田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

ブラッキーいつまでもGGといっしょだからな。  麻屋与志夫

2018-05-23 08:24:35 | ブログ
5月10日 木曜日

●ブラッキ―はこれで4日間も食事をしていない。
昨日から水も飲まなくなった。老衰。
畳の上に毛布を敷いてねかせている。

●ときどき、身動きする。かすかに鳴く。
とても、ネコの鳴き声には聞こえない。
首輪がぶらんとたたれさがるほど痩せてしまった。

●見ていて、やるせない。つらい。

●リリが病気のときは、まだリリはとても若かったので、なんとかしてやろうと動物病院につれていった。
食事もスポイトでムリに食べさせた。

●ブラッキ―は百歳だ。もうこのまましずかに旅ださせた方がいい。

●そう、妻ともしはなしあった。

●その彼女も病後なので、心配ごとがダブルで襲ってきた。
さすがのわたしもストレスで苦しい。

●疲れた。下の書斎で二度寝をして起きてきたら、ブラッキ―がコタツの脇で死んでいた。
死に際に側にいてやれないで残念だった。
九時ごろ亡くなった。享年人間の年で百歳。猫歳、二十歳。堂々たる死にかただった。

●ブラッキ―を薔薇の庭の東隅、ミュ―の隣りに埋めた。

●砂利のおおい地目なので掘りにくかった。
土の匂いがした。スコップをツエのようについて体を支えているのがやっとだった。
老人性膝関節症なので足元がふらふらする。
両手をスコップからはなすことができない。
右手だけをあげて、片手拝み。

●ブラッキ―、ながいこと、いっぱい楽しい思いでありがとう。
ブラッキ―はこれからGGのこころのなかに生きつづけるのだよ。
いつまでも――。
GGがいきつづけるかぎり、いつまでも、一緒だから――。


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平穏な日がもどってきた。 麻屋与志夫

2018-05-22 11:50:32 | ブログ
5月22日 Tue.

●薔薇の花影に妻の姿が見え隠れしている。妻が留守の間に薔薇はみごとに開花の極み、ツル薔薇、地植え、鉢――どこもかしこも薔薇、ばら、バラが咲き乱れていた。

●妻の不在がながびけば薔薇の庭は「廃園」となってしまった。薔薇だけではない家事のいっさいできないわたしも枯れ果ててしまったろう。妻のありがたみをしみじみと覚えた。

●次女は松戸からかけつけたのだが、途中で事故った。クルマは大破、廃車とした。事故現場からタクシーで病院にきた。

●長女が一週間も泊り込み介護にあたってくれた。

●長男もかけつけ、家族がひさしぶりでそろったが、病院で一族再会なんて、もうこれでおわりにしたいものだ。

●ご心配をおかけしたみなさん、ありがとうございました。どうやら平穏な日がもどってきたまし。

●ブラッキ―は妻が退院するのをまっていたように、静かに息をひきとった。人の年齢に換算すると100歳、天寿をまっとうしたやすらかな死に顔だった。

●庭の隅、20ねんほど前に亡くなったミュウの隣りに埋葬した。雨が降ってきた。濡れたらかわいそうだからと、すこしもりあがった土のうえに妻はビニールのシートをかけた。水を溜めたビニールのうえに薔薇の花弁が散って来た。妻はワスレナグサをつんできてブラッキ―を偲んだ。線香と共に添えた。雨にぬれて線香の煙はほどなくとだえた。

●かがみこんだ妻のウナジをわたしは万感のおもいでみおろしていた。

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きょうは忘れられない日になるだろう。 麻屋与志夫

2018-05-09 04:58:07 | ブログ
5月9日 Wed.

●びしょ濡れ。
体毛から雨水をしたたらせている。
あわてて枕元のテッシュケースに手をのばす。
ふいてやる。
ノドをゴロゴロ鳴らしている。
みるもミジメナ、悲惨なからだでブラッキ―が、わたしの二階の寝室のベッドにもぐりこんでくる。

●五月にはめずらしい激しい雨。
母屋との間で雨漏れ。
廊下が濡れている。
注意しないとすべって転倒する。
寒い夜。

●室温14°。

●悪夢にうなされ、このところ毎夜、よく眠れない。
理由は子どもたちと孫たちだけが知っている。
長男の嫁が心配して電話をかけてきた。

●そっとブラッキ―をだきしめた。
冷たい。

●ブラッキ―はネコでよかったな。
ネコには不安という感情はないのだろうな。

●もういちど、すこし強くだきしめた。
指先にブラッキ―の鼓動か伝わってくる。

●あと5時間もすれば、ふたりの娘が大森と松戸からかけつけてくる。

●わたしのこころは妻の階下の寝室にとぶ。
ブラッキ―が濡れて帰って来たよ。

●わたしのこころは、妻によりそっている。

●きょうは、忘れられない日になるだろう。



 
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