音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■NHK・FM放送 名曲リサイタルで“夏日星”が演奏されます■

2007-12-24 16:35:20 | ★旧・曲が初演されるまで
2006/1/31(火)

2月25日午前9時から、NHK・FM放送「名曲リサイタル」で、私が作曲いたしました
ギター独奏曲「夏日星(なつひぼし)」が放送されます。

この曲は、昨年夏、東京・小石川の「伝通院」本堂で開催しましたコンサート【七星晶々(しちせい
しょうしょう)】(アリオン<東京の夏音楽祭2005>の関連公演)の一曲として、初演されました。

演奏は、初演と同じ斉藤明子さんです。通常の6弦ギターではなく、低弦がさらに4本多い10弦
ギターのために作曲いたしました。

「夏日星」とは、火星の和名のことです。イメージが湧く素敵な名前ですね。
私は宮沢賢治の童話「双子の星」の、清らかで美しい小宇宙を思い描きながら作曲いたしました。
心が洗われようなすがすがしさをもつ童話です。

粗筋は<スギナのような可愛い水晶のお宮で、空の星めぐりの歌にあわせ、一晩中、銀の笛を吹く
双子の童子。ある日、青石の泉に冒険に出掛けます。
蠍と大烏が醜い喧嘩をしてともに深い傷を負いますが、童子の限りなく優しい献身によって救われ
ます>。

賢治が最も好きだった童話だったともいわれますが、分るような気がいたします。
お金や権力の争いは、いつの世でも絶えないようですが、醜く嫌ですね。

★曲は9曲で構成されます。
①スギナのような二つ星 
②風車で霧をこしらえて 
③大烏の星 
④赤目の蠍星 
⑤蠍と大烏の争い 
⑥重い足取り 
⑦稲妻のマント 
⑧冷たい水晶の流れ 
⑨星めぐりの歌 
・・・このように物語の展開とともに音楽がゆったりと流れていきます。
   演奏時間は、約21分です。

※「夏日星」は、DVD&VHS「七星晶々」の中に収録されております。
 こちらは、約40分で、FM放送は半分に短縮したものです。

<DVD&VHS詳細>
  http://homepage3.nifty.com/ytt/japan/jso.005.html#4

<中村洋子ホームページ>
  http://homepage3.nifty.com/ytt/yoko_r.html

斉藤さんは、大変に実力のある音楽家です。
1984年に第2回スペイン音楽コンクールで第一位となり、97年の第30回東京国際ギター
コンクール第一位など、内外の数々のコンクールで、優勝や入賞をされております。

91年には、ニューヨークのカーネギー・リサイタルホールで、日本人ギタリストとして初めて
リサイタルを開きました。ソロ演奏のほか、交響楽団、バイオリン、声楽などとも共演し、幅広く
活動をされています。
ギター音楽という、とかく狭くなり勝ちなレパートリーの枠を広げようと努力されています。
夫のギタリスト尾尻雅弘さんとのデュオも好評です。

三児のママでもあり、軽井沢に住み、無農薬野菜づくりに挑戦中です。
【CD】
『スペイン』『アール・ソヴァージュ』『ギター・ロマンティック』(SONY・ミュージック ジャパン)

10弦ギターの魅力は、その低音にあります。まるでオーケストラをバックに従えたかのような豊かで
伸びやかな低弦の響き、流れをどうぞお楽しみください。

★ことし2006年7月1日(土)午後7時から、伝通院・本堂でコンサート「東北(とうぼく)
への路」を開催いたします。
斉藤明子・尾尻雅弘ご夫妻のために新作デュオを作曲いたします。


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