田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

次回作は「クノイチ48帝都に散る」です/麻屋与志夫

2011-10-20 17:43:39 | Weblog
10月20日 木曜日
プログです。

●「イジメ教師は悪魔の顔」は9月5日に連載をはじめた。
今日で一応「完」という一字を最期の章の、
そのまた終りの文章の後に書きいれることが出来ました。

●シリアスな話題におつきあいいただきありがとうございました。
我田先生が教え子の首にカッターナイフで斬りつけるところからがフイクションです。前半はほとんどわたしが経験したことだけに書くのが辛かった。

●ですから、この小説の着想は25年も前からありました。
いや誠と勝平のイジメなどはむろん、それより前の出来事です。

●すぐにでも、書きたいと若い時から焦っていました。
でも内容があまりに実際に起きたことに近いために躊躇われました。

●そしていまわたしも老いました。
あの当時の先生は、もうこの世にはいません。
それで勇気をもって、それでも故人をあまり辱めないようにと配慮しながら書き上げました。

●教師から受ける迫害ほどこわいものはありません。
生徒は逆らえませんから。

●わたしがいま教師をしているだけにそれがよくわかります。
いかに生徒のこころを傷つけずに授業をつづけるか配慮しています。

●さて、次回からはフイクション。
わたしのシリーズもので、一番人気の「クノイチ48」になります。
ご期待ください。

●面白い作品を書くことに徹したいと思います。


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最終章 イジメ教師は悪魔の顔/麻屋与志夫

2011-10-20 08:30:02 | Weblog
9

「翔太」
「なんだよ」

ボクはミュウと話していた。
ミユの鳴き声をきく。
ミュウの心がよくわかる。
ことばが理解できる。
ボイスチェンジャーをつけているみたいだ。

「わたしをひろってくれて、ありがとう」
「ボクこそミュウとであえてうれしかった。神沼でのたったひとつのたのしい思い出なんだから……」
「わがはい猫である。名前はムック」
ムックも喉のあたりから血をながしていた。
猫の死骸。
チョウたくさんの猫が死んでいる。

ミュのよびかけに応じて集まってきた猫たちだ。
みんな死んでいる。

ミュウもムックもその仲間入りすることはわかっている。
これだけの裂き傷をうけてよくいままで戦ってくれた。
いままで跳び跳ねて人狼と戦っていたなんてウソみたいだ。

ムックがきどっている。
ぼくの悲しみをやわらげようとしているのだ。
けなげなやつだ。 

「これいちど、やりたかったんだ。わがはいは猫である」

そして、目を閉じだ。

ミュウがムックをぺろぺろなめていたが、やがてそれも出来なくなった。
ムックの背に頭をのせたまま動かなくなった。

「また……かわいそうな捨て猫をひろってあげて、翔太。オネガイ」

ミュウとの別れだった。
雄の黒猫がミュウをペロペロなめている。
かなしみをこめてなめている。

その目には涙がある。
涙をこぼしているよう見える。

ムックが死んだ。
ミュウも死んだ。      

狼と戦って死んだ。

勝てるはずのない人狼と戦いでおおくの猫が死んだ。

ぼくは、庭の隅に猫の墓をたてよう。
ミュウとムックの墓を、2匹の愛する猫を埋めてやる。
戦没した名もない猫たちの墓も作るのだ。

寒がりのミュウはぼくの服でくるんでやる。
いつまでもいっしょだ。

翔太は泣いていた。
泣きながら2匹をだきかかえると、父の待つ4駆動にちかよっていった。

「キャツ。ありがとう。みんな、みんなりっぱだったよ。ありがとう」

10

誠は必死で携帯をうちつづけていた。

「はい」
やっと妻がでた。
「美智子、なにかかわったことないか」
「そっちは大変ね、北小が燃えているわ。テレビでやってる」
「こっちはだいじょうぶだ。それより警戒するんだ……」
「ちょっとまって、こんな朝早くから宅急便かしら」
「でるな!!」
ピンポンとかすかなインターホンの音。
「でるな。だめだ」

勝平が血だらけの体で寄ってきた。
「どうした。誠、なにかあったのか」
かすかに東京のマンションで妻とふたりの娘たちがあげた悲鳴がきこえた。
それっきり携帯は切られてしまった。
なんど呼び出しても、こんどはつながらない。

「井波のやつが動きだしたのだ」
「おとうさんは? どうする」  
「心配するな。小野崎さんがいる」
小野崎がうなずく。  

「まかせてくれ」
「小野崎なにか話があったのだろう」
「ぼくは離婚した。そのことはあとではなす。誠はやく東京へもどれ」と小野崎。

勝平は思う。
おれは元気になったらここに住みつこう。
どうしてそのことに気づかずにいたのだ。
この部落を再生してみせる。                          
勝平はわかわかしい夢を見ていた。

おさない並子が部落の奥から走ってくる。
                      
                       完


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悪魔を憐れむ イジメ教師は悪魔の顔/麻屋与志夫

2011-10-19 13:45:46 | Weblog
8

「ぼく我田先生のことウランデなんかいないからね。先生は人狼に憑かれていたんだ。のっとられていたんだね。人狼のいいなりに動いていたんだ。先生が先生でなくなっていたんだ。先生もかわいそうな犠牲者なんだ」

あれほど迫害を受けたのに翔太は泣いていた。
我田先生のために泣いていた。
恨みをのこしていない。

たとえ、悪魔にたいしてでも、完全な憎しみをもってはいけない。
慈しみの心で敵を許すのだ。
悪魔は堕天使だ。
かつては、神に一番近い天使だったのだ。
愛の一かけらくらい、まだのこっているはずだ。
その愛に訴えかけてやるのだ。そうすれば……。

「こうやって、ぼくらは戦ってきたんだね。ジイチャン。勝平ジイチャン。悲しいことだね。でもぼくらは戦いつづけなければらないんだ。セツナイね。むかしから、戦いがつづいてきてるんだね。はやくおわりにしたいね」

「そうだ。戦いのない明日のためにおれたちは戦いつづけてきたんだ」

「ありがとう、ジイチャン。いろんなことがわかってきたよ。戦いのない明日のために、いままたぼくらは戦いはじめたんだね」

ボクはこのとき気づいた。
ジイチャンの体からは血が流れていた。
背中に人狼にひっかかれた深い傷があった。
ぼくはパパに教えた。

「心配するな。これくらいの出血では死にたくてもお迎えがくることはない」



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外皮を脱ぎ捨てて イジメ教師は悪魔の顔/麻屋与志夫

2011-10-19 11:43:53 | Weblog
7

「これでおわりだ。銀の弾だ」
人狼の体が中空にはねあがった。
地面に落ちてきた。
着地したとたんに、副谷の体となって溶けていく。
井波の体はすぐには溶けださなかった。
しぶとく人の体のままで大地でのたうっていた。
しかし……ドロッとした粘液になっていく。

「この体にはあきあきしていた。もうこんな古い外皮は必要ない。はやく脱ぎ捨てたかった。だがおれは滅びない。器はいくらでもある。またすぐ会えるからな。それに……いまごろ東京でなにが起きているか。楽しみだ。翔太、おまえのに入院した病院は井波総合病院といわなかったか……」

その言葉が誠を恐怖のどん底へ落とし込んだ。
誠は携帯を打つ。
妻のいる東京のマンションへ。

「どうしてなんだよ。どうして我田先生までここにいたの? ひとの姿のまま、先生だけ死んでいるの? 最期まで狼の奴隷としてシンジャッタの?」

人狼に魂まで侵されていた。
我田先生が倒れている。

まだこのとき、翔太は知らない。
我田先生が学校に放火してきたことを知らない。
日本最古の木造校舎の神沼北小学校が全焼したことを知らない。
黒川がある。
日光杉並木が聳えている。
森の奥の尾形部落だ。
ここまでは火事の騒ぎは伝わってこない。
だれもまだ知らない。 
明日に成れば。
焼け跡から白骨が累々と発見されることを。
白骨はかなり古いものもある。
白骨が栃木県警の鑑識に委ねられて公表されるまでは。
まだなにも知らない。

人狼のいいようにあやつられて。
生徒たちを虐待し。
あげくのはてに。
担任クラスの生徒をきりきざんだ女教師。
はったと虚空を睨んだ我田の目にはまだ狂気が宿っていた。
勝平がそっと瞼が閉じるように。
手のひらでなでおろした。

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人狼の餌場 イジメ教師は悪魔の顔/麻屋与志夫

2011-10-19 04:22:22 | Weblog
6

「勝平。いつかは、キサマとこうして対決できると……。たのしみにしていた」

悪魔的存在。
そのあらわれ。
である人狼がニカット歯をむいた。
井波少尉の顔になっている。

「キサマの肉はうまそうだ」
「どうしておれたちにアダなすんだ」
「人が苦しむのを見るのが好きだ。われわれには栄養源――元気の元になる。おまえたちの肉を食らうのが好きなのだよ。おいしいからな。ただそれだけの理由からだ。おまえたちの苦しみが、肉が、人狼の食料だ。この街はおれたちの餌場なのだ。ただそれだけのことだ」
「人狼、あんたらには理性はないのか」

パパは人狼たちに切りつけた。
低くかまえた剣がきらめいた。
月の光を断ち切るように、鋭く人狼を下から薙いだ。
たしかに人狼は月光の下では活きいきとしている。
人狼の足がドタっと地面に落ちた。

猫が群がった。
人狼の群れが井波を副谷を庇った。

周囲に盾を形成した。

乱戦。

そしていつのまにか、小野崎のおじさんがパパのよこにいた。

「たしかに見たぞ。こんなヤツが――これが学校に棲んでいたのか。この人狼が息子の敵だったのか!! 慧をイジメテいたのか」

悲痛な声をあげた。
ぼくらはみんな円陣をつくった。
回りにはまたまだ敵がいる。
とり囲まれた。

「ミユ、ムック。ボスだけをねらうんだ」

ぼくはパパと力を併せて念波をボスである井波に浴びせる。

もう戦うことが楽しくて、楽しくて。
だってこれって体ごと参加できるゲームだ。
ゲームの世界のぼくはヒローだ。
いままでだってこうして戦えばよかったのだ。
戦いなんだ。
ぼくらは戦うことを学ばなければならなかったのだ。

いちばんたいせつなことをぼくは避けて、逃げていた。

食うか食われるか。
殺すか殺されるか。

この世にはほんとうに悪魔がいるのだ。
悪魔とは戦わなければ、こちらが滅ぼされちゃうんだ。
いつでも、ぼくらには敵がいる。
悪魔がいる。

じぶんのために、次は愛する家族のために戦う。
そして、街のために。
故郷を愛することを忘れるな。 
家族を守ことを誓え。
武装するときがきたのだ。
じぶんたちのことはじぶんで守るのだ。
カツヘイジィジィの口癖だ。  
ジイチャンの教えだ。

これは男がわすれてはならないことなのだ。
ジィジィが人狼のボスに拳銃をうちこむ。


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死闘 イジメ教師は悪魔の顔/麻屋与志夫

2011-10-18 09:36:57 | Weblog
5

ジィジィがおおきくウナヅク。
ボクハジィジィと背中合わせで狼の群れとむかいあった。

「誠。これで戦え」
ジィジィが日本刀をパパにわたした。
ジィジィは胸のホルスターからケンジュウをぬきだした。
カッコいい。
ジィジィは傭兵だった。
ジィジィは厚木にアメリカ軍の特殊空挺隊にいたことがある。
ホントウだったのだ。
拳銃で戦う勝平ジィジィをはじめて見た。
モウマルマル劇画、ゲームだ。

それも等身大のバーチャルの世界だ。
バーチャンも生きていればよかったのに。
いやちがう、あの竜は並子バアチャンだ。
そのまたバーの貞子、そしてムカシカラのバーチャンがボクラを守っている。
共に戦っている。
いつでも、ボクラ家族は一体となって生きている。

九尾族の尾形の真っ赤な血。
不滅の家系なんだ。

ママはいつもうちの家計は赤字だ。
赤字だといっている。
コレジョーク。
いままさに敵の真っ赤に血がながれている。
これホントだよ。
ママに見せたい。
お姉ちゃんたちにも見てもらいたい。
真っ向から敵がおそってくる。

道祖神の在る道。
パパが戦っている。
竜がパパを守っている。
パパ。
がんばって。
狼なんかに負けないで。

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鉤爪の戦い イジメ教師は悪魔の顔/麻屋与志夫

2011-10-17 12:36:17 | Weblog
4

猫は鉤爪をたてる。
爪でひっかく。
爪をたてる。
人狼をきりさく。
からだの毛を総毛だてて猫は戦っている。
毛がたっているから大きく見える。
ただそれだけではない。
猫は倍もおおきくなった。

黒猫は黒豹だ。
ミュウとムックは虎だ。

狼なんかに負けるわけがない。
狼が倒れた。 
虎の爪でひきさかれる。
豹の爪でひきさかれる。 

倒れると人になる。
人の姿で死ぬ。
歪んだ顔は人にもどっている。
息ができなくて苦しんで死んだ顔だ。
ぼくの念波で窒息したのだ。
ころがった。
くるしんでいる。
痛がっている。

体にはえていた毛が消えていく。

黒猫がミュウとムックが吠えている。

人狼は顔が人間にもど。
くるしがると人間にもどる。
すると猫はソイツをおそわない。

虎のように巨大化した猫はつぎの敵にむかう。
黒豹が先陣をつとめてあばれまわっている。
狼はいくらでもいる。
群がっている。
あとからあとから現れる。
猫は戦う。
つぎの狼にむかう。

ボクはジィジィのところにかけつけた。
 
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気の放射 イジメ教師は悪魔の顔/麻屋与志夫

2011-10-17 08:00:49 | Weblog
3

胸の前で腕をくむ。
〈気〉の圧力がからだに満ちてくる。
怒りの蒸気となって全身をかけめぐっている。
手の掌に〈気〉を溜め。

一気に突き出す。
解放してやる。

敵に放射するのだ。
ノズルから放水されたように。
〈気〉が放射される。

劇画のヒローの気分だ

両手の平を人狼に向けて突き出す。
全神経を両手に集中する。
気が集まってくる。
気が濃くなってくる。
バッと突き出す。
手を敵にむけて突き出す。

青白い気を発射する。

炎が手の先からでる。
ボクは前から戦いかたを知っていた。
体が覚えている。
自然に動く。

ボクもパパも。
パパもボクも、両手を前につきだした。
手の掌を敵にむけた。
気合いをこめた。

「どけ、どけっ。ボクはジィジィを助けるんだ。ジィジィと一緒に、狼をやっっけるんだ」

狼が吠えた。
狼をはじきとばした。
狼がふっとんだ。
ジィジィのところまで道がひらいた。

猫が走る。
走る。
走る。
猫が狼の背にとびつく。
狼は背中の猫を防げない。
人狼にもどる。
二足歩行の姿になる。
人の手で猫を首筋から払いおとそうとする。


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ジイャン今助けに行くよ イジメ教師は悪魔の顔/麻屋与志夫

2011-10-16 18:24:27 | Weblog
2

わさわさと蛇が重なっていく。
竜になった。
空にとびあがった。
あれはバアチャンたちだ。
ボクのゴセンゾサマだ。
ボクには見える。
見えるんだ。
ひとには見えないものが見える。
あれはゴセンゾサマだ。

これは、ゲームだ。
リアルな世界ではない。
ゲームの世界なんだ。
ここでは、ボクは王だ。
バァチャルな世界の――。
勇者だ。
狼なんかこわくない。
負けないぞ!!
竜がおおきな口から火をふいている。

いいぞ。
いいぞ。

火は狼の群れにむかっておそいかかった。
火はまるで生きているようだ。
毛のやける、いやな臭いがする。
勝平ジイチャンが部落の中央、釣瓶井戸のそばで戦っている。
日本刀をきらめかせている。
ジイチャンが剣士だというのはほんとのことだった。

すごい。
人狼をきりたおしていく。
ボス狼にむかっていく。
副谷と戦っている。

でも、狼人間は大勢いる。
大勢いる。

「ジイジイ。ボクがいくから。負けないで。ボクも戦うから」

ボクたちの両サイドには蛇がいる。
蛇がボクたちを守っていてくれる。
ジイジイ。
ボクは叫びながら猫たちとつつこんだ。
狼にむかって進撃した。
どう戦えばいいのかボクのからだが知っていた。

超音波の〈声〉と〈気〉人狼の群れにたたきつける。

群れが両サイドに別れる。

そいつらを蛇がおそう。

海を別けて進んだモーゼの気分だ。

ぼくは進む。



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「永六輔 戦いの夏」を見る

2011-10-16 12:49:56 | Weblog
10月16日 日曜日
「永六輔 戦いの夏」を見る
●NHK。とっておきサンデーアンコール「永六輔・戦いの夏」をたまたま見た。
見たといってもラストシーンに近く、携帯を闇で光らせている群衆の場面からだ。
そのあとで、病院帰りのように見受けられたが、街頭でのシーン。
元気な顔をみてほっとした。
あれほどの弁舌家も声がもつれているのにはおどろいた。
やはり病気にはかなわないのだなとおもった。
それでも永さん、意気軒昂。
よかった。
よかった。

●永さんとは、なんどかあっているが、とおいむかしのことである。
名のりあったわけでもない。

●おもしろいことがあった。
河田町のT病院で5年ほどまえにすれちがった。
向こうでも「あれ……どこかで……会ったかな」というような表情をしてくれた。
なつかしかった。
モノカキは仲間の臭いがわかるんだ、とカミサンに得意になってはなしたものだ。
こちらはこのまま朽ち果てようとしている、売れない作家だ。
すれちがうときの、永さんのちょっとした視線にはげまされたおもいだった。

●もうひとつ。
南千住で「人間座」を主宰しているIさんが永さんと親交がある。
彼が出す芝居のパンフレットに軽妙なコメントを永さんは寄せている。
Iさんとは「21世紀の会」いらいの仲だから、ずいぶんながいつきあいになるなぁ。
ことしは、「人間座」の公演をみにいけなかった。
ざんねんだ。

●ひとはかならず、老いる。
友だちにも、不義理をしてしまう。
Iさん。
ゴメン。
らいねんはかけつけるからね。
えっ、おまえ、まだ走れるのか。
アヤ。
ことばの綾だよ。
ごめん。
ごめん。

●わが家の大谷石の塀の外にハコネウズキの枝がのびている。
その枝にカラスウリがなっている。
同じツルの同じ場所に、赤く色づいたものと青いままのカラスウリがなっている。

    

●わたしはふとたちどまった。
赤く熟れた実はつややかにかがやいていた。
わたしはその光沢のある実にともだちの顔をだぶらせていた。
作家や画家。
実業家として成功したともだち。

●わたしは青い。

    

いつまでも青いことばかりいっている。
世間智にたけたものにはいつもだまされている。
わたしは青い。
いつまでも青春していて、ビタースィートの小説ばかりかいている。
おとなをこわがらせるような、恐怖小説がかけない。
大人の読者をうならせるような推理物がかけない。
青い。
未熟。

●田舎町でほそぼそと「アサヤ塾」という学習塾をやって食いつないでいる。

●カミサンを旅行につれだしたこともない。

●北関東の小さな田舎町の裏路地の古い家のホリゴタツでまいにちブログ小説をかいている。

●これからだって青いままなのだろう。
熟することはないだろう。
秋風にかすかにゆれるカラスウリを見ながらかんがえていた。

    

●玄関のカギをかけているカミサンの気配がする。
カチカチとカギを閉めている。

●「おまたせ……」カミサンのハズンダ声。
買い物かごを手にしている。

●「なにみてたの……」



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