音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■バッハのインヴェンションの8番と、ブランデンブルク協奏曲との結び付き■

2009-03-19 01:12:02 | ■私のアナリーゼ講座■
■バッハのインヴェンションの8番と、ブランデンブルク協奏曲との結び付き■
               09.3.19   中村洋子
 

★ブランデンブルク協奏曲は、1708~21年にかけて作曲されました。

1721年3月24日、ブランデンブルク辺境伯に、献呈されました。

インヴェンションは、「1723年」と記された序文が冒頭にあるため、

それ以前に作曲された、と見ることができます。

つまり、この2つの曲集は、ほぼ同時期に完成したと、考えられます。


★明るく喜びに満ちた、「インヴェンションとシンフォニアの8番」は、

ブランデンブルク協奏曲と、ずいぶん共通点があります。

シッケタンツさんのヴァイオリンと、合奏することにより、

共通点がある、という確信を深めました。


★弦楽器の奏法を、鍵盤作品であるインヴェンションに、

応用するのは、無理があるのではないか、と疑問を

投げ掛けられるかもしれませんが、当然のことながら、

バッハは、実は「編曲」の名人でした。


★ヴィヴァルディや、マルチェッロの作品の編曲ばかりでなく、

自作のヴァイオリン曲を、鍵盤作品に編曲したり、

また、有名なところでは、同一の旋律を、

「ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ」と、

「マタイ受難曲」のアリアとに、使っています。

これも、一種の「編曲」と言えるからです。


★次回3月24日のカワイ・アナリーゼ講座で、

インヴェンションとブランデンブルク協奏曲との、

内容や形式面での共通点を、詳しく、お話いたします。

“音楽を演奏することが、こんなに楽しいものか!!!”、

ということを、シッケタンツさんとの練習で、

毎日、実感しております。

この3月24日は、バッハがブランデンブルク辺境伯に、

曲を、献呈した日でもあります。


★「8番」は、インヴェンションとシンフォニアの

頂点といえる曲「9番」を、前にして、

エネルギーをじっくりと溜めている曲、ともいえます。

ちょうど、春の訪れを前に、木々の花が、蕾を膨らませ、

いまにも花を咲かせようとしているのに、似ています。


★春休みです、この曲を練習中の生徒、学生の皆様にも

是非、聴いていただきたい講座です。


★3月21日は、ヨハン・セバスティアン・バッハの誕生日です。

満324歳になりました。


▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ■ドビュッシー「ベルガマスク... | トップ | ■「ピアノ連弾」 と 「2台の... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

■私のアナリーゼ講座■」カテゴリの最新記事