音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■「ピアノ連弾」 と 「2台のピアノ」 の違いについて■

2009-03-20 01:37:00 | ■ 感動のCD、論文、追憶等■
■■「ピアノ連弾」と「2台のピアノ」の違いについて ■■
                09.3.20    中村洋子


★3月というのに、もう春たけなわとなりました。

桜、桃、椿、連翹、ミズキ、辛夷、シャガ、海棠 が、

ピンク、白、黄、赤と、花を競い合っています。

春の陽気に誘われて、久しぶりに溜まった資料の、

整理を少し、始めました。

古い資料の山の中から、2001年に、音楽会の解説をお願いされて、

書きましたパンフレットが、ひょっこりと、出てまいりました。

連弾の説明など、かなり参考になりそうですので、

ここで、少しずつ、ご紹介いたします。



★「ピアノ連弾」は、1台のピアノを二人の演奏家が弾きます。

「4手連弾」ともいわれ、1台の楽器を2名で演奏することは、

かなり、例外的なことです。

この場合、ピアノのペダルは、和声を弾く第2ピアノ

(ピアノに向かって左側)が、受け持ちます。


★一方、「2台ピアノ」は、個々のピアノを、

2名の演奏家が、弾くわけですので、

ピアノと別の楽器との、二重奏の延長線にあり、

形式的にあまり、例外的ではありません。


★同じレベルのピアノを2台、準備しなければならないなどの

制約があることや、曲がそれほど多くないなどの事情から、

それほど、一般化はしていません。

しかし、最近は意欲的に取り組むピアニストが増えています。


★このような事情から、ピアノ連弾は夫婦、親子、姉妹、

恋人同士など、お互いに知り尽くし、呼吸のピッタリ合った間柄で、

演奏されることが、多いようです。


★あたかも、一人のピアニストが弾いているように、

一人の演奏家が、4本の手をもって演奏するかのように、

聞こえるのが、理想です。

なにより、調和が求められます。

息の合ったピアニスト夫婦でも、どちらが弾いたか、

分からないまでに、同質の音を出せるには、

20年は掛かる、とも言われます。


★これに対し、2台のピアノは、二重奏という性格上、

異なるタイプの演奏家が、個性をぶつかりあわせ、

火花を散らして共演することが、よく見受けられます。


★この後、モーツァルトとミヨーの2台ピアノ、

シューベルト、ドビュッシー、ラフマニノフの連弾曲の

解説が、続きますので、次回、ご紹介いたします。


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