの」    

その心にひびく声。
いままで分からなかったことが、あきらかになった。
それですべての謎がとけた。

いままでの苦難の道はこの境地にたつための試金石だったのだ。
すべての記憶に中の不可解にことが氷解した。
すべては九尾族の玉藻の前が人狼に追いつめられて。
那須が原で滅びたときにまでさかのぼる対決だった。

勝平が敗戦の年。
「逃げて」という言葉によって死を免れたこと。
並子の母、鹿子の声をきくことができたのも。
その声に導かれるようにして、並子とあったのも。
ご先祖様のお導きだったのだ。

親子三代イジメにあって苦しんできたことも。
すべてこの対決のときのためだったのだ。
じぶんたちを生かしつづけてくれた地霊。
そしてご先祖様。
わたしたちは、その恩義にむくいなければならないのだ。
わたしたちが現実の歪みを改める。
わたしたちならできる。
その能力を、それができる力をわたしたちにあたえてくれたのだ。
わたしたちしかアイツと戦うことはできないのだ。
わたしたちが戦うのだ。
どうしょうもない。
戦いは避けることができないのだ。
戦わなければならないときには。
戦わなければならないのだ。
戦うことを忘れた回避しょうとしているものには。
平和を守ることはできない。
この期におよんでは、臨戦態勢にはいることだけだ。
そのために、一族が滅びても。
わたしたちの代で終わりをつげたとしても。
戦かわなければならないのだ。      
戦うことしか、この異常な苦境を乗り越える道はない。
おれたち男が三代そろったのもそのためだ。
三人が能力に目覚めたのはコイツと戦うためなのだ。
そうときまれば作戦をねることだった。


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