音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■■ 伝通院・納涼コンサートの聴きどころ ■■

2009-07-18 00:04:11 | ■ お薦めのコンサート ■

■■ 伝通院・納涼コンサートの聴きどころ ■■
                  09.7.18 中村洋子


★本日は、私が企画、出演いたします

「伝通院・納涼コンサート」の日です。

ご参考までに、聴きどころを、お知らせいたします。


★第1曲目の、バッハ作曲「シチリアーノ」は、最初、

「フルートと10弦ギターの伴奏」により、演奏されます。

その後、オリジナルの「フルートとチェンバロ伴奏」で、

お聴きいただきます。

ギター伴奏と、チェンバロ伴奏との聴き比べを、

お楽しみください。


★10弦ギターは、6弦の通常ギターの最低音「ミ」の下に、

「レ、ド、シ、ラ」と、4本の弦が、加えられています。

豊かな充実したバスの音が、特徴です。

http://saitoakiko.seesaa.net/category/6228015-1.html

↑ここで、少しですが、私の作品を、斎藤さんが、

10弦ギターで演奏されているのを、試聴できます。


★第2曲目は、ビゼーのよく知られた曲を5曲、

演奏いたします。

斎藤明子、尾尻雅弘ご夫妻の2重奏は、「ハバネラ」、

「セギディーリャ」、「前奏曲」の3曲。

フルートとチェンバロの2重奏は、「アルルの女」、

「間奏曲」で、ギター、フルートと交互に、演奏されます。


★チェンバロは、William Dowd ウイリアム ダウド

Paris パリ 1982年製です。

チェンバロは、2段鍵盤がそれぞれ異なる音色をもち、

そこに、リュートストップや、カプラーなどを、

組み合わせることにより、万華鏡のように、

多彩な音色を、響かせることができます。


★「アルルの女」では、途中の華やかな曲想の場面で、

カプラーにします。

カプラーとは、2段の鍵盤を、同時に鳴らす装置です。

カプラーを使う部分の前後は、

カプラーの効果を、際立たせるため、

音色の柔らかい上段の鍵盤で、演奏します。


★私の作品が、2曲続きますが、「荒城の月幻想」は、

チェロ2重奏や、ピアノトリオ版があり、

今回は、フルート、チェンバロ、2台ギターの4重奏版を、

新しく、作りました。


★チェンバロのリュートストップは、弦にフェルトを、

接触させることで、響きの拡散を押さえ、

弦楽器のリュートのような、典雅な音色を出す装置です。

日本人にとっては、お箏の音色ように、

聴こえるかもしれません。

中間部で、そのリュートストップのチェンバロと、

2台ギターによる、3重奏が出てきます。


★伝通院・本堂の、檜張りの素晴らしい舞台で、

どのように、鳴り響くことでしょうか。


★コンサートの最後は、2台ギターの「もがみ川」です。

この曲が初演されましたのは、この伝通院の本堂です。

斎藤さんご夫妻により、日本の各地で、この曲を、

演奏していただていますが、

再び、初演の地、源流に、戻ってまいりました。


                     (五色蔦の新芽)
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