田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

春風をほほに感じた。 麻屋与志夫

2017-02-27 08:04:24 | ブログ
2月27日 Mon.

●さくじつは、しばらくぶりで東の高台にあるブックオフまで散歩がてらでかけた。
本棚が、おくのほうに陳列されていた。
入り口付近はCD,DVD,などの棚にかわっていた。
この配置替えはもちろん購買層を意識してのものだ。
やっぱり、ペーパーの本はもう衰退するばかりなのだろうか。
すこしさびしい。

●坂を下り府中橋にさしかかると川風がふきあがってきた。
春風。
ほほにやわらかくふきよせてきた。
ことしは、風邪をひかないように注意して、桜をみたいものだ。
さくねんは、家内が副鼻炎をわずらい、わたしも一月もかぜで悶々としていた。

●そのうえ、……リリが虹の橋の彼方にきえてしまった。
もうあれから、一年になるのだなぁ。



 

   


 



古い怪談のある栃木。いま新しい怪談誕生。恐怖、戦慄保証付き

栃木には大中寺の七不思議がある。特に『馬首の井戸』や、秋成の日本吸血鬼物語の嚆矢(こうし)ともいわれている『青(あお)頭巾(ずきん)』は有名だ。―― その土地は、いま外来種ル―マニヤ吸血鬼の侵攻(しんこう)を受けている。吸血鬼監察官の文子と龍之介は敢然(かんぜん)とその敵に立ち向かう。龍之介のジイチャン翔太も愛する九(きゅう)尾(び)玉(たま)藻(も)と、命がけの抵抗をする。二組の恋人同士が最後にたどりついた境地(きょうち)、1000年の時空(じくう)を超えた愛の不滅(ふめつ)の物語。あなたは恐怖し、そして純愛に涙する。











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5 皇紀2675の花の下にていま死なん。  麻屋与志夫

2017-02-06 09:11:00 | 超短編小説
5 皇紀2675の花の下にていま死なん。

平成27年の春だ。
戦後70年たっている。
その記念行事がいろいろとある。
年老いたものたちは、戦争中に使われていた、「ことしは紀元2600年」という標語をいまも忘れてはいない。
神国であり鬼畜米英には負けるはずがない。
必ず神風が吹くと、国民学校の先生が教壇で教えてくれた。
ことしは皇紀2675年にあたるようだ。
新鹿沼駅で降りた。
御殿山公園まで花見に東京からやってきたのだった。
小高い丘の上にある公園だ。
新垣結衣の「フレフレ少女」のロケにでた野球場が丘の上にある。
この坂道をのぼるのが、老人にとっては健康を計るバロメーターだ。
昨年よりは息切れがする。
ウグイスの鳴き声を聞きながら坂の途中で一休み。
いつもの桜の幹に壁ドンみたいな恰好で体を寄せる。
だいぶ息切れが酷い。
「GGになっちまったよ、道子ちゃん」
と桜の古木に話しかける。
――この桜はわたしが縁故疎開から東京にもどるときに植えたものだ。
隣の道子ちゃんと2人で植えた。
「こんなとこに植えてしかられないかな」
わたしたちの背丈ほどあった。
「記念樹だから。わたしとトオルの2人の思い出になるから」
坂道はまだ舗装されていなかった。
道幅もいまの半分もなかった。
路肩を焼夷弾の筒の鉄板でつくったシャベルで掘った。
「もう会えないの」
「会いに来るよ。ぜったいに会いに来るから」
「きっとよ。待ってるから」
幼い会話をいまでも再現できる。
「道子ちゃん。元気だった」
老人はごつごつした木の幹にはなしかけた。
根元がすっかり腐朽していた。
樹勢も衰退していた。
内側が空洞になっているからなのだろうか。
声をかけると幹の穴から音がもれでてくるようだった。
それが道子ちゃんの声に聞こえるのだ。
「待ってるから。まってるから。マッテルカラ」
ごつごつした黒い瘤と空洞のある桜が全身で恨みの声、泣き声をあげているようだった。
「いま少し待ってて、書き終わったら行くから。会いに行くから。まだ、道子ちゃんとぼくとのこと書いていないんだ。いちばん書きたいことを、さいごまで、残しといたんだ。能なしだから、なかなか書きだせないでいるんだ。傑作にしたいと欲張ってるんだよ。だってぼくと道子ちゃんのこと書くのだもの、後の世まで残る傑作にしたいよ」
道子ちゃんと植えた記念樹に会いにくるようになって、5年になる。
来る年ごとに、坂を道を登るときの息切れはひどくなっている。
いまだに、道子ちゃんとの思い出は小説としてまとまらなかった。

「道子はよっぽどトオルちゃんのこと好きだったのだね。中学を卒業すると東京へでたのよ。東京に行けばトオルちゃんに会えるとおもっていたのね」
5年前にはじめて帰省したとき、道子の母は100歳でまだ生きていた。
「立川まではいったらしいんだ」
「曙町の家は戦災で焼けてしまって……深大寺のほうに越してしまっていたから」
「基地の赤線で働き、体も心もぼろぼろになって帰って来たんだ。トオルちゃんに合わせる顔がないって、毎日泣いていたよ。泣き疲れて死んじまった。まだ17だったよ」
わたしにトカせたかった、トイテもらいたいとねがっていた、帯をこの桜の幹にかけてその重みで満開の桜が散った。道子は花に埋もれて息絶えた。
純潔で結婚するという、貞操観念がのこっていた戦後間もなくのころだった。

桜の老木は花が散ったら伐採されることになっていた。
老人がその老木に寄りかかって、抱擁している姿勢で息絶えているのを発見された。
老人は幸せそうなあどけない笑顔をしていた。

●また桜の季節がやってきますね。2015,04に載せた作品です。加筆したので再録しました。




 


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雨がふりませんね。

2017-02-05 18:51:05 | ブログ
2月5日 Sun.

●裏庭のデッキがすこし濡れていた。知らぬまに、小雨が降ったらしい。このところお湿りがない。たぶん、目白の学習院大学の前で濡れたのが最後だったとおもう。あのときも、傘をさすほどの雨ではなかった。孫の成人式の日だからまちがうわけがない。すると、もう一月ちかく雨が降らないことになる。

●男体山の雪も今年はすくなかった。真白に雪をかぶった日光の山々はいまのところみられない。こうゆう年は、春雪がどさっと降るのかもしれない。

●いずれにしても、庭はかわきにかわき、土埃が立ち、植物がげんなりしている。

●黒川で鴨の泳ぐのをみた。渇水期なので川床がみえる浅く流れる川に、ゆうゆうと鴨が泳いでいた。カミサンがカメラをかまえている。シャッターを切る音がかすかにきこえてくる。わたしは鴨をおどろかさないようにとカミサンからは遠く離れた場所で、カミサンがカメラを構えている姿を心のカメラでとらえている。いつまで、こうしたのどかな生活がつづくのだろうか。どちらかが、病気で倒れたらたいへんなことになる。

●この歳になっても、経済的に安定してはいない。自転車操業生活の日々だ。ぜったいに、病気をすることは許されない。だからこそ、そうした不安をかかえているから、健康に留意しているからいいのかもしれない。

●家にもどると、デッキの湿気はもう乾ききっていた。喉がかさかさするのは湿度が低いなかを水分もとらず歩きつづけたからなのだろう。デッキには外猫の足痕がくっきりと残っている。白く乾ききっていた。

   

   


 



古い怪談のある栃木。いま新しい怪談誕生。恐怖、戦慄保証付き

栃木には大中寺の七不思議がある。特に『馬首の井戸』や、秋成の日本吸血鬼物語の嚆矢(こうし)ともいわれている『青(あお)頭巾(ずきん)』は有名だ。―― その土地は、いま外来種ル―マニヤ吸血鬼の侵攻(しんこう)を受けている。吸血鬼監察官の文子と龍之介は敢然(かんぜん)とその敵に立ち向かう。龍之介のジイチャン翔太も愛する九(きゅう)尾(び)玉(たま)藻(も)と、命がけの抵抗をする。二組の恋人同士が最後にたどりついた境地(きょうち)、1000年の時空(じくう)を超えた愛の不滅(ふめつ)の物語。あなたは恐怖し、そして純愛に涙する。











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