のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

一気に落葉

2005年11月29日 | 今年の梨づくり
今年の秋はいつまでも暖かくナシの紅葉も遅れました。11月に入ると平年並みに霜の降りる日もあったものですから落葉が早まると思っていたのですが、なかなか落ちませんでした。

どうしてかなあとナシ仲間と話していたのですが、結論は木枯らしが吹かないから。木枯らし一号を記録した日以外に北西の冷たい風が吹かず、小春日和が続いていました。

今朝、北海道に防風雨をもたらした低気圧に伴う前線が通過した際に南風が吹き込んだために、ナシの葉が一気に落ちました。ようやくナシの枝が裸になり、落葉処理、元肥施肥、剪定といった一連の作業が始められます。

といっても、落葉を待ち切れないナシ農家の中には剪定作業を始めているようですし、わが家は間伐樹の抜根作業をしている最中で落葉処理はそれからですし、「待ちに待った本日この日」というわけではありません。暖冬傾向が強まっている中で、例年並みに落葉して一安心というところでしょうか。

ホームページアクセス8000件突破

2005年11月28日 | わが家の時時
我が家のホームページ(ブログ版ではない方、『すぎのファーム』)へのアクセス数が8000件を超えました。昨年の12月5日に3000件を記録していますので、約一年で5000件のアクセスがあったということです。ご愛顧、ありがとうございます。

最近は「のらやま通信」「桜ヶ丘通信」を更新しました。生産履歴は更新できないままになっております。

そろそろリニューアルを考えているのですが、これまでHPを作成していたパソコンのMACが具合が悪いので、この際、Windowsにしようかと考えているのですが、そうするとHP作成ソフトも別途用意しなければならないということに・・・。昨日はデジカメも壊れてしまって、なにかと物入りのこの頃です。

ニートたちよ

2005年11月27日 | 農のあれこれ
農業やらないか(朝日新聞05年11月27日3面)

高齢化や後継者難で悩む農村からのニートたちの就農に期待する声を受けて、農水省が就農支援事業を始めるという記事がありました。

ニートたちだけでなく、定年退職した人や不本意ながらリストラされて職を求めている人たちにも農業は新たな就業先として注目を集めています。

多くの県には農家の師弟を対象とした農業大学校が設置され、農業者の育成をしてきましたが、最近は師弟の大学志向もあって大学校の存在意義がこころもとない事態になりつつあるようです。千葉県にも農業大学校が東金市にありますが、学生の大半はすでに非農家の出身者のようです。それだけ農業が幅広く興味をもたれるようになったのか、公立の学校であることから費用負担の少ないモラトリアム滞在先となっているのか、評価は分かれるでしょうが、最近は新規就農者育成のための研修を重視しているようです。

平成18年度には、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月間、平日に行われる農業者養成研修と、半年の間の土曜日あるいは日曜に行われる就農準備講座が用意されています。これらの研修の応募資格には年齢制限はなく、県内で農業に積極的に取り組もうという方であれば誰でも受講可能です。受講料は農業者養成研修で月々3,100円、就農準備講座は無料。通学困難な方には学生寮も用意されていて、寮費はなんと1ヶ月3,300円!

受講後には新規就農者として認定される可能性があり、自ら農業に取り組みたいという非農家の方々には、その第一歩となる場と機会を提供してくれると思いますので、ぜひお問い合わせを。

千葉県農業大学校;千葉県東金市家之子1059 電話0475-52-5140

と、つい大学校の片棒を担いでしまいました。

子供はそばより焼き芋

2005年11月26日 | わが家の時時
手賀沼トラストの晩秋イベント「そば打ち体験」が行われ、そばの種まきから収穫、調製まで関わってきた会員だけでなく、ただ食べたいと思った一般の方々まで、100名近い方々が参加されました。

裏山では焚き火をしていて、何度も注意をされても火遊びに興味がある子供たちが走り回っていました。焼き芋もしたことはなかったようで、炎の上がっている火の中にサツマ芋を放り投げていました。

これが一般の方々が手賀沼トラストを知る機会になり、より多くの会員が増えてくれれば思惑通りなんですが。

ナシ剪定枝処理の研修会

2005年11月25日 | 今年の梨づくり
千葉県農業総合研究センター(旧県農業試験場)でナシ剪定枝処理の研修会が行われるというので、出かけてみました。炭化炉(写真は煙を抑えた炭化炉の試験機)、チッパー、エアースコップの実演の後に、県内各地で試みられている事例の報告がありましたが、結論からいうとまだ決定打はないという印象でした。

ダイオキシン騒動以来、野焼きに対する目は厳しくなり、市街地に隣接したナシ畑の多い千葉県のナシ業界ではナシ剪定枝の処理が大きな問題になっています。法律上は現段階ではナシの剪定枝の焼却は「周辺地域の生活環境に与える影響が軽微であるもの」として禁止の例外にあたると解釈されます。また、剪定枝を焼却し二酸化炭素を排出しても、その二酸化炭素はもともとナシが空気中から吸収したものですから、地球全体の総量を増やすものではありません。

対策としては、炭化、堆肥化、燃料化、剪定枝そのものを削減するナシ園管理方法の開発など考えられます。

鎌ヶ谷市では民間処理業者に委託し、枝を炭化し畑に還元するというリサイクル事業を進めています。しかし、プラントまで枝を持ち出す手間が障害となって参加農家が少ないようです。それだけ切実な問題になっていないということかもしれません。

岬町では大型のチッパー(破砕機)を共同導入し、チップ化した剪定枝を堆肥化して利用し始めました。しかし、チップ堆肥は重粘土壌なら大きな問題にならないようですが、火山灰土では白紋羽病という根の病気を助長するという指摘もありました。

印西市では近隣で薪ストーブを利用している家庭があって、太い剪定枝を薪材として提供している事例があるそうです。市街地の住宅で薪ストーブの燃料として活用できれば地域住民との交流や農業理解も深まり、地域リサイクルモデルができるのではという報告がありました。

我が家でも薪ストーブに利用し、石油やガスを熱源とする暖房機にはない暖かさを享受していますが、地震時には火災発生元になるリスクが常について回ると考えています。しかし、我が家は畑の中の一軒家で、もし火災を起こしても他に迷惑をかける可能性も低く、自己責任とあきらめることもできます。市街地の中で火災発生リスクを高めるような事業が民間ベースで行われるならまだしも、行政が後押しするようだと新たな問題が生まれないかちょっと危惧されます。

研究センターでは、今後、さらに効率的でかつ環境への負荷の少ない処理方法の開発に取り組んでいくとのことでしたので、その成果を期待しています。

自立と人間力

2005年11月24日 | 農のあれこれ
昨日の記事に対する田原さんの「消費生活を変える”痛み”に耐えられるよう、農業側から何らかの解決案を提案してもらえないか」というコメントに刺激されて、続けて二つの「提言」を紹介。

11月19日付け朝日新聞朝刊オピニオン欄「私の視点 ウイークエンド」で、農業に関してお二方から提言がありました。

ひとつは新農政にからめて、これまでの「過保護」「補助金漬け」の農業から市場主義に転換し、生産者が自立することで誇りを持てるようになるという、米穀販売会社社長からの提言です。ここまではよくある話ですが、最後の次の段落が気になりました。

「農業の命題は、食料の安定供給と国土保全にある。たとえ市場で外米が半分以上を占めることを容認した結果、田んぼがつぶれ国土が荒れたとしても農業と切り離して国土保全の予算を組めばいいのではないか。そこから真の農業の姿が見え、消費者との連帯感は強まるだろう。」

もうひとつは、農村都市交流誌『増刊現代農業』の編集主幹の提言。「ニート」や「フリーター」といった若者たちに「労働による自己形成」の実感を失わせたのは誰かというような批判にエネルギーを割く前に、問題は「自分が何をしてどんなふうに生きていきたいのか」だと農山村に向かった若者たちの「人間力」に学ばなければならないという主張です。

市場原理と、自然とともに生きる祖父母世代の知恵と技に感動する若者たちの人間力という二つの主張は一見異なる立場のようですが、根本のところではつながっているように思えます。

1日100円200g

2005年11月23日 | 農のあれこれ
雑誌をみていたら面白い数字に出会いました(平岡豊『地上』0512、p51)。

1965年には111.7kgあった米の年間一人当たり消費量が、2003年には61.9kgにまで落ち込んだといいます。国の計画では2015年の米消費を一人当たり62kgにしているとか。現状維持がせいいっぱいの目標ということでしょうか。著者はそこをせめて72kgにならないかと主張します。

その根拠は・・・
年間一人当たり72kgなら月に6kg、一日当たり200g。10kg5000円の米を購入しても一日にたったの100円!年次ごとに1%台の消費拡大で2015年には72kgを達成できる計算になるそうです。

ほんとうにこのぐらいはお米を食べてほしいものです。

シンデレラフルーツ

2005年11月22日 | 農のあれこれ
一昨年、わが家の長男が農業研修でお世話になった山形県高畠町の農家から西洋梨「ラ・フランス」が届きました。

秋にわが家から梨を送ったお返しという形です。初夏にはサクランボが送られてきていましたので、恐縮です。他にも長崎のビワ、瀬戸内の無農薬レモンや柑橘類、福島のモモ、リンゴなど、各地から毎年梨と交換で果物が送られてくるおつき合いができていて、幸せなことです。

「食べごろになっています。届きしだいご確認下さい」というシールが段ボール箱上部に貼られていました。お届け先で段ボール箱に入れられたまましばらく置かれ、開けてみたら果物が傷んでいたというクレームがあるのかもしれません。わが家のナシでも以前そういう経験がありましたが、やはり段ボール箱上部に「箱から取り出しお早めにお召し上がり下さい」と印刷してからはそういう話はなくなりました。こういうことも食育の一つなんでしょうか。

箱を開けると甘い匂いがあたりに漂いました。実の軸が取れやすくなるまで熟させるとおいしいと箱の中に入っていたチラシにあります。もう少し待った方が良いのかもしれません。

高畠町の作ったそのチラシには、「太陽の恵みをいっぱいにうけて童話の国からお届けします 今年もいいのができました」というコピーと一緒にお父さんとお母さんが果実の入ったざるを抱えている絵がありました。あれ?どこかで見たようなコピーとポーズだなあと思ったら、わが家のナシの段ボールに印刷してあるものとそっくりじゃないですか!お父さんが麦わら帽子を冠っているのもそのまま。わが家はウサギですけど。オイオイ、ちょっと似すぎていませんか。高畠へ3年ほど送ってきていますので、真似された?それとも誰が考えても同じようなものになるのかな?えっ?このラ・フランスでデザインを真似たことを了承しろって?

ところで、ラ・フランスの形容詞に「シンデレラフルーツ」とありました。「シンデレラフルーツ ラ・フランス」と。お姫様のような上品な果物という意味合いなのでしょうか。ちょっとイメージが伝わってこないのですが。

大地讃笑

2005年11月21日 | わが家の時時
我が家の長男は栃木県那須のアジア学院に研修中。アジア学院

半月に一度、定期的にレポートを送ってくれていますが(我が家のHP「桜ヶ丘通信」掲載中)、先日からブログ「大地讃笑~畑は笑顔を育てる~」上でも発信しています。大地讃笑

研修先で感じたこと、思い悩むこと、わかったことなど、若者らしい内容になっています。農作業が少なくなった最近はちょっと中だるみになっているようですが、外国の方々と暮らしたこの半年間は人格形成上有意義であったと感じています。あとひと月の時間も大切にしてもらいたいものです。

地面の通気孔

2005年11月20日 | 今年の梨づくり
梨棚を調整するために地面にスコップを入れひっくり返していましたら、土塊に直径1mm程度の孔がたくさんあいていました。

直前に、斜めに削り取られた土の壁からミミズが頭を出していましたから、この孔はきっとミミズの通り道であったろうと思われます。ミミズが多い土は地中に空間が多くなり物理性が向上するといわれますが、まさにこの孔がその役割を果たすのでしょう。

谷津田小宇宙

2005年11月19日 | 農のあれこれ
18日のBAOBABの会合でもう一つ紹介したのは『谷津田小宇宙』という写真集です(中野耕志著、家の光協会、平成10年7月、2,500円+税)。

千葉県北部の特徴的な地形の谷津田は、昔から自然と人間が共存してきた生命の宝庫。そういう里山の生態系、にぎやかな生き物たちの小宇宙をきれいな写真で記録しています。

おもな撮影場所は旧沼南町東部、わが家より東側の地域のようです。農地としては効率の悪い谷津田は耕作放棄され、ごみや建設残土の埋め立て地になりつつあります。写真に撮られたところも10年近く過ぎてすでになくなってしまったところがあるかもしれません。この写真集がまさに谷津田追悼の記録にならなければよいのですが。

ごはんを食べることは自然を守ること

2005年11月18日 | 農のあれこれ
今夜はBAOBABという名の集まりに出かけ、農業の立場から地域のまちづくりの可能性について話をしてきました。BAOBAB

柏・我孫子地域で米を自給しようとすると40%になること、わが家の試みている消費者体験型米のオーナー制度のこと、市民農園や保安林のこと、原地形としての谷津田のことなど、これまで「のらやま通信」やHPで発信してきたことを話しました。建築設計を通してまちづくりを考えている方や農業にたいへん興味を持っている街の方々が参加されていて、楽しい時間を過ごしました。

中でも「NPO農と自然の研究所」が作成した『生き物もごはんも田んぼのめぐみ』というポスターは皆はじめて見たようでした。たくさんの生き物が田んぼで産卵場所やえさ場として生まれ育っていますが、このポスターは生き物が育つために必要な田んぼの面積とそこから収穫できる米=ごはんの量に換算した対応表です。

たとえば、ごはん1杯は3000から4000粒の米粒からなり、稲株にすると約3株。3株分の田んぼの面積は0.15平米。0.15平米あれば、オタマジャクシなら35匹育っているということです。他には、赤トンボ(アキアカネ)1匹が育つにはごはん3杯分の田んぼが必要とか、メダカ1匹ならごはん83杯、ごはん1杯でミジンコ5093匹といった具合です。つまり、ごはんを食べることは自然を守ることにつながっているということを主張しているポスターになっています。

田んぼを維持していくことについては食料生産や防災の視点から言及されることが多いのですが、食卓と他の生物との共存や自然環境の創造という理念を直接結び付ける有意義なデータであろうと思います。

水耕ミツバ「工場?」

2005年11月17日 | 農のあれこれ
昨日の2件目の視察は施設野菜農家で水耕ミツバを生産していました。

まず立地にびっくり。総武線西船橋駅より歩いて5分というところでしょうか。マンションやビルに囲まれた中にぴったりと温室ハウスがはまり込んでいました。

2000㎡の広さのハウスで、芽をだしたばかりのミツバから出荷間近なミツバまで何台もの台が並んでいました。長さ40mはあろうかという一つ一つの台を左右に移動させ、空間をつくって植え付け、収穫等の作業をするそうです。播種から出荷まで夏場で40日、冬場で70日、年間9回転させるそうです。1000㎡のハウスがもう一棟あって、一日に3000~4000袋を出荷。生産を始めて以来18年間、市場休日以外に出荷を休んだことはないと話していました。

道路の向かいにも小松菜?が芽を出している普通畑がまだ残されていて、都市農家の心意気とみるか、変わり者とみるかはその人の立場で違ってくるかもしれません。以前、ビルの中で野菜を育てようという試みも話題となりましたが、身近なところでモノを生産するという姿が見られるということはよいことだと思います。

ナシの早期成園化モデル

2005年11月16日 | 農のあれこれ
先日、指導農業士に任命されたばかりですが、さっそく指導農業士会の交流イベントに参加してきました。果樹農家ばかりでなく露地野菜、施設野菜、水稲、酪農、花きとさまざまな経営形態の農家が集まっていましたので、なかなか刺激的でした。中でもやはり他の地域でナシを栽培する果樹農家との会話は熱が入り、それぞれのところでがんばっている姿が伝わってきて、新たな気力が湧いてきた気がします。

はじめに、市川市のKナシ園を視察しました。テーマは早期成園化。旧来は10年ぐらいかけて苗木から成木に育てていたのを、収穫しながら7年ほどで成木並みの収量を上げようという育苗技術を見せていただきました。

確かに見事な幼木でした。すうーっと長く伸びた幹となる主枝、太らないようきちんと棚づけされた側枝、苗木2年目の管理術と5年目の管理術の違いなども明確にされ、技術の奥深さを思い知らされました。

園主のIさんはナシの木を観察し、写真に記録し、忘れるから写真をひっくり返して思い出すと話していました。これまでに撮った写真はアルバムにして重ねると30cm以上の高さになるとか。「ナシづくりなんてこんなものだなんて思ったときはお仕舞いだ」とも。これからもお付き合いいただきたい方でした。

フリマ体験

2005年11月13日 | わが家の時時
近くの県の施設「少年自然の家」でフリーマーケットが行われるというので、娘たち二人が出店しました。

昨夜遅くまで準備をして車いっぱいのガラクタ?を持っていったのですが、わが家で不要なものは多くの人たちにも不要なもの。娘たちの用意した小物雑貨が売れた程度で、売上も数千円。

祭に参加したと思えば納得ですが、労多くして見入り少なく、長女いわく「まだカブトムシ売る方がよかった」「家の手伝いをするほうがいい」。気付いてもらえたかな?