音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■■ 楽しい演奏会のお知らせ ■■ 傑作(0)

2007-12-24 16:39:58 | ★旧・曲が初演されるまで
2006/11/10(金)

★私の作曲いたしました<ヴィオラ・ダ・ガンバのための四重奏曲『みじか夜』>が、初演されます。

ヴィオラ・ダ・ガンバは、16~18世紀にヨーロッパの宮廷、教会などで愛好された弦楽器です。

形はチェロに似ており、弓を擦って音を出します。弓は、チェロとは逆に、お箸を持つように構えます。

ガンバとは、イタリア語で「脚」の意味で、楽器の胴体を演奏者が両足で挟んで支えます。

音色は、優しく典雅で、天使の歌声のようです。

西洋の名画で、天使が雲のなかで演奏している楽器は、ガンバであることが多いので、じっくりとご覧ください。


★演奏会:現代ヴィオール・コンソート展ⅩⅩⅠ『東 西 壺 中』 神戸愉樹美ヴィオラ・ダ・ガンバ合奏団

★日時 :2006年11月26日(日)午後6時半

★前売り3000円、当日3500円、大学生2000円、高校生以下1000円。

http://www.ykvc.jp か、私までご連絡下さい。

★会場:カトリック本郷教会 東京都文京区本駒込5-4-3 JR駒込駅より徒歩6分。

★「みじか夜」のほかに、デ・プレの「王様万歳」、ブクステフーデ「プレリュード」、「越天楽」など。

★ゲストは、笙の宮田まゆみさんです。


●「みじか夜(みじかよ)」のご案内

「みじか夜」は、俳句では夏の季語です。まどろみとともに明ける夏の短い夜のことです。

「トレブル」ガンバが、沖縄音階による伸びやかなけだるい歌を、ゆったりと奏で始めます。

微風が吹き抜け、甘い花の香り、そこは南の幻想的な小島でしょうか。

ピチカートで、「テノール」と「バス」のガンバが歌の列に加わります。

踊りの熱気が立ち込めてきます。

絶頂に達すると、一陣の突風。

すべてを消し去ります。

沈黙のあとは、ささやきのような歌声、ひそやかな溜息の和音が浜辺に満ちます。

それもつかの間、幻影を追い立てるようにすべてが疾走します。

そしてまた、静かな歌声が、4声のカノンで奏され、徐々に変容し、真夜中の宴は、頂点を迎えます。

夜明けを前にすべてが、夢とかき消えます。

蝋燭の炎に暖かさを、心の中にともし火を求めたくなるような、木枯らし吹くこの季節。

南の小島の夢まぼろしの一夜、ガンバの合奏(コンソート)によって、お楽しみください。


▼▲▽△▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲▽△▼▲

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