田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

わたしも妻のコレクション。 麻屋与志夫

2023-05-27 07:02:47 | ブログ
5月27日 土曜日
ぎやまんの小鉢に水をはり花がいけてある。
花は紫のクレマチス。
水面にかぼそい茎とともに浮いている。
水面からはかすかに浮いているようでもあり、触れているようにもみえる。

これはうつわが透明なので光で屈折しているための効果なのかもしれない。

ルナがわたしにつきあって早朝だが起きてきてきた。
この花を避けて、花に触れないようにして水をのんでいる。
猫は野生がこんなところにも生きているのかとおもう。
床の間の花瓶から、いたるところ水のある所からひたひたと小さな舌をだして水をのむ。

妻はひとしきり「うつわ」にこったことがある。
九段にある「花田」や神楽坂の「うつわや釉」。東京中のうつわ屋さんを巡り歩いたものだ。
このうつわはどこでかったのだろうか。
道化師の面や像を集めたこともあった。
この趣味はキングの「IT」の道化師があまりに不気味だったので早々にやめてしまった。

収集癖のある妻だ。
器から水を飲んでいるルナを眺めながらいろいろ考えたものだ。
わたしも彼女のコレクションのひとつなのもしれない。
auctionにかけられないように注意しなれば!!



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なにげない幸せ。 麻屋与志夫

2023-05-26 13:30:08 | ブログ
5月26日 金曜日
わが家には中道がある。
わずか一メートルほどの幅。
玄関から勝手口まで十メートル。
昔、裏で座繰り式のロープの片撚りをしていた。
それをさらに三本に撚り合せる。
遠い切通しまで運んだ。
片撚りのままでは未完成。
思い荷物を運び出す。
そのためにこの中道が必要だったのだ。

玄関で待機しているルナをさける。
裏の勝手口からでる。
裏木戸を開ける。

驚いた。しばらく歩かないうちに、苔が青々と息づいている。
裏の板塀の上に蔓バラ。
スパニッシュビユテイが顔をだしている。
わずか四輪ほど。
五月の風にゆれている。
なにか幸せな気持ちになって歩きだした。

ところがいけない。
このところ歩いていなかった。
体がふらつく。
五分ほどあるいてショボント戻る。
門扉をひらくと薔薇のいい匂いがでむかえてくれた。

胸いっぱいすいこんだ。
玄関を開ける。

あらあらルナがまだ待機していた。
ルナは待ってましたとばかり、庭にとびだした。


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ムカデがコタツの天板の上に現れた。 麻屋与志夫

2023-05-23 13:14:06 | ブログ
5月23日 火曜日
濃い。
オレンジ色だ。
なんと掘りごたつ。
天板の上にふいにあらわれた。
ムカデだ。
わたしの体に戦慄が走る。

過去に、殺すのもかわいそうだと、テッシュでとって捨てようとした。
刺された。
慈悲のこころも、ケースバイケースだともじどおり身をもって学んだ。
痛み、そして体が震えだした。
娘が車で帰省してきていたので、病院につれていってもらった。

その記憶があったから。
ムカデをみただけで震えがきたのだろう。
こんどは、注意して手元にあったコピー用紙でおさえこむ。
ひねりつぶした。
あまり気持ちの良いものではない。

ルナはアメリカンショートヘアーだからハンターだ。
その習癖を受け継いでいる。
毎日、部屋の隅々を獲物をさがしてあるいている。
もしムカデにさされたらどうなるのだろう。

カメムシを食べよだれを垂らし苦しんだ猫のことがブログにでていた。
平然と二階から降りてきたルナに
「ルナ、この部屋にいなくてよかったな」
おもわず声をかけてしまつた。

猫愛のつよい爺だぁ。


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レッドダビーのルナに触れていると。癒される。 麻屋与志夫

2023-05-19 21:56:01 | ブログ
5月19日
ためらいがちななにか救いを求めるような手のひらが、
ルナのやわらかなレッドダビーの体に触れた。

かすかに苦悩がうすらぐような兆しがして、わたしはそのままルナに触れていた。

「便座のなかはゲリラ豪雨だ」と妻にジョークで報告する気力はあったものの、
暗黒の中におちこむようにルナとともにベッドにころがりこみ、
えもいわれぬ恐怖におそわれそこからぬけだそうとルナにすがっていたのは、
父が直腸癌で下痢をつづけて、
部屋中父の排泄物の臭いがみちみちてくる過去の悲惨な生活を思いだし、
それがいま現実のものとなったらどうしょうと、
意識が過去に飛び破局がおとずれるのか、
この歳まで生きてこられたのだから余り生に執着しないほうがいいいと、
わたしをつつみこむような恐れと戦う気力を、
ルナのあたたかなはだざわりからうけとっていた。

ルナにはとかく萎えがちなわたしの気力に精気をふきこんでくれるような、
癒しの効力があるのだと悟っていた。

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愛猫ルナに癒される日々。麻屋与志夫

2023-05-19 07:54:43 | ブログ
5月19日 金曜日
寝室がそれだけではない。
まず壁際に本棚が並んでいる。
机がある。それも三か所にある。
どちらかといえば、書斎を寝室にしたようなものだ。
ソファがある。
過日。ルナがその上で寝ていた。
ほとんど同じような色なのでわからなかった。
妻と「ルナルナルナ」
いくらよんでも返事がない。
ところがソフアでぐっすり眠っていた。

昨夜はおおさわぎ。
いつもならわたしたちの呼びかけに応じて、どこからともなく現れるルナ。
それが、いっこうに姿を見せない。
知らぬ間に、外庭にぬけだしてしまったのか。
二階でこの暑いのにねているのか。
家の隅々まで探したがいない。
あきらめかけていたら、
わたしのベッドの頭の先にあるイチゴの箱のなかから、
ヒヨッコリかおをだした。
老夫婦にとってルナは子供も同然。
食事も寝るのも一緒だ。

先日は激しい下痢に悩まされた。
くるしかった。
ルナにさわっていると、
不思議と苦しみがうすらいだ。
ルナはあと15年は元気に生きているだろう。
三人一緒にあの世にいきたいわ。
と妻がいう。
そうするとわたしが105歳。
妻が100歳。
頑張らなくちゃ。



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ネズミの糞。箒。古い卵。母。 麻屋与志夫

2023-05-18 07:12:29 | 夢見るGGの夢占い
5月18日 木曜日
おかしな夢をみた。
もともと夢は現実とちがうのだら、おかしくてあたりまえなのだ。
粗末な絨毯のはってある奥の部屋がネズミの糞だらけだ。
黒くかわいてコロコロした糞が床をおおっている。
わたしは鹿沼箒で一生懸命にはきだそうとしている。
ところがうまくいかない。

そこへ母が来た。
「それは、箒がふるくなったからだよ」と教えてくれた。
わたしは納戸(なんど)にいく。
箒がいっぱいさがっている。
いちばんあたらしそうなものを選ぶ。

もどってみると、母はまだ掃除をしてくれていた。

ふいにコンロがあらわれる。
卵をとかして煮ている。
母が味見をした。
「これは卵がわるくなっているよ」
母のそう教えてくれる。
母の顔ががやさしくてうれしかった。
ここで、現実にもどる。

「家には猫がいるのに、どうして、ネズミがいるのだ、わたしはつぶやく……」
いやそれも夢の中だった。

判断が出来ない夢だ。


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白日の下、わたしは小説家です、言いたい。 麻屋与志夫

2023-05-16 10:15:19 | ブログ
5月16日 火曜日
寝室の高窓から朝日がさしこんでいる。
少し寝過ごしたようだ。
はたせるかな、六時。
晴天だ。

裏の廊下から青空の元、古賀志山がすっきりと見える。
きのうは、妻があまりの高血圧(うえが、180下が105)で心配して上都賀病院へ。
医師の診断は心労性。
思い当たることがある。
今週の月曜日12日にわたしが倒れた。
起き上がったが足がもつれて歩けない。
すわ、またしても脳梗塞とタクシーをたのんで救急外来へ。
MRをとる。
脳の血管には異常なし。

無病息災というが、わたしは四百四病。
五歳で疫痢。
きれいなお花畑をみたが母の孫太郎さん信仰のおかげと医師のおかげで、
臨死体験はしたものの生き返った。

翌年は大腸カタル。
小学校二年生までは学校は半分の出席日数。
二五歳で胸膜炎。
五十八歳でC型肝炎。
七十で前立腺がん。
八十代になって脳梗塞二回。

これでは、妻の心労はいかばかりと推測する。
愛猫のルナとともに死期を迎えたいと願っている。
ということは、百五歳。
あと十五年は生きていかなければど意気込んでいる。

目下金欠病。
貧乏神を背負っての境遇。

なんとかまた、小説でまた食っていけるようになりたい悪戦苦闘。
初心にもどって『小説の書き方』から勉強している。

五月晴れの一日がはじまる。

わたしは小説家です、と晴天白日の下で胸をはりたいものだ。

作品を読んでもらえなければ、小説家ではないから。


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股間に尿瓶をさげて♀キングコングを誘惑したい。

2023-05-15 18:01:42 | ブログ
5月15日
股間に尿瓶をさげて♀キングコングを誘惑したい。

掘り炬燵で小説を書いている。
毎日、売れる当てのない小説を書いている。
書き疲れると、そのままパタンと横になる。
枕が常備されている。
まことに心地よい。
まもなく涅槃寂静の境地に遊ぶ。
やがて眠りにつく。
まあ、まあ、ここまでは誠によろこばしい、
ことながら、
起きるときが困ってしまう。
腕の力がない。
腕をつっぱって身体を起こそうとする。
なんども失敗。
なさけない。
なんどやっても同じ。
それで、最近ダンベルで鍛えている。
ところが胸や腕の筋肉が悲鳴をあげる。
もうよしてよ。
痛い。
いたいと。
夜泣きする。
夜泣きするくらいならいい。
胸が痛むと胸膜炎。
胃が痛むとほんらい癌は痛まないときいているから、
これでは胃がんステージ4。
あらぬ疑い、妄想の世界にとつにゅうして、
夜が恐怖となる。
さきほど、
涅槃からさめ、
起き上がろうとしたが、
起きられない。
このところ多忙をきわめダンベルの鍛錬を忘れていた。
なんど、腕をつっぱっても。
だめ。
ダメ。
ダメだぁ。
そのうち、ふいに尿意をもよおし、タラタラ。
じょ。
じょうじょう。
便座ならぬ。
パンツのなかにたまっていた尿をすべて排出してしまった。
こんなみじめったらしいことはない。
漢字で書くと惨め。だよな。
英語だと、miseryだ。発音が似てるじゃないか。
いくらか元気になってきた。
呆然自失の状態で、はきかえのパンツに片足をいれたままでさらに考えた。
こうなったら、いつも尿瓶を身近におかなければならない。
……それで上記のタイトルです。
爺は元気になりました。
下ネタ。
下品でごめんなさい。



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薔薇も猫ちゃんのルナもみんな人間と同じだ。麻屋与志夫

2023-05-12 10:57:52 | ブログ
5月12日
五月の庭で薔薇が咲き誇っている。
でも、誰も見に来てくれる人はいない。
コロナだからあたりまえだ。
妻とわたしだけで「よく咲いたね。きれいだよ」とほめてやる。
花房が嬉しそうにゆらいでいる。
蔓バラの、スパニッシュ ビューティー。
純白のアイスバーク。花言葉は、「清純」。
わたしはこの薔薇がいちばん好きだ。
もっとも、庭にはまだかなりの薔薇があるのだが、
名前はわすれてしまった。
花をみていて最近、あいては植物なのに、恋愛感情をおぼえる。
ただたんに、美しいと鑑賞しているだけでなく、唇をよせたくなる。
まえに、猫は長生きすると猫股になる。
人間は長生きすると、どうなるのだろうか。
とブログに書いたことがあった。
これがその答えだ。
万物の霊長たる人間、動物、植物の境が溶けてきている。
なにかみんな、その境界がなくなりおなじように感じてきた。
裏山を見あげても、竹林が大盛況。
手入れをしない山は竹林となると、どこかで読んだ気がする。
元気に勢力範囲をのばす竹はいいが、
ほかの木々が悲しみの声をあげているのが聞こえてくるのだ。
動物の猫ちゃん、
わが愛猫アメリカンショートヘアーのルナなるともう子供と同じ。
ルナの考えていることもよく理解できる。
上目づかいにみあげられた。庭にでたいといっているのだ。
ブログ書いてからな、というと、おとなしく引き下がって、
離れの座敷のほうに、行ってしまった。
ルナもこちらのいっていいるとがわかるのだ。
このへんで、ブログを書くのはやめにして、
掘りごたつから、よっこらしょと立ちあがることにする。
といっても、いっきには立ちあがれない90歳になる翁なのであります。



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