音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■「東北への路」のお礼 & 納涼コンサートのご案内■ 傑作(0)

2007-12-24 16:38:28 | ★旧・曲が初演されるまで
2006/7/9(日)

★ 一昨日は、七夕でした。曇天で天の川は残念ながら見えませんでした。


旧暦の7月に七夕を迎え、蒼い夜空を静かに流れる天の川を見たいものですね。


1日の伝通院「東北(とうぼく)への路」コンサートから一週間たちました。


芭蕉「奥の細道」の行程を、現在の暦に置き換え、春と夏と秋とを音と朗読で辿りました。演奏は、

すべて素晴らしく、お客さまのアンケートも好意的なものばかりでした。


「夏と都会の“渇き”に水が沁みるような一夜でした」


「本堂の広い空間、お香の匂い、赤い蝋燭、瓔珞、ご本尊様、木目の天井などすべてが、心地良い

音楽空間につながっておりました」


「お寺、本堂の空気全体を楽しみました」


「テーマにちなんだドレスも素敵で、五感に刺激を与えていただきました」


「神谷さんの歌から、土着性のある生命感、生命力の強さを感じました」


「タイムスリップして、数時間、異次元にいたような心地でした」


「最後の秋の曲がとても好きです」・・・。


私のつたない解説と朗読も、音楽を理解するうえで役に立ち、楽しんで頂けたようです。


西洋のギター、日本の庶民の音楽である民謡、宮廷音楽の雅楽が、無理なく溶け合い、

芭蕉の世界の一端を辿ることができたかもしれません。


乾いたブザーの音で始まる音楽ホールと異なり、開始の合図も「梵鐘の音」でした。


古典は、声に出して読んでこそ伝わることが多い、ということを、今回体験いたしました。

また、機会がございましたら、日本の古典文学を音で辿ってみたいと思います。


お出かけいただきました皆様に心からお礼申し上げます。


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7月22日(土)の午後6時から「傳通院 納涼コンサート」~懐かしい童謡の夕べ~が、伝通院・本堂で

催されます。

主催は、傳通院様です。

入場は無料です。

この「納涼コンサート」の企画を私が依頼されました。

境内では「ほおづき市」が開かれ、浴衣に団扇の子供さんたちが走り回り、賑わうことでしょう。

寺の門を地域に開き、地元にお住まいの方々に憩いの場、文化活動を提供される傳通院様。

この姿勢に感服いたします。

これが本来のお寺様の在り方ですね。

「納涼コンサート」では、懐かしい童謡が次々とメドレーで歌われます。

童謡を歌われる五十嵐郁子さんは、私が日本で最も尊敬する声楽家です。

彼女はかつて、二期会の「ドイツリート研究会」で、シューベルトの「盲目の少年」を歌われました


中山悌一先生が、最も好きな曲です。

私も幸い、その場に立ち会うことが出来ました。

あの厳しい中山先生が一言もご指導されず、微笑みながらうなずいておられました。

これは極めて稀なことです。

五十嵐さんは普段、宗教曲を歌うことが多く、オペラ、リートなどでもご活躍です。

童謡は私がお願いするまで、全く歌われたことがなかったそうです。

私の童謡集「かげぼうし」と「走馬灯」は、既にピアノ伴奏版ができております。

五十嵐さんと、私の友人・奥平純子さんのピアノで何回か演奏され、大変好評でした。

今回は、「東北への路」で熱演された斎藤明子さんが10弦ギターで伴奏します。

ギター伴奏は初めての試みで、このための編曲は大変な作業、力が入ります。

五十嵐さんの歌は、媚びず、なによりも知性に溢れています。

聴く人の心が暖かく包み込まれるようです。

いつまでも心に残る、本当の童謡を聴くことができるでしょう。

どうぞ、ご期待ください。


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≪かげぼうし≫:おぼろ月夜 茶摘み ミカンの花咲く丘 てるてるぼうず 七夕 うみ
        ほたる うさぎ 虫のこえ もみじ 里の秋 たき火 ペチカ 
        ジングルベル 冬の夜 1月1日 どこかで春が

≪走馬灯≫  :シャボン玉 あわて床屋 赤い靴 青い目の人形 月の砂漠
        雨ふりお月さん ゆりかごの歌 かなりや 七つの子

★入場整理券は、午後5時より、本堂前で、先着200名様に配布されます。

 賑わいそうですので、お早めにお並びになることをお薦めいたします。


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