音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■ 伝通院の観桜会とハープ・リサイタル ■

2009-03-29 23:24:16 | ■ お薦めのコンサート ■
■ 伝通院の観桜会とハープ・リサイタル ■
            09.3.29  中村洋子


★本日29日午後、東京・小石川の「伝通院」に参りました。

檀家の皆さまが集われる「観桜会」で、

コンサートの企画を、

担当させて、いただきました。


★伝通院の境内に、一歩足を踏み入れますと、

街の喧騒が消え、静謐な空気に包まれます。

掃き清められた参道には、巨木の桜が立ち並んでいます。

咲き初めた、白く淡い花びらを、弾き飛ばすように、

薄桃色の蕾が、たわわに付いています。

春の漲った英気のようです。


★伝通院も、戦災で丸焼けになりました。

戦後間もなく、檀家の方が持ち寄り、植えられた桜が、

いまの巨木に、成長しています。

メジロの集団が、可愛い鳴き声を上げて、

花から花へ、枝から枝へと、

蜜を求め、乱舞していました。


★コンサートは、

ハーピストの千田悦子さんの独奏会でした。

ハープは、間近で拝見いたしますと、

金の装飾が映え、とても豪華です。

舞台に置かれた、ボンボリの灯りや桜の枝に、よく映えます。


★千田さんは、2003年第15回日本ハープコンクール・

プロフェッショナル部門第2位、

2006年第16回イスラエル国際ハープコンテスト第3位。

ことし1月、東京文化会館で個人リサイタルを、

開催されるなど、大変に活躍されています。


★曲目は、グリーンスリーブスなどの有名な曲のほか、

リストのピアノ作品のハープ編曲「夜鳴き鶯」Le Rossignol、

「さくらさくら」などの編曲作品と、

自身がハーピストでもあった、ベルギーの作曲家、

ゴドフロア F・Godofroid の

「シルフの踊り」La Danse des Sylphes などです。

シルフは、空気の精という意味です。

どれも、春のこの季節にふさわしく、

シルフが大気に舞っているようでした。

皆さまは、聴き惚れていらっしゃいました。


★伝通院の麻生貫主様は「日本人はずいぶんと、

個人主義になってまいりましたが、

数珠のように玉と玉を、つまり、

人と人とを結ぶものが、必要であり、

音楽もその一つです」と、おっしゃていました。


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