音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■■ 「2009年伝通院・納涼コンサート」を終えて ■■

2009-07-19 19:00:14 | ■ お薦めのコンサート ■
■■ 「2009年伝通院・納涼コンサート」を終えて ■■
              09.7.19 中村洋子


★昨夜は、伝通院の本堂が満員となる、約200名の皆さまに、

お集まりいただき、「納涼コンサート」を、

楽しく、開催することができました。

浴衣をお召しになった若い女性や、お孫さんを連れたおばあ様、

さらに、私のカワイ・アナリーゼ講座に、

参加されていらっしゃる方も、たくさん、お見かけしました。

今回が、5回目となります私の企画ですが、

毎回、必ずおいでくださる方々にも、

ご挨拶をすることが、できました。


★私が着用しましたのは、デザイナーの昼神佳代さんが、

古い着物生地を使って、制作したドレスですが、

「それを見るのが、毎年、楽しみ」と、おっしゃる方も、

いらっしゃいました。

ことしは、紫の地に、漆を染み込ませた糸を織り込んだ、

夏の衣装でした。


★コンサート後にいただきました花束を、昨夜は、寝室に飾りました。

芳香に満ち、今朝は、爽やかな目覚めでした。


★コンサートの曲の間には、チェンバロがどのような楽器であるか、

実際に、二段鍵盤の、上の鍵盤だけ、下の鍵盤だけ、

リュートストップ(フェルトを弦に押し当て、リュートに似た音を出す)、

カプラー(上下鍵盤の同時演奏)で、それぞれ、

バッハの「インヴェンション1番」を弾き、ご紹介いたしました。

バッハを弾きますと、チェンバロが、“うれしそうに歌いだす”

ような、感じがいたします。


★リュートストップでの演奏は、実に、小さな音量なのですが、

会場の音響が、優れているためでしょうか、

本堂の最も遠い隅まで、しっかりと、

音が飛んで、届いていることにも、驚きました。

チェンバロの秘密を、これから、自分なりに解き明かし、

作曲に、活かしていきたいと、思います。


★チェンバロは、温度や湿度にとても敏感で、

リハーサルが終了してからも、再度調律する必要があり、

会場に、お客様がお入りになってからも、

コンサート直前まで、調律を続けました。

チェンバロも珍しい楽器ですが、その調律を見ることも、

あまりございませんので、お客様には、

いい機会だったと、思われます。

「モモセハープシコード(株)」の川上幸和さんが、熱意を込めて、

調律を、担当されました。


★斎藤明子さんの10弦ギターに対し、

尾尻雅弘さんは、7弦ギターです。

通常の6弦ギターの最低音「ミ」の、完全5度下の「ラ」を、

7弦目の解放弦として、加えています。

今回は、その最低音の弦を、さらに短3度低い「嬰へ」に、

調律して、演奏されました。


★お二人のギター二重奏は、なかなかの迫力で、

また、新しい作品を、書いてみたくなりました。


★フルートの大保麗香さんも、

故郷である、宮崎の民謡をテーマとした、

「刈干し切り唄による主題と変奏」を、熱演されました。

この曲は、20分ほどの長い曲ですが、

今回は、主題に第1、第2変奏、フィナーレを

組み合わせた版で、演奏しました。


★日ごろは、作曲で、ピアノ室にこもる毎日ですが、

今回のように時には、“演奏家”として、舞台に立つのも、

いろいろと、得るものが多く、お客さまの反応を、

直接感じることも、とても、大きな喜びです。


                     (納涼コンサートの出演者4人)
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