■ Musikverlag Hauke Huck から出版された「虹のチェロトリオ集」の解説■
2010・9・2 中村洋子
★ドイツ・ドルトムントの音楽出版社 ハウケ・ハック社
〈 Musikverlag Hauke Huck 〉 社から、出版されました、
「 虹のチェロトリオ集 」 全 7曲の、日本語訳と解説です。
▼ ≪ Regenbogen-Cellotrios ≫
~ 7 Trios für 3 junge Cellisten ~、
「 虹のチェロトリオ集 」
~ 3人の若いチェリストのための、7つの三重奏曲集 ~
★このトリオ集は、若いチェリストやチェロ愛好家のための、作品集です。
1曲ずつを独立して演奏することも、可能ですし、
全曲を通して、演奏することもできます。
調性を使い、親しみやすい、平易な曲集として書かれていますが、
チェロに必要な表現法が、自然に、楽しみながら身に付くよう、
作曲されています。
ドイツのヤングチェリスト・コンペティションで、優勝者が演奏したり、
音楽会などでも既に、演奏されています。
★ 1)三匹の小熊の行進曲 :
冒頭の曲にふさわしい、メルヘンの国へといざなう、明るく楽しい曲です。
3人の奏者が対等の役割で、あるときはカノン、あるときはユニゾンなど、
刻々と曲の顔が“ 虹のように ”変化します。73小節。
★ 2)おとぎの森 :
2 拍子 Lento tranquillo の、静かで、心休まるやさしい曲。
眠りの森の美女が、すやすやと眠りながら、楽しい夢を見ています。
微風のような2度のモティーフが、印象的です。70小節。
★ 3)テントウムシのメヌエット :
3匹のテントウムシが庭で、手をつないでメヌエットを踊っています。
2番「おとぎの森」の2度のモティーフが、テントウムシの羽音として、
また、登場します。
さんさんと太陽が降り注ぐ初夏の風景。59小節。
★ 4)ファンファーレ :
王さまの登場を高らかに告げるトランペットが、城壁から響きます。
第1、第2、第3チェロが、順次カノンで姿を現します。
他の奏者の演奏を、注意深く聴きながら、
演奏できるように、なります。48小節。
★ 5)シチリアーノ :
メランコリックな、少し大人っぽい曲。
さざ波のような2度のモティーフが、憂いに満ちた心の内面を表現します。
最終小節は、全休止。
余韻として残っている音を、心の中で味わいます。53小節。
★ 6)カエルの王様のサラバンド :
魔法により、カエルに変身させられた王様。
カエルの姿のまま、王女様に求婚します。
1 オクターブの跳躍進行は、カエルのジャンプ。
カエルが、池に飛び込み、
水紋が丸く、幾重にも広がって曲が終了。50小節。
★ 7)出帆 :
「帆を上げよ!、出発だ」。
溌剌と朗らかなチェリストたちが、曲集の最後を、
力強いジーグによって、締めくくります。
荒波を渡って行く帆船が、ディミヌエンドしながら、
視界から、姿を消していきます。42小節。
★この曲集の案内は、輸入楽譜の 「 アカデミアニュース 」 8. 9月号の、
11ページにも、以下のように、掲載されています。
★ ≪ ベルリン・ Ries & Erler 社から「無伴奏チェロ組曲第 1番」を出版した
中村洋子の新作「虹のチェロトリオ集」が、ドイツ・ドルトムントの、
ハウケ・ハック 社から出版されました。
アマチュアでも演奏でき、しかし、質は高く、
音楽の喜びに溢れる曲集です。
既に、ドイツの 「 Young cellist competition 」 で、
優勝者がこの曲を演奏しています。
「 おとぎの森 」、 「 シチリアーノ 」 など 7曲で構成 ≫
楽譜のご案内
https://www.academia-music.com/academia/search.php?mode=detail&id=1501639732&title_type=score
または、
https://www.academia-music.com/
の 「 楽譜コーナー 」→「 弓弦楽器 」→「 チェロアンサンブル 」→
「 作曲家頭文字 」→ 「 N 」 → 「 Nakamura.Y 」 にお進みください。
ハウケ・ハック 社 のホームページ
http://hauke-hack.de/page4.php
( 虹のチェロトリオ集・表紙、唐辛子 )
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