田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

子猫を100匹も殺して埋めた老婆が室蘭にいた。 麻屋与志夫

2015-05-28 09:18:39 | ブログ
5月28日

●ショッキングなニュースだ。ごぞんじのかたも多いと思うが、北海道の室蘭での話だ。
女(72)が逮捕された。飼い猫が産んだ子猫を10年間にわたり100匹も殺していたというのだ。

●はじめ、このニュースの冒頭を読んだ時に、街猫を殺したのだろうとおもった。しかし事実はちがっていた。じぶんのところの、飼い猫が産んだ子猫を殺していてのだ。

●たぶん、猫が好きですきでたまらない老婆なのだろう。ただ、不妊手術をするお金がなかったのではないかと推察した。わたしのところでも、リリが迷いこんできて飼うことになった時、ブログに書いて置いたが、手術代を払うのはたいへんな負担だった。わたしは在る事情があって国民年金に入っていないので、そのほうからの収入はゼロだ。生活はしたがって楽ではない。それでもメスの飼い猫は不妊手術してやるというのがやはりどうしてもひつようだとおもっている。

●先代のミュ、ブラッキもいちどは子猫を産むよろこびをあじあわせてあげた。子猫に授乳しているときの母猫の目を細めた慈愛に満ちた顔をみるのがすきだった。でもリリにはその喜びをあたえてやる余裕がなかった。塾生も少なくなっているので、子猫を貰ってくれる人を探すことはできない。この街は犬ずきのひとは多いのだが猫ずきはすくない。VIVAのペット売り場でも、猫はほとんど置いていない。売れないのだろう。

●さて、話題をもどすがくだんの老婆もすきこのんでサデステックな心理から子猫を殺していたとはおもえない。貧困という悲しい現実があったのだとおもってあげたい。

●街によっては、猫の不妊手術代に補助金をだすところもあるときいている。

●いずれにしても、猫にクレイジィのわたしにとっては、いろいろ考えさせられる話題だった。

●今朝も、ブラッキ―とリリは朝の散歩にとびだしていった。
わが家の裏には草茫々の千坪近い空き地がある。
田舎住まいなので、外に出してもあまり近所迷惑にはならない。
それでも帰って来るまでは、色々心配する。
ムクムクの猫ちゃんを抱き上げる。
ほほずりすることをおもいながら――。
小説をこれから書きだすところだ。

●ブラッキとリリとカミサンとわたし。
四人の日常が今日もはじまったばかりだ。
歳のせいか残酷な話題には気が滅入ってしまう。
今日も、
なにごともなく、
平平凡凡な日でありますように。



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猫は史上最愛の寄生獣。 麻屋与志夫

2015-05-23 17:21:56 | ブログ
5月23日 土曜日

●猫は史上最愛の寄生獣ではないかと最近おもうようになった。

ふわふわのからだをすりすりされただけで、もうわたしは参ってしまう。

かわいいなんてものではない。

猫のためならなんでもしてやりたくなる。

人間に寄生して生抜いて来ているだけのことはある。

●犬のようにいっしょに散歩するわけではない。

場合によっては空き巣を撃退するわけでもない。

功利的なことはない。

●でも、ただ生活をともにしているだけで、

おおきな癒しをもたらしてくれる。

ともかく、ねこのしぐさをみているとたのしくなるのだ。

●そうか、リリがきてからカミサンの起床時間が早くなった。

リリは目覚ましの役目をりっぱに果たしている。

目覚ましのメカニックな音で起こされるより、

リリの甘噛みで起こされたほうがどんなにいいだろうか。

リリの肉球でモミモミされて、

起こされると「早過ぎるよ」と不満をもらしているが、

カミサンのリリを見る顔は、猫可愛さにみちみちている。

●わたしもブラッキにいろいろ奉仕しているが、

それが億劫ではない。

外から帰って来たブラッキ―が、

引き戸をあけてやると一声「ニャン」とあいさつする。

それをきいただけで、もうめろめろ。

「よく、早く帰って来たな、だれにもいじめられなかったか」

――なんてきいている。

●寄生されてこんなにかわいい動物はいない。

なんでもしてあげたい。

こんな気持ちにわたしたちをさせるなんて。

やはり猫はさいこうに進化して寄生獣だ。



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超短編 7 「老い舌出てよよむとも――永遠の愛」 麻屋与志夫

2015-05-22 09:27:35 | 超短編小説



老い舌出てよよむとも――永遠の愛 
                    

ねえ、あなた、いまでもわたしのこと好き?
こんなによよんでしまったわたしを、愛してる……。
「万葉研究会」でであったときのように愛してる。
わたしは、百夜かよってきて、なんてことは、いわなかった。
わたしはあなたを、深草少将のようにはあしらわなかった。
わたしは小野小町ほどの美人だとはおもわなかった。
おもってもいない。
あなたにキレイダといわれるまで、わたしがきれいだとはおもわなかった。そういわれて、わたしがどんなに、トキメイタか、あなたにはわからないでしょうね。
それなのに、どうしてこんなことが起きてしまったの……。
あなたは、わたしのところへくるところだった。
わたしに向かって刻一刻と近寄ってくるところだった。
あなたはわたしに会うために道をいそいでいた。
あなたはささやかな金の糸でつくったような細い婚約指輪をもって、わたしのところへくるところだった。
指輪はいまもわたしの左の薬指で輝いている。
だからわたしは、イツマデモ待つ。
この輝きが失せるまで。
あなたをまっているわ。
わたしは、あなたがくるまで、あなたがほめてくれたこの美しさ、わかさを保って……あなたをまっている。
歯だってインプラント。白いきれいな歯よ。
前よりずっと清潔感があるわ。
顎の肉のたるみだって整形した。
髪の毛だって霜をいただくようになったので、ウェグで装っている。
この髪の黒さはもう永遠にわたしのものよ。
庭にはバラを植えている。
わたしのからだにはバラの匂いが滲みこんでいる。
香水はつけたくない。
からだからほのかにバラのかおりがする。
それがあなたへのわたしの贈り物。
あなたが手にもっていたわたしへの贈り物。
リングはたしかにとどいている。    
いまも、わたしの薬指にある。
いつでも、あなたの声がどんなささやきでも聞こえるように補聴器だってしている。
あなたがきて、声をかけてくれることをまちわびている。
そのとき、ひとこともききもらすことがないように、いつも、いつも着けている。
どうして、車になんか轢かれたの。
あなたはわたしのところへ、いそいでいた。
それで周囲に注意を払わなかった――。
あれからずっとわたしは、あなたをまちつづけている。
わたしはあなたがこの世にいないなんて信じていない。
あなたは……いつかわたしのところへ、もどってくる。
わたしはだからこうして老いないように苦労している。
いつでも、あなたを迎えられるように、化粧している。
何年待つたのか……。
もう……わたしにはわからない。

かれの声がきこえてきた。
かたとき忘れたことのない。
甘いささやき。
心にしみこむような声。
そう。
声は彼女の内部から聴こえてきたのだった。
彼女の心にひびいている。
「ぼくは、ずっといっしょにいた。ぼくはずっと一緒にいたよ。だから、いまこそ姿をあらわすことを神様にゆるされた。声をかけることができた。ぼくらは、ずっといっしょだった。楽しかったよ。そして……これからも、永遠に共にいられる。ずっと一緒だ」
彼女は庭のベンチにすわっていた。
バラに囲まれているベンチで合掌していた。
隣で彼が同じ姿勢をしている。
合掌しているのがかんじられる。
そう……。わたしたちはずっといつも一緒だった。
ふたりを隔てる隙間がなくなった。
ふたりは合体した。
融合した。

ベンチには一輪の白いバラ。

百歳(ももとせ)に老い舌出てよよむとも我はいとわじ恋は増すとも  万葉集
 



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美智子と隼人の純愛に涙してください。  麻屋与志夫

2015-05-17 20:24:05 | ブログ
5月17日 日曜日

making of 「シーラカンスの初恋」――裏話。

●きょうは日曜日。

ブログもかくことができそうだ。

いま連載中の「シーラカンスの初恋」は以前にこの欄で発表した「三億八千万年の孤独」を改題したものだ。

もちろん、題名だけを変更したわけではない。

削れる部分は削り。

書き加えるべきところは加筆している。

第一稿では登場人物の感情が読者に伝わっていないようで不安になった。

そのための改作だ。

●客観描写にこだわってかきすすめた作品だった。

わたしは私生活でも、小説の中でも感情、悲しい、寂しいというようなことを、表現するのがヘタだ。

でもひとは、悲しいということに敏感に反応する。

そうした感情面をこれからはかき加えて行きたい。

●美智子と隼人の純愛に涙してください。




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